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2015年5月29日 (金)

船木義勝氏からの手紙2

以前,下記の記事を書いた。

 船木義勝氏からの手紙
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/natural_disaster/2012/11/post-fd61.html

船木氏の研究はとても地味なものではあるけれども貴重なものだと判断し,じっくりと読み,私の書く論文等の中でもその知見に基づいて形成した私見を開陳している(「艸-財産権ととしての植物(2)」169頁の脚注39など)。

先週,新たな研究成果を頂戴した。

 北東北古代集落遺跡研究会編(研究代表者・船木義勝)
 9~11世紀の土器編年構築と集落遺跡の特質からみた、北東北世界の実態的研究
 2011年度~2013年度明治大学大久保忠和考古学振興基金奨励研究研究成果報告書

地道な調査に基づくファクトデータの積み上げを尽くした上での考察が示されており,とても勉強になった。

この報告書の287頁には「近畿地方中心に7世紀以降、東北地方で10世紀中葉以降に激減するが、北東北は11世紀前半まで建物跡を検出しているからである。さらに集落遺跡の視点では、近畿地方から関東・東北地方北部まで、10世紀中葉を境に遺跡数が減少する(地域によっては激減する)することがほぼ共通認識となっている」と書かれており,これに続けて,人口の激減の原因に関する諸説が紹介されている。

その諸説の中には書かれていないが,近畿地方における7世紀以降の激減は,騎馬民族征服説等では侵略によるジェノサイドが原因ということになるかもしれない。

征服説はさておき,それ以外の原因については,単に論じているだけであればいつまでdたっても平行線の状態が続き,結論を出すことは難しい。

しかし,この報告書では,古代の多数の遺跡から得られるデータと地質学上の知見等を総合して,火山噴火による急激な寒冷化(=冷害による作物の激減等)を原因とする説をたて,論証している。

データの評価の仕方についてはまた別の見解もあり得るだろうと思う。

また,私は,榛名山大噴火による関東地方の絶滅的な崩壊についてももっと詳しく論じてほしかった。

そういう部分もあるけれども,全体としては非常に説得力に富み,一つの見解として尊重しないわけにはいかないものだと判断している。

貴重な研究成果だと思う。

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