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2012年12月 6日 (木)

Hi-netの利用規約は一部無効

Hi-netには利用規約がある。

 利用規約
 http://www.hinet.bosai.go.jp/about_data/?LANG=ja

その中の再配布に関する部分には「防災科研Hi-netのWEBサイトに置かれているデータや画像ファイル(公開を終了したものを含む)は, 防災科研(各波形データについては,データ出典元機関)が著作権を所有しており, 公開を行う媒体を問わず,再配布(二次配布)を禁止させて頂いております。」とある。

まず,「著作権を所有」という表現は無効であり,法的には完全に無意味だ。

「著作権がある」という意味だと理解した場合でも,「データ」については創作性があってはならないので,著作権が発生する余地が全くない。著作物は,「創作的に表現したもの」でなければならない。もし「データ」が創作性のある著作物であるとすれば,Hi-netは捏造データ提供サイトであると宣言しているのと同じことになるが,そのはずがないので,捏造データでないとすれば著作物になるはずがない。したがって,Hi-netが「データ」について著作権を有することもあり得ない。

「データ」の集合物であるデータベースについて著作権が発生することがあるが,データベースの構成要素である個々のデータについては,データベースに含まれているというだけでは著作権が発生することにならず,個別に著作物性を検討しなければならない。

Hi-netに限らず,法的には100パーセント無意味な表示をしている個人・組織・団体等が少なくない。

専門家と相談し,適法な運営を心がけてほしい。ここでいう「適法」とは,利用規約それ自体の適法性を含む。利用規約は,マネジメントの基本の一部を構成するものだから,利用規約が適法でなければ,組織運営全体も適法でないということになる。

こういうことを書くと腹をたてる人(組織・団体)が少なくないようだ。

しかし,冷静によく考えて欲しいのだが,無料で完全に正しい指摘をしてもらえるのだから,むしろ御礼を言うべきだろうと思う。

例えば,少なくとも地震データの著作物性の法的検討については,外注すればかなり高額のお金(報酬)をとられかねないが,仮にどんなに高いお金を払ったとしても,検討した結果としての結論は私見と完全に同じになる。なぜなら,この点に関する私見は,法律の規定そのものであり,通説・判例に基づく見解であり,世界共通の認識であるからだ。その知見を慈善事業的に無料で提供しているのだから,こんなにありがたいことはないだろう。

一般に,著作権については,法的にはまるで無効なことを正当な法解釈であるかのように見せかけて表示している個人・組織・団体がかなり多数ある。「ブラック士業」に属する者が関与でもしているのだろうか?

なお,あまりにも当然のことなので書くのも馬鹿らしいことなのだが,公正な引用は自由にすることができる。当該領域において公正だとされている方式に従って引用をすれば足り,「謝辞」は必要ない。そもそも公的機関(独立行政法人等)が「謝辞」を求めることは,国会で非難・弾劾されても一切反論できない非道に属する。公務員は「パブリックサーバント」であるので,国民に対して奉仕すべき存在であり,国民に対して常にへりくだり低姿勢でいるのでなければならない(←江戸時代の武士(御家人)は常にそのことを意識し,「世間」の眼の恐ろしさをしっかりと認識していたので,テレビ時代劇に出てくるような傍若無人な役人武士はそうそうあるものではなかった。むしろ,江戸に関する限り,小役人的な武士が圧倒的に多かったのではないかと推定される。そして,もし武士が傲慢で反感を買う存在であれば,最悪の場合,逆に暗殺されたり,正規の裁きによりお家断絶となることさえあった。)。独立行政法人の職員もまた同じ。

[参考:著作権法抄]

第2条(定義)
1 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
二 著作者 著作物を創作する者をいう。


第12条の2(データベースの著作物)
1 データベースでその情報の選択又は体系的な構成によって創作性を有するものは、著作物として保護する。
2 前項の規定は、同項のデータベースの部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。

第13条(権利の目的とならない著作物)
 次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない。
一 憲法その他の法令
二 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人(独立行政法人通則法 (平成十一年法律第百三号)第二条第一項 に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)又は地方独立行政法人(地方独立行政法人法 (平成十五年法律第百十八号)第二条第一項 に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
三 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
四 前三号に掲げるものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの

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