2017年4月15日 (土曜日)

法と情報雑誌第2巻の正誤

法と情報雑誌2巻に収録の参考訳に下記の誤りがありました。お詫びして訂正します。

 法と情報雑誌2巻2号150頁 脚注1行目

    正「第8条第3項」  

    誤「第8条第5項」

  法と情報雑誌2巻3号164頁 第4条第2項柱書

    正「第1項に示す条項を遵守する限り」

    誤「ただし、第1項に示す条項は、以下を遵守するものとする」

[追記:2017年4月24日]

 法と情報雑誌2巻4号344頁 第55条第4項

    正「官吏及びその他の職員」

    誤「執務室及びその他の職員」

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2017年4月13日 (木曜日)

中山信弘・金子敏哉編『しなやかな著作権制度に向けて-コンテンツと著作権法の役割』

金子敏哉先生から下記の書籍を頂戴した。

 中山信弘・金子敏哉編
 しなやかな著作権制度に向けて-コンテンツと著作権法の役割
 信山社(2017/3/30)
 ISBN-13: 978-4797232349

科研費の基盤研究A「コンテンツの創作・流通・利用主体の利害と著作権法の役割」の研究成果をまとめたものだ。

頂戴したばかりなので内容を精読しているわけではないが,ざっと読んでみた感じでは,フェアユースと関連する最近の問題について,様々な角度からの考察を提供する論考が収録されており,興味深く読んだ。

(余談)

一般論として,現行の著作権制度が比較的近い未来までそのまま維持可能だとは全く思っていないし,さりとて,レッシグ流の考え方によって新たなスキームが生まれることもないと考えているが,現行の著作権という枠組みの中でぎりぎりの限界を考察することは重要なことだと思う。それがなければ,制度それ自体の限界を知ることができないからだ。

今後は,人間の意思(特に創作性)という要素を全く含まない完全に新たな制度的な枠組みが模索されることになるだろう。

それがどのようなものになるにせよ,結局は,誰かの何らかの利益を強制力をもって守るという基本的な考え方が維持可能なものかどうかも考える必要がある。

いわゆる「情報の自由」なる考え方が,従来考えられてきたようなあり方ではとても維持できないということは,既に証明されてしまっているように思う。

また,法による統制だけを考慮した場合,あまたあるシミュレーションの中で,「ハチの社会」または「アリの社会」のモデルが優位なものとなり得るという可能性は無視できないように思う。

「自由の領域」というものを従来の法哲学では考えてこなかったようなものとして設定し直す必要があるのではなかろうか。

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2017年4月10日 (月曜日)

The Unaccountable State of Surveillance: Exercising Access Rights in Europe

アマゾンに注文していた下記の書籍が届いたので,早速,ざっと読んだ。

 Clive Norris, Paul de Hert, Xavier L'Hoiry & Antonella Galetta (Eds.),
 The Unaccountable State of Surveillance: Exercising Access Rights in Europe
 Springer (2017)
 ISBN-13: 978-3319475714

批判的な立場で書かれているので,そのようなものとして読まなければならないが,全体として非常に良い本だと思う。

CCTV等のサーベイランスは,それ自体として問題があるが,どのような調査をしているのかを「知る権利」が充足されているかという点も見逃せない。この本は,そのような観点に重点を置いている。

特にEUの個人データ保護法制において必ず登場するアクセスの権利の実態がよくわかる。構成国レベルでも個別に章がわりあてられ,丁寧な調査結果が述べられており,比較法的な検討をする場合に必要となるありがたい手掛かりを与えてくれている。

ただ,法律の条文をみる限りでは,そもそもそのような権利ではないのかもしれないというのが私見で,多数の参考訳をつくりながら,そのような感を深めつつある。関連する多数の条文を読めば読むほどそういう気分になる。

この問題について,日本国で刊行さrている一般的な憲法や行政法の教科書等に書いてあることは,ほとんどあてにならないので,直接に当該適用される法令の全条文にあたって丁寧に考えるという努力を積み重ね続けるしかない。

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2017年4月 7日 (金曜日)

小倉一志『インターネット・「コード」・表現内容規制』

小倉一志先生から下記の書籍を頂戴した。

 小倉一志
 インターネット・「コード」・表現内容規制
 尚学社(2017/4/1)
 ISBN-13: 978-4860311223

表現の自由とその規制は、小倉一志先生の一貫した研究テーマで,本書は、最近の研究成果をとりまとめた内容となっている。読んでみたところ,更に研究継続中の事柄がいくつかあるようで,今後,順にその研究成果を公表したいとのことだ。

表現の自由に関しては良い論文や書籍が少なくないので,なかなか大変だとは思う。

本書は、そのようなテーマについて,まじめに取り組んだ成果を示すもので,他の文献等では触れられていない事柄についても検討結果が示されており,参考になった。

一般に,地道でも誠実な研究を継続することにより必ず良い結果への道が拓かれることになる。それを活かすかどうかは本人次第なのだが,しかし,何もしないでいるのであれば,いかなる道も良い方向に向けて拓かれることはない。

今後の研究成果を踏まえた研究の継続とその新たな研究成果の公表を期待したいと思う。

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2017年4月 4日 (火曜日)

Paul Lambert, The Data Protection Officer: Profession, Rules, and Role

下記の書籍をざっと読んだ。

 Paul Lambert
 The Data Protection Officer: Profession, Rules, and Role
 CRC Press (2016)
 ISBN-13: 978-1138031937

Data Protection Officer (DPO)は,日本ではデータ保護責任者と訳されることが多い。

個人データ保護法制の研究をしていると必ず出てくるものなのだが,その実際の仕事をしる人は意外と少ないかもしれない。

しかし,欧州では,DPOの横断的な団体もあり,著書を出しているDPOもいる。EUでは,女性のDPOもかなり多数存在する。

近年のEUの立法の中では特にその重要性が増している職種の1つと言えるだろう。

この書籍は,インターネット法について多数の書籍を出しているPaul Lambertの最新作で,昨年可決されたGDPRの条項に即して,その実際の運用にも留意しながらDPOの仕事とその法的根拠,そして,問題点について述べるものだ。

類書があまりないので,とても参考になる。

私個人としては,GDPRの条文だけではなかなか具体的なイメージをつかめないでいた部分を理解するのに役立った。

技術系のマニュアルではないので,技術的な措置だけに興味をもつ人にとってはあまり面白くない本かもしれないが,もともとそういう本ではない。

平易に書かれており,読みやすいので,EUの個人データ保護法制の研究者にはお勧めの一冊と言える。

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2017年4月 2日 (日曜日)

Rigor Mortis

下記の記事が出ている。

 How sloppy science creates worthless cures and wastes billions
 ars technica: April 1, 2017
 https://arstechnica.com/science/2017/04/how-sloppy-science-creates-worthless-cures-and-wastes-billions/

この記事にある書籍についてAmazonで調べてみたところ,日本国内ではまだ販売されておらず,予約注文の扱いになっていたので,早速予約した。

おそらく,予想したとおりの内容の書籍だろうと思う。大概のことは既に知っているので,新規の知見は得られないと思っているけれども,こういう書籍が刊行されるという事実に着目したい。

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2017年3月30日 (木曜日)

松原有里先生からの抜き刷り献本

昨日,大学のボックスに松原有里先生から論文の抜き刷りが届いていた。以前,松原先生のVAT関連の論文をこのブログで紹介したことがあるのだが,お手紙によると,その御礼ということのようだ。

「欧州諸国における訴訟制度」日税研論集(2017年3月)225~260頁という論文で,公刊されたばかりの最新の内容のものであるというだけではなく,このテーマで書かれた日本語の論文があまりないため,この分野について勉強する上で非常に助かる。ありがたいことだと思った。

また,そのお手紙によると,私の知人と親しいらしいということが書いてあり,世間というものは本当に狭いものだと痛感した。

なお,EUの税法及び税制と関連する私の参考訳としては,既に税関における情報システムの利用に関する指令や,EUの財政上の利益を害する不正行為を取り締まるOLAFの関連法令を法と情報雑誌で公刊しているが,OLAFの現行規則及びEurojust関連の法令も訳出し,ほぼ校正も終えたので,法と情報雑誌の次号で公開する予定で準備を進めている。

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2017年3月29日 (水曜日)

ボルゲス先生からの郵便物

本日は,ちょっと雑用があり,大学に出た。郵便ボックスに行ってみると,ボルゲス先生から大型の郵便物が届いていた。開封してみると,過日の会合の際の会食の御礼状と書籍が入っていた。下記の書籍だった。

 Georg Borges
 Verträge im elektronischen Geschäftsverkehr: Vertragsabschluß, Beweis, Form, Lokalisierung, anwendbares Recht
 Nomos (2008)
 ISBN 978-3-8329-2803-2
 http://www.nomos-shop.de/Borges-Vertr%C3%A4ge-elektronischen-Gesch%C3%A4ftsverkehr/productview.aspx?product=9677

1000頁以上もある大作で,電子契約に関する法律問題について網羅的に検討した結果がぎっしりと書かれている。ドイツ語なので,辞書をひきひきではあるが,少し読んでみた。

内容的には,インターネット上での電子契約を主体とする問題について述べている部分が多い。このような検討を踏まえた上で,ロボットの法人格の問題へと検討が進んだのだろうと思う。インターネット上での自動処理,そして,それを支える技術の進歩とりわけ人工知能技術の応用という流れを素直にとらえれば,法解釈論として当然検討されるべき事柄が順に全て検討されている。

素晴らしい力作だと思う。

ボルゲス先生には他にも最近の著作があるので,購入して読んでみようと思った。

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2017年3月23日 (木曜日)

川西晶大「フランスにおける偽装携帯電話基地局を使用した通信傍受法制」

国立国会図書館のサイトで,下記の論説が公開されている。

 国立国会図書館調査及び立法考査局行政法務課長 川西晶大
 フランスにおける偽装携帯電話基地局を使用した通信傍受法制
 レファレンス 794号(2017.3) 49~64頁
 http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_10315719_po_079403.pdf?contentNo=1

非常に貴重な文献だと思う。

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2017年3月22日 (水曜日)

Andy Bain (Ed.), Law Enforcement and Technology: Understanding the Use of Technology for Policing

下記の書籍を読んだ。

 Andy Bain (Ed.)
 Law Enforcement and Technology: Understanding the Use of Technology for Policing
 Palgrave Macmillan (2016)
 ISBN: 978-1-137-57914-0
 http://www.palgrave.com/la/book/9781137579140

比較的薄い書籍で,記述も要領よく簡潔にまとめられている。

短時間で要点を理解し,問題点を把握するには良い書籍だと思った。

近未来を想定した記述部分(特に結論部分)で書かれている事柄は,実際には,近未来の想定ではなく,既に現実のものとなっている。しかも,現在では,人工知能の応用により更に高度な自動処理が進んでいる。そういうことを理解した上で読まなければならない。

「怖い時代になった」と思うか,それとも,それゆえに更に学問意欲を沸騰させるかは,読者の知識や個性や資質により異なる。

しかし,現実離れして空理空論ばかりやっていても何の益もないので,現実を見据えた法解釈論の構築をめざすべきだということだけは確かだと思う。

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