DACS:AIの時代における透明性,公正性及びクリエーターの権利の尊重に関する共同声明
下記のとおり,共同声明が出ている。
Our joint statement calling for transparency, fairness and respect for creators’ rights in the age of AI
DACS:Posted on 16/10/2025
https://www.dacs.org.uk/news-events/joint-statement-on-creators-rights-in-age-of-ai
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私は,基本的に賛成だ。
世界各国の著作権法制に完全に精通していないAI関連企業の経営者及びAI関連組織の代表者は,特に米国流のフェアユースしか知らない者は,ちゃんと勉強すべきだ。それらの人々は,自分のことを非常に優秀だと宣伝しているので,1週間もあれば世界中の全ての著作権制度に精通することなど簡単にできることだろう。
しかし,現実にはそのような経営者などいるはずがない。
そこで,各国とも,例えば,当該企業や研究組織の前年度における全世界の総売上高を上限とする行政上の制裁金制度を早急に導入すべきだと考える。
そのような制裁金による国庫収入は,零細であるために訴訟を起こすこともできないクリエータに分配すればよい。
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基本は簡単だ。
人間がやってはいけないことは,AIシステムが自動実行することも許されない。
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学習することそれ自体は,一般的には,各人の自由かもしれない。
しかし,企業秘密のようなアクセスが禁止されている知的財産権にアクセスすることは禁止なのでそもそもそれを学習することが許されない。
また,人間による学習の場合,脳内の記憶能力に限界があるので,著作権侵害の程度・範囲にも自ずと制限が称する。ところが,理論上では無限に記憶領域を拡大できるコンピュータシステムでは,たった1人のAI企業の経営者によって世界中の著作物がシステム内に格納され,潜在的に著作権侵害の状態でスタンバイするという状態が発生する。
つまり,AIによる知的財産権の侵害による潜在的な影響度は,個々の人間による場合とは全く比較にならないほど大きなものであり,いわば全人類を死滅させる文化的な生物化学兵器のようなものだと言える。
立法者は,そのことを正確かつ冷静に理解し,この問題に対応するため,適切に立法すべきだ。

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