シューマン:交響曲第2番
シューマンの交響曲は,好き嫌いがあるかもしれない。
確かに,普通のロマン派の楽曲のように見える。
しかし,私は,例えば,プロコフィエフやショスタコービチのような現代の作曲家の作品を先取りするような部分を含む天才的な作品群の一部なのではないかと思う。天才過ぎるのと同時に,常識人過ぎたため,その精神的葛藤の中でちょっとおかしくなってしまったのかもしれない。
それはさておき,下記のサイトでジョージ・セルのルガノライブの第2番のことが書かれていたので,復刻盤を購入して聴いてみた。
結論として,素晴らしいの一言に尽きる。
ハルくんの音楽日記:シューマン 交響曲第2番 名盤: ~苦難から歓喜へ~
http://harucla.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-e80592.html
他にも名演が多数あるのだろうと思う。ジョージ・セルのライブ演奏の録音が行われたのは1957年なので,無論,様々な制約があっただろうと思うし,それを少しでも克服するために行われたデジタル処理の結果として失われた部分があるかもしれない。
にもかわわらず名演だと思う。
幸か不幸か,私はオーディオマニアではない。雑音や騒音が混じっていようとどうであろうと,「何を表現しようとしていたのか?」を受容できるのであれば観賞することができ,その目的が現実に成功している演奏は名演なのだと思う。
特にライブは1回しかない。
全く同じ演奏者であっても,二度と同じ演奏をすることができない。
だから価値がある。
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同じルガノライブのCDにはドビュッシーの「海」の演奏も収録されている。これも素晴らしい。
ちなみに,「海」の初版スコアの表紙には葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」の一部(波の部分)が使用されていたそうだ。
とても素敵な装丁だと思う。
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