2018年12月10日 (月曜日)

大学入試における男女差別問題

いろいろと報道されている。

いろんな意見がある。

しかし,「**女子医大」等の名称が名称それ自体として「差別的だ」という意見はないし,女性だけの学校等を「差別的だ」という意見を耳にする機会は滅多にない。

また,レストランには女性専用メニューがかなり多数存在するが,「差別的だ」という意見を耳にしたことがない。

非常に興味深い現象だと思っている。

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2018年11月26日 (月曜日)

法学部は滅びるか?

下記の記事を読んだ。

 法科大学院の興亡と大学法学部の盛衰
 社会科学者の随想:2015年01月20日
 http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/2015-01-20.html

私は,法学部全部が滅びることはないと予想する。

しかし,無為無策では必ず滅びる。

私としては,明治大学法学部及び大学院の中に情報と関連する法分野の専門家を育成するコースを構築すべきだと考え,諸々の制約の中で最善の努力を尽くしてきたつもりだ。

それらの制約の中で最も大きな制約は,教員の「定員」の問題だ。諸般の事情により増やすことが困難なので,少数精鋭で頑張っており,performanceとしては日本国内ではダントツであることは言うまでもなく,世界的にも稀な存在となることを達成している。最近,その手のグラフを見かけなくなったが,もし単純に業績数だけでグラフを作成するとすれば一目瞭然となるであろうし,内容を重視して比較検討しても同じ結果となる。

理想的には,教員の定員と科目数の増加を求めたいところだが,もしそれが実現すれば(総定員の純増は考えにくいので)他の科目の定員を圧迫することになることから,決して無理押しはしない。

上記の記事の最後のほうに某受験予備校の責任者の発言が引用されている。私もそうだと思う。「何を学ぶのか?」が明確ではないものでは勝負にならない。

私は,自分にやれることしかできないので,「情報社会の法」に関する専門的な素養をもつ若者の育成に集中し続けようと思う。

一般に,当該分野において真に実力があり,優れた論文を書き,勉学意欲のある若者に対して正しく充実した教育を提供でき,必要に応じて英語でも十分にやりとりできる教員は,現実にはかなり稀な存在だ。

しかし,幸いなことに,明治大学法学部の「法と情報コース」の担当教員は,それらの条件を全て満たしていると考えている。

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2018年8月 9日 (木曜日)

EU:会社法指令(EU) 2017/1132

以前,南保勝美先生から教えてもらいながら1か条も読んでいなかったのだが,私の専門分野と非常に大きな関係のある条項を含んでいることが判明したため,会社法指令(EU) 2017/1132(OJ L 169, 30.6.2017, p.46-127)の全体をざっと読んだ。

 Directive (EU) 2017/1132
 https://eur-lex.europa.eu/legal-content/en/TXT/?uri=CELEX:32017L1132

これは,全体として行政法の一種だと思う。

しかし,商法(会社法)ではないという意味ではない。

そもそも,商法は,公法の一部である行政法の一種として理解されるべきものだ。

その意味で,公法と私法の分別は,実は,あまり意味がない。

学術分野を細分化するようなコード化は,もっと意味がない。

学術分野を細分化しようとする試みは,日本国の法学だけではなく,日本国の経済活動全体に対して致命的な打撃を与える有害行為であると考える。

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2018年8月 8日 (水曜日)

EU:Digital Education Action Plan

下記のところで公表されている。

 Digital Education Action Plan - COM(2018) 22 final
 https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=COM%3A2018%3A22%3AFIN

しかし,既に手遅れではないかと考えられる。

EUだけではなく,世界中でそうだ。

これからの時代は,従来とは全く異なる精神構造(または,ニューロンの配置)をもった人々の割合が増えるという前提でものごとを考えなければならない。

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2018年6月10日 (日曜日)

実務家・・・

ある方面から「実務家」を大学教員としてもっと採用すべきだとの声がある。

単に「天下りをもっと受け入れろ」との要求に過ぎないとの声もあるし,そうであるのかもしれないが,もし,正当に評価されるべき能力や経験をもつ「実務家」であることを必須の前提とした上で,そのような者の能力や経験を大学教育の中で活かすべきだという主張であるとすれば,それはそれで一応正しい見解であり得る。

問題は,当の「実務家」がどのような実務家であるかに尽きる。

単なる「大学秀才」のようなタイプの人材は,実務の世界においても全く役にたたないので必要がない。そのような者を大学に押し付けて人事上の清算をしようとするのであれば,もってのほかというべきだろう。

理想的には,業務の種類を問わず,通常は遊んでばかりいるように見えても,余裕で他人の何倍もの仕事を短時間で済ませてしまい,明確な実績を積み上げているようなタイプの実務家であれば,一応,その能力を推定しても良いのではないかと思う。

ただし,その仕事の「質」の問題は残る。例えば,その実務家が裁判官である場合,単に判決の数だけではなく,その上訴率や破棄率も十分に考慮に入れられなければならない。現実問題として,事件処理数は十分であるように見えても,実際には事実認定力や証拠の読解能力が実質的にゼロに近いような裁判官や,当該事件の解決のために必要な専門知識を極めて短時間の間に,またたくうちに吸収・咀嚼・応用することができるような優れた能力を全く欠く裁判官は存在する。

行政官の場合,論説や解説書のようなものを多数著作しているように見える場合であっても,実際には,組織としてそのような論説や解説書を作成するのが普通であり,また,その作成に際して関連分野の専門家に一部下請けをさせたり,専門論文等の一部をコピペしたりして作成することも多々ある。それゆえ,当該行政官が実際には何文字を実質的に書いたのかを精査してみなければ,当の者の実際の能力を測定することができない。このことは,企業の上級幹部のような場合でも同じである。

そういうわけで,単に「実務家」であるというだけで所期の効果をあげることができるという保証はない。現実には,優れた人材というものはどこでも極めて希少なので,どこでも引っ張りだことなっている。このことは,将来においても変わらない。そして,一般的には,当の本人に(家族の介護などの)特殊事情でもない限り,離職など考えられない。そのような特殊事情は,何らかの機会に本人が口にすることでもない限り,他人からは全く知ることのできないものであるのが普通だ。だから,非常に優れた人材の場合,どうして離職したのか,誰にも本当のことはわからない。

大学の人事担当者は,そういうことを熟慮した上で,教員人事というものを考えるべきだと思う。

ただし,正規に大学院を卒業し,学位を得ているというだけで当該の者が優れた人材であるという保証もまた全くないということも忘れてはならない。

当該の者の実力は,当該の者自身による実績の積み重ねによってのみ,正確に測定され得る。

それゆえ,若い世代の研究者(研究者志望者)には,「学者というものは書いてなんぼの世界だ」と口を酸っぱくして教えるようにしている。ただし,そのあとは当の本人の問題なので,無理やり論文を書かせるようなことはしない。

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2018年5月23日 (水曜日)

英国:個人データ保護のための適切な手立てを講じなかったとして,Greenwich大学に対し,12万ポンドの制裁金

下記の記事が出ている。

 Ahead of GDPR, UK fines University of Greenwich £120,000 over data breach
 ZDNet: May 22, 2018
 https://www.zdnet.com/article/ahead-of-gdpr-uk-fines-university-of-greenwich-120000-over-data-breach/

日本国の大学において,データ保護責任者を設置しているところはほとんどないのではないかと思われるが,検討すべき時期に来ているのだろうと思う。

特に,欧州からの留学生や研究者の交換を促進している大学においては,EU並みの個人データ保護の体制を整える必要があると考えられる。

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2018年4月18日 (水曜日)

ちょっと驚き

明治大学では,情報関連の講義を担当するほか,「法と情報コース」のコース主任としてコース科目の企画・運営の仕事もしている。

2018年度は,法学部の情報関連科目の受講希望者の数が例年よりもかなり多く,驚いている。

原因はよくわからない。

しかし,更に気合を入れてコース運営に努めたいと思う。

***

受講者の数が多い場合,当然のことながら,受講者の資質・性格・能力等にかなりのばらつきが出てくることになる。

私が伝えたいと思う内容を受容する能力や程度にも相違があることだろう。

しかし,可能な限り,受講してよかったと思ってもらえる講義としたい。

例年よりも力を入れてレジュメも作成し,提供しようと思う。

理想的には,レジュメなしに,講義内容を受講者が自分の頭でまとめてノートをつくるのが最も良く,大学4年間にそのようなノート作成の努力を積み重ねていれば,就職活動においても,就職した後においても,基本的に困ることがほとんどないはずだ。けれども,現実には全ての学生にそれを期待できない状況にあることは否定できないので,レジュメを作成する。

受験予備校の授業のように余りにも丁寧過ぎる授業は,受講者のサバイバル能力を大幅に劣化させてしまう最大の原因になるので,私は,基本的に反対だ。社会人になると,誰も丁寧に教えてくれることなどあり得ない。自分の責任で,自分の力で生きていかなければならない。だから,彼らに対してサバイバルのための考え方の基本を教え,彼らが社会人になったときに生きるためのノウハウを少しでも伝授することも教員としての大事な仕事の1つだと考えている。

一般的には,講義内容が分からなければ積極的に質問し,決して安くはない学費を1円でも回収しようとガツガツする学生が好ましい。ただし,良い質問をするためにはそれなりにしっかりと予習し考えておかないといけないので,単なる思い付きだけでは良い質問をすることもできない。

***

大学院では,今年の5月25日に適用(施行)されるEUのGDPRの解説・比較法的検討・関連法情報の入手を骨子とする講義科目も提供している。

今年は,社会人の聴講希望者もあるので,目いっぱい気合を入れて授業と取り組みたいと思う。

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2018年4月13日 (金曜日)

SOFTIC:判例ゼミ2018

SOFTICにおいて,下記のとおり,一般向けセミナーが開催される。

 SOFTIC:判例ゼミ2018
 http://www.softic.or.jp/semi/index.html

SOFTICの関係の諸先生方とはかねて(公私にわたり)交際があるので,講師陣の質が非常に高いということを保証できる。

ただし,過日,SOFTICで講演をした際には,椙山敬士先生から飲みに誘われていたのだが,たまたま多忙のためお断りするという失礼をしたままになっている。そのお詫びのしるしに,いずれ,こちらからお誘いしようかと思っている。

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2018年3月11日 (日曜日)

大野幸夫先生最終講義

既にお知らせしていることではあるが,法と情報研究会の公開研究報告会と一緒に,この3月で退職される大野幸夫先生の最終講義を実施する。

この最終講義は,昨年9月ころから企画を開始し,10月頃には関係者に周知を始め,12月頃から公式に公表しながら細かな準備を進めてきたものだ。日程は既に決まっていたけれども,大学内の所定の審査等を経て,正式に教室の使用が認められたので,2018年1月以降には,順次具体的な内容を示して広報してきた。

大野先生には公私ともに大変お世話になったので,きちんとやりたいと思うし,また,法と情報研究会の会員として一緒に研究を行ってきた方々の協力を得ることもできた。

その最終講義のテーマが一応決まったので下記のところで広報している。

 http://cyberlaw.la.coocan.jp/index2.html

内容的には,現在,世間でかなり問題となっているいわゆる「仮想通貨」の取引と関係するものだ。

ところが,大野先生は,一見すると強面のように見えることもあるが,実はかなり遠慮深い方でもあり,大野先生ご自身ではゼミ卒業生や元の同僚等の関係者に対して積極的に周知をされないようだということを知った。

それゆえ,ややくどいかもしれないが,このブログで再度広報したいと思う。

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2018年1月16日 (火曜日)

夏井高人「医疾令の本草」

明治大学法学部の紀要である法律論叢に下記の論文が掲載された。

 夏井高人
 医疾令の本草
 法律論叢90巻2・3号317~369頁(2018年1月)

この論文を書くために3年ほどの時間をかけた。しかし,この程度のものしか書けなかった。自分の実力のなさを嘆く。

この論文の目次構成は,以下のとおり。

***

1 はじめに
2 医疾令施行当時に利用可能な本草書
 2.1 本草書の存在
 2.2 『本草集注』に収録されている主要な草の類
3 木簡史料との照合
4 医疾令施行当時に生きた植物として実在可能な本草
 4.1 植物種の同定
 4.2 植物種の同定からの示唆
5 正倉院保存資料の検討
 5.1 「種々薬帳」に記載された本草名
 5.2 現代における調査結果
6 考察
 6.1 薬用ではない植物
 6.2 中国からの輸入書籍の写本と推定すべき木簡
 6.2.1 木簡①について
 6.2.2 木簡②について
 6.2.3 木簡③について
 6.2.4 木簡④について
 6.2.5 木簡⑤について
 6.3 荷札と推定される木簡の評価
7 まとめに代えて-検討結果による示唆

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