2019年6月11日 (火曜日)

EU:Digital Education Action Plan

下記のところで公示されている。日本国における同様の政策もこれに歩調を合わせるものとも考えられる。

 Digital Education Action Plan(COM(2018) 22 final)
 https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=COM%3A2018%3A22%3AFIN

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2019年6月 8日 (土曜日)

大島眞一編『司法試験トップ合格者らが伝えておきたい勉強法と体験記』

出版社から下記の書籍の寄贈を受けたので,早速読んでみた。

  大島眞一編
  司法試験トップ合格者らが伝えておきたい勉強法と体験記
  新日本法規出版 (2018/7/12)
  ISBN-13: 978-4788284463

複数の執筆者による書籍であり,各人各様の体験談と所感が述べられている。

無論,賛成できる部分と賛成できない部分とがある。しかし,このような書籍は,必要な書籍だと思う。

一般論としては,法律家の仕事は,理論法律家であれ,実務法曹であれ,非常に個性的な仕事だと思う。

裁判官にあっては,どんなことがあっても屈しない独立性を維持するための精神的な頑健性と頭脳の柔軟性の両方が求められるので,自動的に個性的になる。

弁護士にあっては,類型を同じくする事件であっても当事者と事案によって実質的な内容が千差万別であることが多いので,ステレオタイプのような弁護士では仕事にならない。

検察官にあっては,事案に即して公訴事実を構成し,適切に証拠を取捨選択する能力が求められるだけではなく,刑事訴訟以外の多種多様な法務に従事することもしばしばあるので,かなり柔軟な思考能力と知識の吸収能力が求めらる。

法学者にあっては,「従来の通説を全て粉砕して過去のものとしてしまう!」くらいの強靭な意気込みがなければ,まともな論文など書けるはずがない。

そして,それぞれの法律家には各人各様の世界観というものがある。

それゆえ,まともな法律家である限り,最初から最後まで個性的であることが求められるし,意識しなくても自然とそのようになる。

その結果,この分野に関する限り,画一的な教育は,常に成立しない。

私の場合,学生の意欲,資質,能力,志望等の要素を丁寧に観察した上で,それぞれの学生の個性に即した法学教育をめざしており,画一的な授業をやってみてもほぼ無意味だと理解している。

特に,各人の勉強方法は,各人が自身で身につけるべきものであり,教育によって最適解のようなものを教えることができない。仮に最適解もどきのようなものを暗記または訓練により習得させてみたところで,同じ教育を受けた者は,(少なくとも外形上では)全員同じことができるようになるかもしれず,それでは同業他者との差別化などできるはずがないので,人生において必敗の方法論を学んでいるのと同じことになる。

世界観や倫理観等に関しては,そもそもそれが固定的なものではなく,時代や環境の変化や相違によって顕著に異なるものであるし,日本国憲法によって保障された各人の思想信条の自由に属するものであるので,強制することが許されない。知識や技能を習得するための訓練と倫理観または思想の強制とは全く別のものである。

そのような観点から,本書の感想に戻ると,執筆者各位が比較的正直に意見を述べているように思われ,しかも,「自分自身の方法論をつかむ」ことを重視していることには心強いことだと思った。

私自身は,既に引退同様になっていることはさておくとしても,自分自身の気持ちの問題としては,どこかの誰かのように権力や名誉や地位を求めるようなタイプの老醜を晒そうとは思わない。

若い世代に大いに期待したいと思う。

 

 

 

 

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2019年6月 7日 (金曜日)

米国:ロースクールの衰退傾向の中でのルイジアナ州の別の選択

下記の記事が出ている。

 Do We Need Another Law School? Some Louisianans Think So.
 law.com: June 5, 2019
 https://www.law.com/2019/06/05/do-we-need-another-law-school-some-louisianans-think-so/

米国の州は,日本国の都道府県とは全く異なり,独立の権限を多数もっている。そのあたりが日本では実現不可能なことでも実現してしまう動因として存在していると考えられる。日本国のように,律令時代以来の中央集権的一元的国家体制の下では,その真似をしても必ず失敗するので真似しないほうがよいが,考察のための素材としては大いに参考にすべきだろう。

それはさておき,職業人としての法曹の需要は,ごく普通の経済原理(需要と供給)によって自動的に定まる。

しかし,そこで考えなければならないことは,そこでいう「需要」とは何のことを指すかという点だ。

そして,需要が高いか低いかとは無関係に,生き残る者は生き残るし,そうでない者はそうではない。

その差は,個々の者の固有の能力によるものであり,基本的には教育制度とは全く無関係のことだということにいち早く気づくことが生き残りのための最善の道であることも否定できない。

その意味で,長い目でみた場合,学歴(学位)や肩書は,実務の世界ではほぼ無意味である。そのことを知らずに形式的な基準だけで人事等を決定する組織(企業等を含む。)は,必ず衰滅する。

ただし,他人の何倍もの仕事を平気でこなすためには,それなりの十分な体力と集中力も必要なので,その点を無視して知能だけに頼ると,かなり悲惨な結果を招くことがあることには十分に留意しなければならない。

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2019年3月17日 (日曜日)

電子情報通信学会総合大会のシンポジウム「科学技術者コミュニティと軍事研究:軍民両用技術と科学技術の価値」

吉備国際大学の大谷卓史先生から下記のシンポジウムの案内を頂戴したので,転載する。

***

AI-6. 科学技術者コミュニティと軍事研究:軍民両用技術と科学技術の価値
( 技術と社会・倫理研専)

一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.

3 月20 日 13:00 〜 16:50 54 号館 101 教室 座長 森住哲也(神奈川大)
講演時間:指定以外各25 分
座長挨拶:15 分
AI-6-1 軍民両用技術と科学技術の価値:技術決定論と社会構成主義の議論を踏まえて… ………………………久木田水生(名大)
AI-6-2 正戦論と軍事研究… ………………………………………………………………………………………………眞嶋俊造(広島大)
AI-6-3 「軍事研究」をめぐるアポリア: 2017 年学術会議声明等の分析… ……………………………………………大庭弘継(京大)
休 憩(10 分)
AI-6-4 軍事研究と科学の公有主義:技術院と理化学研究所の比較を通して考える… ……………………本田康二郎(金沢医科大)
AI-6-5 軍民両用技術において自律的知能機械対人間という枠組みは妥当か… ……………………………………村上祐子(立教大)
休 憩(15 分)
AI-6-6 人工知能/ ロボットと安全保障技術に関する世界的な議論の論点整理(10 分)… …………………………江間有沙(東大)
AI-6-7 科学技術の軍民区別の困難性…どのように区別するのか(10 分)… ……………山下愛仁(航空自衛隊航空研究センター)
パネル討論(45 分)
16 時5 分から開始です。講演者全員による討論となります。
http://www.ieice-taikai.jp/2019general/jpn/

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2019年2月10日 (日曜日)

信義則

民法の基礎として習う事項の1つだ。

しかし,初歩的な概念ではなく,無数の事例を知り,人生の中で苦楽を味わい,それからやっとわかる概念だ。

だからこそ,基礎的な概念の1つであると言える。

「基礎的である」ということは「幼稚である」とか「初歩的である」という概念とは根本的に矛盾するものだ。それゆえ,どんな職業のいかなるプロでも,常に「基礎」を理解し,体得するための鍛錬を欠かすことがない。逆に「基礎」の重要性を感じ取ることのできない者は,どのような分野においても必ず破綻する。

「信義則」は,英語の表現で「good faith」という法概念と同じまたは近いと理解されている。たぶんそうだろうと思う。

日本国において,明治維新の頃にそのような概念が輸入された際,日本国には武士道があった。だから,比較的容易に導入できたのではないかと思う。

そうではない文化をもつ領域では,そもそも全く理解されないかもしれない。

「風土」に関する和辻哲郎の見解は,細部の例証の部分はさておき,基本的には正しい。

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2019年1月10日 (木曜日)

訳語

かなりの苦労を重ね,多数回にわたる関係者との意見交換を踏まえつつ,EUの個人データ保護法令の参考訳の精度を高めてきた。

結果として,従来存在していた訳語(正確には,当該用語の理解)に多数の誤りがあることを自信をもって述べることができる段階に至ることができた。伝統的な「国際法」を基盤とするEU法研究は根本的に誤りであり,あくまでもEUの基本諸条約,EUの法令,構成国の国内法令及び欧州司法裁判所の判例法を基盤とする比較法研究としてのEU法研究でなければならない。

これまで重ねてきた研究成果は,紙媒体の「法と情報雑誌」のみで提供してきた。2018年12月で通巻30号となった。法と情報雑誌は,国立国会図書館に納本しているほか,残部がある限り,法と情報研究会の公開研究報告会の会場において,無償で配布している。

紙媒体の雑誌のみで配布しているのは,それに収録されている参考訳の中にまだ研究途中の中間報告的なものが含まれており,その段階でWeb公表すると,それが確定訳であるとの誤解を招き,未確定段階の状態のもののままで流通してしまう危険性があるからである。

その分野の専門研究者であれば,私の参考訳を読み,参考とした上で,自らの判断により,私の見解が誤りだと判断する部分については自己の見解に基づき適宜取捨選択した上で,更に研究を進めることができるであろう。しかし,専門研究者でない読者は,そうではないかもしれない。

しかし,法情報学を標榜する研究者として,それに適するまでに精錬度を高めたものについては,その研究成果をWeb上でも公表すべき時機が近づいてきていると判断した。

当面の予定としては,昨年採択された規則(EU) 2018/1725の参考訳を法と情報雑誌の4巻1号(通巻31号)に掲載して刊行した後,時機をみて,Web上でも公開することを考えている。

この規則(EU) 2018/1725の参考訳は,欧州委員会からの提案書と法案の翻訳及び関連するEDPSの意見書等の文書の翻訳から始め,関連するEUの多数の法令を翻訳し,関連する構成国の法令及び欧州司法裁判所の判例法も可能な限り調査し,各種資料を読んで考え,改正前の規則(EC) No 45/2001と関連する論文を書いて自分の理解を確認しながら研究を重ねてきた上での研究成果物である。

なお,紙媒体の「法と情報雑誌」は,今後も継続して刊行するが,その中からWeb公表しても良い段階まで精錬されたと判断したものについては,適宜,Web公開する方針に改めようと思う。

この段階に至るまでの間,私の研究を見守り,雑誌の印刷費を含め研究資金の確保のために御助力を賜った方々には心から御礼を申し上げる。

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2018年12月10日 (月曜日)

大学入試における男女差別問題

いろいろと報道されている。

いろんな意見がある。

しかし,「**女子医大」等の名称が名称それ自体として「差別的だ」という意見はないし,女性だけの学校等を「差別的だ」という意見を耳にする機会は滅多にない。

また,レストランには女性専用メニューがかなり多数存在するが,「差別的だ」という意見を耳にしたことがない。

非常に興味深い現象だと思っている。

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2018年11月26日 (月曜日)

法学部は滅びるか?

下記の記事を読んだ。

 法科大学院の興亡と大学法学部の盛衰
 社会科学者の随想:2015年01月20日
 http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/2015-01-20.html

私は,法学部全部が滅びることはないと予想する。

しかし,無為無策では必ず滅びる。

私としては,明治大学法学部及び大学院の中に情報と関連する法分野の専門家を育成するコースを構築すべきだと考え,諸々の制約の中で最善の努力を尽くしてきたつもりだ。

それらの制約の中で最も大きな制約は,教員の「定員」の問題だ。諸般の事情により増やすことが困難なので,少数精鋭で頑張っており,performanceとしては日本国内ではダントツであることは言うまでもなく,世界的にも稀な存在となることを達成している。最近,その手のグラフを見かけなくなったが,もし単純に業績数だけでグラフを作成するとすれば一目瞭然となるであろうし,内容を重視して比較検討しても同じ結果となる。

理想的には,教員の定員と科目数の増加を求めたいところだが,もしそれが実現すれば(総定員の純増は考えにくいので)他の科目の定員を圧迫することになることから,決して無理押しはしない。

上記の記事の最後のほうに某受験予備校の責任者の発言が引用されている。私もそうだと思う。「何を学ぶのか?」が明確ではないものでは勝負にならない。

私は,自分にやれることしかできないので,「情報社会の法」に関する専門的な素養をもつ若者の育成に集中し続けようと思う。

一般に,当該分野において真に実力があり,優れた論文を書き,勉学意欲のある若者に対して正しく充実した教育を提供でき,必要に応じて英語でも十分にやりとりできる教員は,現実にはかなり稀な存在だ。

しかし,幸いなことに,明治大学法学部の「法と情報コース」の担当教員は,それらの条件を全て満たしていると考えている。

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2018年8月 9日 (木曜日)

EU:会社法指令(EU) 2017/1132

以前,南保勝美先生から教えてもらいながら1か条も読んでいなかったのだが,私の専門分野と非常に大きな関係のある条項を含んでいることが判明したため,会社法指令(EU) 2017/1132(OJ L 169, 30.6.2017, p.46-127)の全体をざっと読んだ。

 Directive (EU) 2017/1132
 https://eur-lex.europa.eu/legal-content/en/TXT/?uri=CELEX:32017L1132

これは,全体として行政法の一種だと思う。

しかし,商法(会社法)ではないという意味ではない。

そもそも,商法は,公法の一部である行政法の一種として理解されるべきものだ。

その意味で,公法と私法の分別は,実は,あまり意味がない。

学術分野を細分化するようなコード化は,もっと意味がない。

学術分野を細分化しようとする試みは,日本国の法学だけではなく,日本国の経済活動全体に対して致命的な打撃を与える有害行為であると考える。

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2018年8月 8日 (水曜日)

EU:Digital Education Action Plan

下記のところで公表されている。

 Digital Education Action Plan - COM(2018) 22 final
 https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=COM%3A2018%3A22%3AFIN

しかし,既に手遅れではないかと考えられる。

EUだけではなく,世界中でそうだ。

これからの時代は,従来とは全く異なる精神構造(または,ニューロンの配置)をもった人々の割合が増えるという前提でものごとを考えなければならない。

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