2017年5月28日 (日曜日)

一般データ保護規則(GDPR)の完全遵守は無理?

下記の記事が出ている。

 Over 90 Percent of Organizations See Challenges in Complying with EU GDPR
 eSecurity Planet: May 26, 2017
 http://www.esecurityplanet.com/network-security/over-90-percent-of-organizations-see-challenges-in-complying-with-eu-gdpr.html

(余談)

もっともだと思う反面,妙な調査結果だと感ずる部分もある。

例えば,EUの構成国によって国内法の状況が同じではないということを一応念頭に置いた上で,国内法によって指令95/46/ECに基づき既に義務化されている事項について反対するような行為は,現行法をこれまでも遵守してこなかったし,これからも遵守しないと宣言しているようなものだ。例えば,バイデザイン・バイデフォルトの原則は,言葉こそ目新しいが,実質的内容はだいぶ以前から既に法的義務となっている。

また,忘れられる権利は,これまた言葉こそ目新しいが,要するに削除権なので,名誉毀損行為に該当するような重大な侵害行為について,各国の民法の条項及びその解釈によって既に認められている権利の一部となっている。

簡単に言えば,既に存在している法律上の義務を知らない,または,無視しているということになるのではないかと思う。

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2017年5月26日 (金曜日)

Agent-Based and Individual-Based Modeling: A Practical Introduction

下記の書籍がある。

 Steven F. Railsback & Volker Grimm
 Agent-Based and Individual-Based Modeling: A Practical Introduction
 Princeton University Press (2011)
 ISBN-13: 978-0691136745

情報科学をやっている研究者にとっては当たり前過ぎることなので特に紹介する意味もないと思うが,情報法の分野を含め,法学の研究者の中ではそもそも概念を全く理解していない人が決して珍しくないので,この書籍及び類書を一応読んでおく意味があるのではないかと思う。

特に,EUのロボット法の動向を理解する上では重要ではないかと思う。

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2017年5月23日 (火曜日)

Yahoobleed

下記の記事が出ている。

 “Yahoobleed” flaw leaked private e-mail attachments and credentials
 ars technica: May 23, 2017
 https://arstechnica.com/security/2017/05/yahoobleed-flaw-that-festered-for-years-leaked-private-yahoo-mail-data/

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2017年5月19日 (金曜日)

Twitterが,利用者の意向を全く無視して,行動追跡を敢行することを言明?

下記の記事が出ている。

 Twitter abandons 'Do Not Track' privacy protection
 ZDNet: May 18, 2017
 http://www.zdnet.com/article/twitter-abandons-do-not-track-privacy-protection/

Facebookに続き,TwitterもEUから罰を受けることになるのではないかと想像する。

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EU:Facebookに対し,厳しい姿勢

下記の記事が出ている。

 In Europe political attitudes are changing to Facebook
 Guardian: 18 May, 2017
 https://www.theguardian.com/technology/2017/may/18/in-europe-political-attitudes-are-changing-to-facebook

 E.U. Fines Facebook $122 Million Over Disclosures in WhatsApp Deal
 New York Times: May 18, 2017
 https://www.nytimes.com/2017/05/18/technology/facebook-european-union-fine-whatsapp.html

来年5月に適用(施行)予定のGDPRでは,企業の違反行為に対し,前年度の世界中での売上総額の4パーセントの額を上限とする罰を加えるという条項を設けている。日本国の企業がEUに製品やサービスを輸出する場合,それと関連する個人データの取扱いに違法があると判定されれば,かなり巨額の罰を加えられる可能性があることを理解しなければならないのだが,今回のFacebookの件は,そのような罰が現実に実行される可能性が高いということを示している。

EUでは,罰だけではなく,様々な金銭負担を課すような法制の変動が多数起きている。その中には(EUに輸出する外国企業を含め)製造業者や販売業者から事前に強制損害保険の保険料を徴収するというスキームも含まれる。関連法令や法案等の公式文書の一部については,その翻訳を法と情報雑誌上で公表してきた。極めてつたない翻訳だが,速報性の要請は満たしていると考える。

法と情報雑誌は,紙媒体だけで提供しているので(←KDDI総研との契約に基づくGDPR前文のネット公開等は例外),著作権法に定める場合を除き,事案により,法と情報雑誌をデジタル媒体でもっているというだけで著作権法違反の罪となり,服役することになる可能性がある。国会図書館には法と情報雑誌を納本しているので,情報を収集する必要がある場合には,法律上の特別の定めがある場合等を除き,国会図書館において所定の手数料を支払い,適法に紙のコピーを入手すべきである。

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2017年5月17日 (水曜日)

カナダ:Bell Canadaがハックされたらしい

下記の記事が出ている。

 Bell Canada says it’s been hacked, apologizes to customers
 IT World Canada: May 15, 2017
 http://www.itworldcanada.com/article/bulletin-bell-says-its-been-hacked/393185

 Bell Canada hacked: 2m account details swiped by mystery miscreants
 Register: 16 May, 2017
 https://www.theregister.co.uk/2017/05/16/bell_canada_quieting_fears_post_data_heist/

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英国:Royal FreeがGoogleの関連会社である人工知能研究企業であるDeepMindに対して患者のデータを売却?

下記の記事が出ている。

 Google DeepMind 1.6m patient record deal 'inappropriate'
 Guardian: 16 May, 2017
 https://www.theguardian.com/technology/2017/may/16/google-deepmind-16m-patient-record-deal-inappropriate-data-guardian-royal-free

日本を含め,どの国でもちゃんと理解している者が乏しいのでロボットまたは人工知能に関して歪んだ意見が圧倒的に多い。しかし,機械装置と人工生命体との間に人工知能としての相違は全くなく,その混合体であるサイボーグ等でも同じだ。

「何が人工知能であるのか?」について,チューリングテストまたはその応用を用いることは禁止としたほうが良い。思考と発想が歪んでしまい,正しい論理構造を見出せないような低劣な脳になってしまう。判定基準はそんなところにはない。ナメクジやゴキブリ程度の知能であっても,それが人工的に構築されたものであれば,立派に人工知能であり,その定義は,自律的にフィードバックの機能を遂行することができるか否かのみにかかっている。つまり,サイバネティクスという観点からものごとを考える以外にない。

このような理解を前提とすれば,適法か違法かは別として,Googleの関連会社が病院の患者データを欲しがるのは当然のなりゆきだろうと思う。

同様の問題は,病院に限らず,日本を含め,世界中で既に多数発生していると推定される。

なお,匿名化または仮名化してあるから大丈夫という反論があるかもしれない。しかし,高度に発達したビッグデータ+人工知能環境では,匿名化も仮名化も無意味になものとなり得るということは,この分野についてちゃんと研究している者であれば誰でも承認することだろうと思う。そのように理解できない者は,現在既に達成されている技術の凄さを理解する能力が全くないのだと明確に自己評価することができる。

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2017年5月16日 (火曜日)

EUの一般データ保護規則(GDPR)への対応

下記の記事が出ている。

 European Union: Data Protection Overhaul - Are You Ready?
 Mondaq: 11 May 2017
 http://www.mondaq.com/x/593344/data+protection/Data+Protection
+Overhaul+Are+You+Ready

 Google Reiterates Commitment to EU's General Data Protection Regulation
 eWeek: May 3, 2017
 http://www.eweek.com/cloud/google-reiterates-commitment-to-eu-s-general-data-protection-regulation

 GDPR: how charities should prepare for data protection changes
 Guardian: 5 May, 2017
 https://www.theguardian.com/voluntary-sector-network/2017/may/05/gdpr-charities-prepare-eu-data-protection-changes-consent-fundraising

[追記:2017年5月18日]

関連記事を追加する。

 Missing protection: Corporate B2B privacy policies
 CIO: May 16, 2017
 http://www.cio.com/article/3196976/privacy/missing-protection-corporate-b2b-privacy-policies.html

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2017年5月10日 (水曜日)

GDPR前文参考訳の改訂版

EUの一般データ保護規則(GDPR)の前文の参考訳をKDDI総研のサイトで公開しているのだが,その改訂作業を終え,無事にKDDI総研のサイト上で公開されている。

 EUデータ保護一般規則前文私訳の公開
 https://rp.kddi-research.jp/article/GN2016001

前文と条文を合わせた全文の改訂版は,法と情報雑誌の2巻5号に掲載して公開する予定だ。

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2017年5月 8日 (月曜日)

EU: European Civil Law Rules in Robotics

下記の報告書が公開されている。

 European Civil Law Rules in Robotics
 Policy Department C: Citizens’ Rights and Constitutional Affairs, European Parliament (2016)
 http://www.europarl.europa.eu/RegData/etudes/STUD/2016/571379/IPOL_STU(2016)571379_EN.pdf

ロボットの法律問題について研究する者にとっては必読の文献だと考える。

ドイツ及びフランスにおけるロボット法の中心的テーマは,この報告書にまとめられているあたりを中心とするものとなっているように思う。

ただし,Nomosから刊行されているドイツ語のRobotikのシリーズでは,刑事法の分野に関しても非常に参考になるものが多く,勉強になる。

昨年10月に「アシモフの原則の終焉-ロボット法の可能性-」の原則を執筆した際には,この報告書を参照できなかったのが残念。

(余談)

EUの姿勢は,「行政権による開発者の管理」ということに尽きるのだと思う。この点で,米国流のやり方とはかなり異なる。

ただし,EUが経済発展を無視しているということは意味しない。人間に害を与えるような技術の応用には厳しい監視の目を光らせるということなのだと理解している。それゆえ,一定の安全性確保措置が確保されている場合には支障のない流通が保証される。個人データの保護と同じ制度的な仕組みがそこにある。

仮にEU流を導入しようとした場合,現在の理系の大学教育では,無教養学生を増産しかねない問題のある学部が存在するので,倫理も何も期待できないという前提を肯定せざるを得ず,そのような者に対しても「倫理」を強要するためには,徹底した超厳罰主義以外の手法が考えられない。比喩的に言えば,中国の古代における意味での「法家」を復活するしかないのではないかと考えられる。

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