2019年7月15日 (月曜日)

蔵置

「蔵置」とは,墳墓の中に遺体を埋納することを意味する。

漢籍には存在せす,明治時代に墳墓発掘罪の構成要件を定める際につくられた人工的な造語であると考えられる。それゆえ,この語は,基本的に,墳墓発掘の文脈においてのみ使用されるのが正しい。

この語を用いるときは,(権威迎合的であるか否かの)姿勢と知能・知識・教養の有無が問われる。

公用文では,無自覚に慣例として用いられることがあるが,どの国の行政機関でもそうなので,公用文ではやむを得ないことがあり得る。

しかし,独立の精神を要求される「真の学者」であるか否かを問われるときは,全く別だと考えるべきである。

この語を安易に用いる者は,真の学者ではないし,日本語を正しく真摯に探究する者でもない。

 

[追記:2019年7月16日]

一般に,動詞の「store」の訳語として「蔵置」が用いられることがある。

そのような訳に反対であることは上記のとおりだが,学問の自由があるので,各人の判断で使用すれば良い。

ただし,一貫性を確保することは必須である。

例えば,動詞の「store」を「蔵置」と訳す場合,名詞の「storage」は,「骨蔵器」または「蔵器」でなければならない。「骨蔵器(蔵器)」とは,「骨壺」のことを意味する。

 

 

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2019年7月14日 (日曜日)

「船舶」や「舶来」の「舶」とは,大きな船のことを意味するとされている。

『日本書紀』の中にも「舶」があり,「ツム」と読ませる。大量の人間や荷物を積むことができる大型船であることを示す読みかもしれない。

ところが,中国語としての「舶」の語源は,必ずしも明確ではない。

北魏の『水經注』の中には「昔孫權裝大船 名之曰長安 亦曰大舶」とある。

宋代の『集韻』の中には「蛮夷泛海舟曰舶」とある。

日本で用いられる漢語の中には三国時代~南北朝時代の語の影響を受けているものが多いように思われる。

***

東京国立博物館では,特別展「三国志」が開催されている。

そこでは,呉の船の土製品が展示されている。

この船が「舶」なのだろうか?

もしそうであるとすれば,『日本書紀』の「舶」もまた,大型の構造船であった可能性があると言える。

また,このような土製品をつくる人々が渡来して埴輪をつくるようになったのだろうか?

それとも,その逆だろうか?

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2019年7月11日 (木曜日)

「迹迹日百襲姫命」と「筒木樺井月神」

「迹迹日」と「筒木」,「百襲」と「樺井」,「姫命」と「月神」は,本来は,それぞれ同じ読みとするのが正しいかもしれない。

たぶん,「つつき」「はし」「ひめ」と読む。

[追記:2019年7月13日]

「百」は,「白」または「泊」と同じで,「ハ」または「ハッ」と読むのが正しいと思われる。

「襲」は,「瀬」と同じで,「セ」または「シ」と読むのが正しいと思われる。

「樺」は,華音に近い読みをすべきものであり,「ハ」または「ハッ」と読むのが正しいと思われる。

「井」は,華音に近い読みをすべきものであり,「セィ」または「シ」と読むのが正しいと思われる。

 「迹迹日」と「筒木」は,「ツヅキ」とも読み得る。

 

 

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2019年6月30日 (日曜日)

規則(EU) 2018/1805の参考訳をWeb公開

EUの構成国間における凍結命令及び没収命令の相互承認に関する規則(EU) 2018/1805の参考訳を作成し,2019年6月に法と情報雑誌4巻6号に掲載して公表した。

なにぶんにも全部私1人だけでやっていることなので,誤訳,誤記,訳漏れ等が残存している可能性はあるが,Web公開の必要があると判断したので,現時点で気づいた誤記等を修正した上でWeb公開することにした。

 規則(EU) 2018/1805
 http://cyberlaw.la.coocan.jp/Documents/EU%20Regulation%202018%201805%20Translation%20ver%201.pdf

ただし,この参考訳の冒頭部分に明記してあるとおり,翻訳の大前提となる法解釈等は現時点におけるものであり,今後の研究の進展に伴い,将来,何らかの改訂が加えられる可能性がある。後に誤記や誤訳等が発見された場合も同様である。それゆえ,この参考訳を利用する場合には,各自の責任において行い,かつ,必ず原文にあたって検討することを要する。無思慮にコピーして利用した場合の責任は,全てその利用者自身にある。

また,このファイルの内容を引用する場合には,「Web公開版」の参考訳である旨を明記する必要がある。

この参考訳は,以上のような意味での制約のある専門家向けの参考資料の一種であり,確定訳でも公式訳でもない。

法律上の制限に関しては,著作権法及び関連法令が定めるところに従うものとする。

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2019年6月12日 (水曜日)

環境刑法に関する指令2008/99/ECの参考訳をWeb公開

環境刑法に関する指令2008/99/ECの参考訳を作成し,2019年5月に法と情報雑誌4巻5号に掲載して公表した。

なにぶんにも全部私1人だけでやっていることなので,誤訳,誤記,訳漏れ等が残存している可能性はあるが,Web公開の必要があると判断したので,Web公開することにした。

 指令2008/99/EC
 http://cyberlaw.la.coocan.jp/Documents/EU%20Directive%202008%2099%20EC%20Translation%20ver%201.pdf

ただし,この参考訳の冒頭部分に明記してあるとおり,翻訳の大前提となる法解釈等は現時点におけるものであり,今後の研究の進展に伴い,将来,何らかの改訂が加えられる可能性がある。後に誤記や誤訳等が発見された場合も同様である。それゆえ,この参考訳を利用する場合には,各自の責任において行い,かつ,必ず原文にあたって検討することを要する。無思慮にコピーして利用した場合の責任は,全てその利用者自身にある。

また,このファイルの内容を引用する場合には,「Web公開版」の参考訳である旨を明記する必要がある。

この参考訳は,以上のような意味での制約のある専門家向けの参考資料の一種であり,確定訳でも公式訳でもない。

法律上の制限に関しては,著作権法及び関連法令が定めるところに従うものとする。

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2019年6月11日 (火曜日)

「方舟」とは何か?

対応する日本語は,「箱舟」となる。言うまでもなく,旧約聖書の箱舟のことを意味する。

キリスト教の教派によって位置づけが異なるが,一般的に言えば,米国の新教徒の多くは,旧約聖書のことを「ユダヤ教の経典」と呼び,新約聖書だけをキリスト教の経典であると認識している。それは,各教派の信条の問題であり,その理論研究は,ほとんど無意味である。

それはさておき,「方舟」という名を選択することによる政治力学的意味は大きい。

そのようなことを直ちに直観できるか否かは,要するに,教養の程度による。

 

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2019年6月10日 (月曜日)

シンポジウム「AI・ロボットをとりまく法的環境の変化」

下記のシンポジウムが開催される。

 「AI・ロボットをとりまく法的環境の変化」(The Paradigm-Shift in the Legal Environment in relation to AI and Robots)
 日時:2019年7月6日(土) 10:00-17:00
 会場:一橋大学一橋講堂(東京都千代田区一ツ橋2丁目1の2 学術総合センター2F)
 https://www.jst.go.jp/ristex/hite/topics/412.html

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ジオブロッキング規則(EU) 2018/302の参考訳をWeb公開

ジオブロッキング規則(EU) 2018/302の参考訳を作成し,2019年5月に法と情報雑誌4巻5号に掲載して公表した。

なにぶんにも全部私1人だけでやっていることなので,誤訳,誤記,訳漏れ等が残存している可能性はあるが,Web公開の必要があると判断したので,Web公開することにした。

 ジオブロッキング規則(EU) 2018/302
 http://cyberlaw.la.coocan.jp/Documents/EU%20Regulation%202018%20302%20Translation%20ver%201.pdf

ただし,この参考訳の冒頭部分に明記してあるとおり,翻訳の大前提となる法解釈等は現時点におけるものであり,今後の研究の進展に伴い,将来,何らかの改訂が加えられる可能性がある。後に誤記や誤訳等が発見された場合も同様である。それゆえ,この参考訳を利用する場合には,各自の責任において行い,かつ,必ず原文にあたって検討することを要する。無思慮にコピーして利用した場合の責任は,全てその利用者自身にある。

また,このファイルの内容を引用する場合には,「Web公開版」の参考訳である旨を明記する必要がある。

この参考訳は,以上のような意味での制約のある専門家向けの参考資料の一種であり,確定訳でも公式訳でもない。

法律上の制限に関しては,著作権法及び関連法令が定めるところに従うものとする。

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2019年6月 8日 (土曜日)

大島眞一編『司法試験トップ合格者らが伝えておきたい勉強法と体験記』

出版社から下記の書籍の寄贈を受けたので,早速読んでみた。

  大島眞一編
  司法試験トップ合格者らが伝えておきたい勉強法と体験記
  新日本法規出版 (2018/7/12)
  ISBN-13: 978-4788284463

複数の執筆者による書籍であり,各人各様の体験談と所感が述べられている。

無論,賛成できる部分と賛成できない部分とがある。しかし,このような書籍は,必要な書籍だと思う。

一般論としては,法律家の仕事は,理論法律家であれ,実務法曹であれ,非常に個性的な仕事だと思う。

裁判官にあっては,どんなことがあっても屈しない独立性を維持するための精神的な頑健性と頭脳の柔軟性の両方が求められるので,自動的に個性的になる。

弁護士にあっては,類型を同じくする事件であっても当事者と事案によって実質的な内容が千差万別であることが多いので,ステレオタイプのような弁護士では仕事にならない。

検察官にあっては,事案に即して公訴事実を構成し,適切に証拠を取捨選択する能力が求められるだけではなく,刑事訴訟以外の多種多様な法務に従事することもしばしばあるので,かなり柔軟な思考能力と知識の吸収能力が求めらる。

法学者にあっては,「従来の通説を全て粉砕して過去のものとしてしまう!」くらいの強靭な意気込みがなければ,まともな論文など書けるはずがない。

そして,それぞれの法律家には各人各様の世界観というものがある。

それゆえ,まともな法律家である限り,最初から最後まで個性的であることが求められるし,意識しなくても自然とそのようになる。

その結果,この分野に関する限り,画一的な教育は,常に成立しない。

私の場合,学生の意欲,資質,能力,志望等の要素を丁寧に観察した上で,それぞれの学生の個性に即した法学教育をめざしており,画一的な授業をやってみてもほぼ無意味だと理解している。

特に,各人の勉強方法は,各人が自身で身につけるべきものであり,教育によって最適解のようなものを教えることができない。仮に最適解もどきのようなものを暗記または訓練により習得させてみたところで,同じ教育を受けた者は,(少なくとも外形上では)全員同じことができるようになるかもしれず,それでは同業他者との差別化などできるはずがないので,人生において必敗の方法論を学んでいるのと同じことになる。

世界観や倫理観等に関しては,そもそもそれが固定的なものではなく,時代や環境の変化や相違によって顕著に異なるものであるし,日本国憲法によって保障された各人の思想信条の自由に属するものであるので,強制することが許されない。知識や技能を習得するための訓練と倫理観または思想の強制とは全く別のものである。

そのような観点から,本書の感想に戻ると,執筆者各位が比較的正直に意見を述べているように思われ,しかも,「自分自身の方法論をつかむ」ことを重視していることには心強いことだと思った。

私自身は,既に引退同様になっていることはさておくとしても,自分自身の気持ちの問題としては,どこかの誰かのように権力や名誉や地位を求めるようなタイプの老醜を晒そうとは思わない。

若い世代に大いに期待したいと思う。

 

 

 

 

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Eurojust規則(EU) 2018/1727の参考訳をWeb公開

Eurojust規則(EU) 2018/1727の参考訳を作成し,2019年5月に法と情報雑誌4巻5号に掲載して公表した。

なにぶんにも全部私1人だけでやっていることなので,誤訳,誤記,訳漏れ等が残存している可能性はあるが,Web公開の必要があると判断したので,Web公開することにした。

 Eurojust規則(EU) 2018/1727
 http://cyberlaw.la.coocan.jp/Documents/EU%20Regulation%202018%201727%20Translation%20ver%201.pdf

ただし,この参考訳の冒頭部分に明記してあるとおり,翻訳の大前提となる法解釈等は現時点におけるものであり,今後の研究の進展に伴い,将来,何らかの改訂が加えられる可能性がある。後に誤記や誤訳等が発見された場合も同様である。それゆえ,この参考訳を利用する場合には,各自の責任において行い,かつ,必ず原文にあたって検討することを要する。無思慮にコピーして利用した場合の責任は,全てその利用者自身にある。

また,このファイルの内容を引用する場合には,「Web公開版」の参考訳である旨を明記する必要がある。

この参考訳は,以上のような意味での制約のある専門家向けの参考資料の一種であり,確定訳でも公式訳でもない。

法律上の制限に関しては,著作権法及び関連法令が定めるところに従うものとする。

 

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