2026年1月21日 (水曜日)

AIによるステルスマーケティングや架空取引など

あくまでも理屈の問題としては,(AIエージェントを含め)AIシステムでは,ステルスマーケティングや架空取引などの違法な行為に相当する電子的な処理が自動的な処理として実行され得る。

想定可能な被害者は,個々の消費者やNISAなどを利用している小口の投資家だけではなく,大規模な投資家や大企業,そして,各国の中央銀行や財務当局等も含まれ得る。

現実に既に存在するのかどうか,存在するとしてその規模や影響はどうなのかについては,知らない。

各国の関係当局は,調査するだけの価値のある問題ではないかと思われる。

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2026年1月15日 (木曜日)

人間型ロボティクスの大量輸出

ある国が人間型ロボティクスを大量に生産して輸出していると仮定する。

それらのロボティクスの輸入国では,人間の若者の就業先が減少し,社会不安が増大して,内乱になるかもしれない。

それは,輸出国の思うつぼであり,侵略しやすくなる・・・という仮説は一応成立可能ではないかと思われる。

なお,当該輸出国の中でも人間型ロボティクスが大量に普及すると,同様に社会不安が増大し,内乱が発生して支配体制が破壊され,支配層のほぼ全員が惨殺されるようになるということはあり得ることなので,自国の政策としては大量普及を抑制するという選択肢が優先されることになるだろう・・・という仮説も一応成立可能ではないかと思われる。

特に,ロボティクスの普及は軍において急速に進んでいる。その結果として,戦車や戦闘機や戦闘艦が人間によってではなくAIによって運用されるようになると,これまでは就職先のない若者を大量に吸収して雇用安定に寄与していた軍が人間の若者を雇用しなくなる。すると,社会不安は一気に高まると予測される。
軍による大量雇用によって社会の安定を図っている軍事国家全てについて同様のことが言える。

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2026年1月14日 (水曜日)

法と情報雑誌72号

法と情報雑誌72号を作成し,Web上で公表した。

 法と情報雑誌72号
 http://cyberlaw.la.coocan.jp/Documents/LawandInformationMag_No72.pdf

この号には規則(EU) 2025/38(サイバー結束法) [参考訳] が含まれている。

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2026年1月10日 (土曜日)

全ての人々が働かない未来は決して来ない

それは,極めて簡単な理屈による。

もし物的な充足が幸福だとすれば,物的な充足を満たすたけの十分な資源が地球上には存在しないことが明らかなので,働かなくても公平に分配される社会は決して到来しない。

もし精神的な欲望の充足が幸福だとすれば,例えば,「世界で一番」という自負心の充足は世界中でたった1人の者にしか認められず,残りの人類全部は敗北者となることが明らかなので,この意味においても,働かなくても公平に精神的な欲望の充足が実現される社会は決して到来しない。

そのような未来を到来させるためにAIを開発しているのだと主張している彼らは,本音では,自分達と自分達の子孫だけが幸福になる未来を夢想している。
投資家や銀行家や政治家を含め,彼らの子孫ではない者には幸福になる資格がない。そのことが知られると,今後AI開発ができなくなるというだけはなく,暴動やテロによって彼らが生存できなくなってしまう危険性が高いため,AIによって世界中の政府と人々を支配し,神として君臨できる日が来るまでの間のものとして,ごまかしているのに過ぎない。
AIによる支配が確立されれば,リモートで電子化された兵器や武器を支配し,政治家や軍人や警察官を皆殺しにして,物理的にも支配してしまうことが可能となる・・・と考えているのに違いない。

もっとも,昨今の状況をみていると,こんな簡単なごかましや嘘に騙されてしまうくらい人類全体が白痴化していると言わざるを得ないので,素晴らしい未来が到来せず,絶望と荒廃しか待ち構えていなかったとしても,それは,そのような白痴化した人類の自業自得なのかもしれない。

そんな地獄よりも悲惨な未来よりも,労働し,苦労して小さな幸福を味わうことのできる現在の社会のほうがずっとまともなのだと思う。

「自分だけは例外」という根拠のない自信は捨てなければならない。

 

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特定の家族だけが生き残り,残りの人間は全て死滅し,不足する労働力をAIとロボティクスが補完するという未来を想定した場合であっても,(生態学の一般的な理論を正しく習得できていれば即座に理解できるように)ごく少数のグループだけで特定の生物種の自然界における生存を確保することは不可能なことだ。特に,人類は,野生動物として必須の能力をはるかに超える能力を保持できていないと,人類種としては生存できない。

それら全てをAIが補完したとしても,必要な物資の供給全部をAIやロボティクスで代替することは不可能なことだし,全員を満足させることのできる計画経済などというものは成立不可能なので,現在のような物流と消費を前提とする市場は消滅する。市場が消滅すれば,交換価値も消滅するので,(暗号資産や債券等だけではなく,物質である資産であっても)ほぼ全ての資産の交換価値がゼロになり,世界中の資産家も自動的に消滅する。
非常に多数の労働者が世界中に存在し,正常に生活しているからこそごく少数の資産家という社会的立場にある者も成立可能だというあまりにも当然のことを理解できないとすれば,それは,全世界規模で全人類に関して進行中の白痴化の顕著な症状の一つであると言える。

そのようになる結果,現在の富裕層の子孫であるのかそうでないかの区別なく,生き残った人々を待ち構えている未来は,一律に,チャールトン・ヘストン等出演の映画『ソイレントグリーン』(1973年)の中で描かれているような未来であるのに違いない。

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AIとロボティクスによって必要な物質やサービスの全てが提供されるようになるという未来を仮定する立場にたったとして,大概の人間がやるべきこととして残されていることはほとんどない。

性行為,麻薬,賭博,殺人・・・それらもすぐに飽きてしまうことになるだろう。

最終的には,生きることにも飽きることになる。

何しろ,そのような未来における人類は,AIとロボティクスの支配者なのではなく,AIとロボティクスによって自動制御されている巨大な檻の中で飼育されている原始的な野生動物の一種として扱われることになるからだ。

 

 

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2025年12月26日 (金曜日)

人間の知能は言語能力だけか?

下記の記事が出ている。

 昨今のAIブームは「言語能力こそが知能である」という誤解に基づいているという主張
 GIGAZINE: 2025年11月28日
 https://gigazine.net/news/20251128-ai-bubble-llm-fundamental-mistake/

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この記事でいうところの言語能力とは,要するに,符号処理能力のことを指すと考えられる。

しかし,(ダーウィンの進化論否定主義の者は何万人も存在するけれども全て無視した上で,類人猿の段階を含め)文字を知る以前の段階の人類の祖先は,符号なしで外界を認識・理解していた。

現在の猿の仲間も同じく,符号なしで外界を理解し,高度な思考を行っている。

要するに,もともと,知能の本質は,符号処理ではない可能性がある。

他方において,現在の人類の中で天才またはそれに近い人々が符号によって思考しているかどうかは分からない。

例えば,画像として把握し,「一瞬にして全てを理解する」というようなことがあり得る。その場合,符号処理は1ビットも行われていない。

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以上のことは,象形文字の一種である漢字(繁体字)の文化圏に含まれている国々の人々にとっては容易に理解され得ることかもしれない。

逆に,アルファベットのような記号しか存在しない国々の人々にとっては難しいことかもしれない。

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以上のような立論が正しいとした場合,現在の(符号処理なしでは成立しない)LLMの本質に関し,再考すべき段階に至っていると考えられる。

何にしろ,真の天才は,学習なしに,一瞬にして真理を把握してしまうのかもしれないのだ。

より正確に言えば,ステレオタイプに過ぎない過去の符号をどれだけ学習してもその応用(=実質的には既存のステレオタイプの一種)しか得られないのに,真の天才は,全く異なるものを生み出すので,そもそも学習が無意味なのかもしれない。

更に正確に言えば,真の天才は,単なる秀才の一員に過ぎない者のステレオタイプである表現物集合を全部葬るという目的のためにのみ,そのための手段として,既存のものを学ぶのかもしれない。

・・・と考えると,なかなか難しい。

 

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2025年12月25日 (木曜日)

生成AIに頼ると思考における多様性が衰退する?

下記の記事が出ている。

 画像生成AIと画像認識AIの生成ループを実行すると最終的にどんな指示でも「12種類のスタイル」に収束してしまうことが判明
 GIGAZINE: 2025年12月25日
 https://gigazine.net/news/20251225-ai-image-generators/

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当然のことが述べられていると考える。しかも,美術の分野に限らず,経営判断のような場面でも同じことが起きる。

LLMは,要するに巨大な海賊船のようなものであり,他人がつくった産物を奪い,違法に模倣するということを繰り返すことによって成立している本質的に違法な存在なのだが,そもそも,世間に存在している表現物等の多様性には限界がある。それは,人間の表現において,既に模倣が繰り返されていることによる。

簡単に言えば,学習対象となる情報の段階で既に陳腐でステレオタイプ的なものしか存在しないので,そのようなものをどれだけ多数学習しても多様性や独創性が生ずることはない。

生成AIとは,そのようなつまらない玩具に過ぎない。独創性など全くない。

それゆえ,経営判断の分野で生成AIを使用しても,利用者である企業が他の企業に対して優位を得るということが決してあり得ないことが最初から予定されている。

例外として非常に優れた美術作品等は著作権によって守られているので,それを学習した結果を許諾なく模倣すれば違法な二次利用になる。

経営判断の場合も同じであり,他には知られておらず,優位性をもたらし得る企業経営上のノウハウ等は営業秘密として保護されている。そのようなノウハウ等を許諾なしに学習することは,単なるスパイ行為に過ぎず,違法行為となる。

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これまで何度も述べたことではあるが,軍事用の機械制御目的のAI開発等の例外を除き,生成AIまたはLLM開発に投資しても財産を失うだけとなることだろう。

 

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2025年12月22日 (月曜日)

法と情報雑誌71号

法と情報雑誌71号を作成し,Web上で公表した。

 法と情報雑誌71号
 http://cyberlaw.la.coocan.jp/Documents/LawandInformationMag_No71.pdf

この号には規則(EU)2019/1150[参考訳]が含まれている。

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2025年12月19日 (金曜日)

生成AIを使用する従業員は職業上のスキルが劣化する?

下記の記事が出ている。

 AIは使い方によっては労働者のスキルを低下させる…「人間の思考プロセスは非効率だが、非常に健全」
 Buassiness Insider: Dec 19, 2025
 https://www.businessinsider.jp/article/2512-ai-making-workers-feel-smarter-but-worse-at-their-jobs/

当たり前のことだ。論証を要しない自明のことに属する。

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一般に,人間の受精卵は,遺伝子の命令に従い,何億年にもわたる生命の進化を子宮内で再現しつつ人間の形をした胎児の状態になるまで成長する。そのような遺伝子の命令に従った地球上の生命の歴史の再現なしには人間の胎児の段階まで到達できない。

出産により母体から出た新生児は,まだ人間ではない。それは,人間の萌芽に過ぎない。新生児は,身体の様々な動作や活動を通じてやっと人類のレベルまで成長する。この段階では,例えば,四つ足動物のような「はいはい」の動作を十分に繰り返すことが次の段階の身体的成長及び知能の活性化のために大きな役割を果たしていると考えられる。そして,そのような準備段階において何か問題が生じた場合,後発的に学習できる要素とそうではない要素とがある。

より大きく成長しても,基礎的なことが身についていないと専門的な知識や技能を習得したり使ったりすることができない。

それゆえ,私は,大学の講義の中で,基礎的な力の構築を持続することの重要性を力説してきた。

そのような基礎的な力を得るためは,可能な限り豊かな一般教養の蓄積を必要とするが,これは,符号としての情報の暗記(=単なる記録)とは全く異なるもので,要するに,一般教養の蓄積とは,「世界の理解」そのものであるとも言える。

生成AIを使用していなくても,丸暗記を基本とする受験勉強しかしていない者は,やはり,一般教養がないし,考える能力もない。

そのような者は,一時的な符合の記憶のためだけに大事な知能のリソースを浪費し続けているのだと言える。

過去において,非常に有能な学者や優れた芸術家等は,世間からみれは「変人」,「世捨て人」または「単なる遊び人」にしか見えないことがしばしばあるが,それは,そのこと(=習得時間の最適化または短縮のためにではなく,十分に知的影響を吸収するための彷徨の時期を経過すべき必要性)による。

最適化のみを基礎とするタイプの「単なる秀才」は,有能な学者にも優れた芸術家にもなれない。

 

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2025年12月11日 (木曜日)

データを利用する能力

AIが主流になっても,データを利用する主体は人間である。

その人間の利用能力が欠けている場合または十分ではない場合,奴隷となる。
そのような奴隷であるかどうかは,貧富の差とは関係がない。知力・知識・経験が十分ではない場合,AI開発に投資して金儲けをもくろんでいる億万長者層も含まれる。
学歴や職歴のような空虚な虚飾のための道具に過ぎない単なる「符号」を買うことによってみせかけの栄華を誇る者が多数存在するけれども,そのような者は,既に奴隷である。

データを利用する能力は,当該データの処理系の外にある要素を多分に含んでいるかどうかによって,当該処理系に対する優位度が異なる。

当該処理系の内部にあるデータの形式的意味しか理解できない人間は,その処理系よりもずっと劣った知力しかもたない。

私は,若い人々がそのような悲惨な状況に陥らないようにするため,常に,「一冊でも多くの古典を読み,考え,理解するということを繰り返し,蓄積することによって基礎的な教養を高めること」を推奨している。

しかし,一般的には,(ずるいことであっても違法なことであっても)可能な限り少ない努力で可能な限り最大の結果を得るという悪しき意味での最適化の考え方に洗脳されている者が多すぎて,どうにもならない。高度に最適化された大学受験指導のための方法論やツールは,その権化のようなものだと思っている。
このことは,AIの応用によって更に促進されることになるだろう。要するに,手の施しようがないレベルまで人格崩壊したゾンビのような若者が更に多数増産されるようになる。
私は,そのような者に関しては,「勝手に滅びろ」と心の中で呟くのみ。

とはいえ,例外的に,私が黙っていてもどんどん勉強して独自の領域を開拓し続ける若手の研究者は(少数ではあっても)存在する。

そのような人材は,独自の境地を開拓し続けている。
それゆえ,既に陳腐化して腐敗し始めているレガシーな学説や取扱いしかできないゾンビのような存在でありながら自己認識としては「主流である」と信じてその虚妄の世界から抜け出ることなく,無論,現実を直視することもない人々や,某国の手先となって日本国の発展を阻止しようと日々妨害活動に従事している人々からは,憎むべき存在であり得るかもしれない。

しかし,そうであるがゆえに,私自身の見解と一致していなくても,あるいは,一致していないからこそ,私は,そのような独自の境地を開拓し続けている優れた人材を直接または間接に支援してきたし,これからもそうする。

以上に述べたことは,非常に優れたトップクラスの企業では既に常識に属することとなっている。そうでなければ生き残れないからだ。
ただし,企業秘密に属する要素を含むことがあり得るので,その詳細が広く知られることはない。

 

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2025年11月30日 (日曜日)

法とコンピュータ学会第50回記念大会

昨日(2025年11月19日),早稲田大学小野記念講堂において,「法とコンピュータ研究 半世紀の歩み」と題する記念大会が開催された。

私自身は,ビル・ゲイツとほぼ同年齢であり,30歳の頃からコンピュータによるデータ処理という法的課題と取組み,裁判官在任中から多数の論文を書き,主として判例タイムズ誌上において公表した。そのことに関しては,故倉田卓次氏に大きな恩がある。そして,1993年にそれらの論文をまとめた『裁判実務とコンピュータ』を刊行した。
約40年間,このような法的課題と付き合ってきたと言える。

法とコンピュータ学会は,既に退会している。その原因は,非常に親しいごく数名の方しか知らない。
当時理事長だった野村豊弘先生からは随分と慰留されたが翻意しなかった。
野村豊弘先生には大変お世話になっており,特に,フランスにおける伝統的な民法教育がどういうものであったかということ,そして,動植物における系統分類学の基本に精通することが法学研究の基礎であるということを教えていただいたという学恩がありながら,誠に申し訳ないことしたと思っている。

さて,今回の研究大会では,法とコンピュータ学会の会員ではないけれども元理事も担当した研究者として招待講演という位置づけにより,丸橋透教授との対談形式により講演を行った。

与えられたテーマは,「プラットフォームと法-誰のための?」。

丸橋透先生から依頼を受け,もし断ったらどういうことになるかという説明を聞いた上で,受諾することにした。
丸橋透先生には様々なことで大変お世話になったので,基本的に断ることができない。

この講演内容の記録化に関しては,事前に事務局からビデオを公開して良いかという問合せがあったので,録音内容からの文字起こしのために使用することは許諾するが,それ以外の目的のために使用することは許諾しないと回答してある。

AIにより(様々な違法な目的のために)改変された内容の画像,動画,音声等があっという間に流通してしまう時代なので,どの組織・団体においても,そもそも録画・録音を禁止することが重要であり,万が一にも録画・録音の類が流通した場合には,当該流通させた者を業務妨害罪により長期間服役させるような仕組みを整えることが重要だと考える。基本的に禁止されているのであれば,録画・録音の類が流通しているというだけで,直ちに,その違法性が推定されることになる。

何でもかんでもネットで流通させることは「知識の窃盗集団」を利するだけなので,良くない。

この講演内容は,後日,整理・推敲した上で,法とコンピュータ誌上で掲載されることになる。

対談の中で,丸橋透先生から「誰のための?」という副題の種明かしをするように示唆を受けたが,明確な種明かしはせずに実質にそれに相当する説明を行った。
その種明かしは,下記のところでより明瞭に示唆されている。

 スパイに身も心も捧げる行為
 Cyberlawブログ:2025年11月18日
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2025/11/post-fd22ee.html

対談の中では,最近のEU,米国,カナダの立法動向に関する話題にも触れた。
米国の現大統領の動静や中国政府の動向等が非常に流動的な状態にあるので,来月には全く別の政治的・経済的状況になっている可能性がないわけではないけれども,丸橋透先生と共に,現時点におけるベストの見解を示すことができたと思う。
丸橋透先生から質問があったので,(特に若年の)児童に対するSNS及びGPTの禁止・抑制に関する世界動向とその理由についても述べた。

インフラとしてのプラットフォームが独占的地位を確立すると,人類全体に対する最大の脆弱性要素となってしまうので,全人類によるリスク管理が必要になる。つい最近の事例も含め,その例証となり得るような大事故が連続して起きている。

結局のところ,かつて,IBMによる極端な独占と集中の弊害が非難され,MicrosoftやAppleのような超分散型のスタンドアロンPCや業務用の中規模ネットワークとワークステーションが台頭したけれども,それらの企業が離合集散を繰り返しながら,結局は,かつてのIBMと同じような立場を確保してしまっているので,結局のところ,初期の頃にMicrosoftやAppleからIBMに対して発された非難がそのままMicrosoftやAppleに妥当するような状況となっている。

野心と欲望を全面的に是認すると,誰がどのようにやっても,結局同じことになるという「性悪説」が基本的に正しいということを,人類は,約50年かけて実証してきたのだと言い得るかもしれない。

EUの規則(EU) 2022/1925(デジタル市場法)に関しては,細かな解説をしている時間的な余裕はないと判断していたので,その参考訳の解説の中で事前にやや詳しく解説を書き,EUの関連法令及び日本国の関連法令との対応表のようなものを作成して収録しておいた。講演の中では,基本的には,その対応表を読んでほしいということだけを述べた。

 法と情報雑誌70号(第1分冊)
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2025/11/post-24085c.html

いずれにしても,(会場に参加していた各分野の方々の顔に泥を塗るような話題や表現は,私の認知症の症状によるものとして,全部ぬるぬると避けた上で)言うべきことは一応全部言ったと判断した。

この大会を実行するに際し尽力のあった事務局の方々には深く御礼申し上げる。

***

現在の私は,サイバー分野におけるEU法の読解と参考訳の作成にかなり多くの時間を割いている。かつて椙山敬士先生から御教示を受けたことが契機となり,EU法の読解と可能な限り精密・正確な訳文の作成に真面目に取り組むようになった。
この講演の中でも椙山敬士先生に御礼を述べた。

一般に,学者は,誰か先人からの示唆によって啓発され,先人の業績に敬意を表しつつそれを理解し,新たに自分自身の脳機能構造を構築し,誰にも負けない脳神経回路網を創生することによって生きている。
それは,全く符号化されておらず,符号化されることもない経験の一種として記憶されている部分を含むので,AIによって模倣できない。エンジニアが模倣できたと思ったとしても,そのエンジニアが馬鹿だからそう思うというだけのことであり,原理的にその模倣は不可能なことだ。

私は,自分自身の重大な転機の原因となる示唆を与えてくださった先人には敬意を表する。

***

あくまでも一般論として,AI関連のエンジニアの中には,基本的な教養が十分に具備されていない者が存在する。それらの者は,創生の本質を全く知らない。それゆえ,先人の努力や貴重な成果に対して敬意を表する必要性も理解できない。

そのような無教養なエンジニアやCEOが存在することそれ自体が,人類全体に対して敵対的な状態になっていることさえある。

だから,そのような者のほぼ全員が,大規模かつ自動化されたパイレーツマシンとしてのLLMを基礎とするAIシステムの開発に従事・関与することによって巨額の報酬を得ようとする傾向がある。それは,必然であるとも言える。

彼らは,仏教でいうところの餓鬼の世界の中に居住している。

 

 

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