2025年4月28日 (月曜日)

AI(LLM)により自動生成されるコードは脆弱?

下記の記事が出ている。

 Popular LLMs Found to Produce Vulnerable Code by Default
 infosecurity: 25 April, 2025
 https://www.infosecurity-magazine.com/news/llms-vulnerable-code-default/

***

コンピュータプログラムではなく,明治大学の講義の中で実施している理解度テスト(小テストの一種)の回答の中に生成AIによって自動生成された文がそのまま貼り付けられている例がある。

ほぼ例外なく.内容的に評価すると,「質問に対する回答には全くなっていない」という意味で0点。デフォルトで(内容的に)脆弱とでも言うべきか・・・

いつも書くことだが,ダメなものを何万個学習しても,やはりダメなままだ。

真に良いものは存在しないか希少であり,希少である場合には学習可能な状態で流通していない知識であることが多いので,結局,生成AIは,まともな知識を学習する機会に非常に乏しく,良い知識を学習することができない以上,いつまでたっても超駄目システムから脱却できない。

たとえ何兆円をかけて開発しても,この状態から脱却することは不可能なことだ。

そもそも,理論と知識が全て完成されているという前提からスタートしているということだけで敗北が必至となる。現実には,まともな理論は滅多にないし,正しい知識を獲得できる機会はほとんどない。

コンピュータプログラムの場合も同じであり,非常に優れたコードを学習することはほぼ不可能なことなので,脆弱性だらけの「並レベル」のコードしか学習できず,従って,生成されるコードも(ほぼ常に)駄目コードになってしまうのだ。

 

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2025年4月27日 (日曜日)

法と情報研究会の今後

いろいろと考えるところなのだが,2026年3月には明治大学法学部を定年退職してしまうので,それ以降のことを決めなければならない。

私の過去の業績総数と同数またはそれ以上の数の論文や翻訳文等を作成して公表するだけの十分な能力及び独自に正しい法理論を構築し続けることのできるだけの頭脳のあるタフな研究者がいれば後継として任せることができると考えてきた。
しかし,日本中どこを探しても見つけられない。何十年待ってもそのような人材が出現しない。

私のような非常に凡庸な者でさえ,裁判官当時から通算すると(裁判官の職務として作成した判決や決定,その他の内部文書や非公式文書等を含め)通算1万本をはるかに超える文書を作成してきたし,これまで数万件に及ぶブログ記事等のインターネット上のコンテンツを作成してきたので,世の秀才であれば当然それ以上の数の業績を作成・公表するということをいつでもたやすく実行できるはずなのだが,現実にはどうもそうではないらしい。

結論として,明治大学法学部を退職後も私が代表者となってこの研究団体(法と情報研究会)を運営することにした。研究会の所在地は現在とは別の場所に移ることになる。

私以外に少なくとも1人以上の参加者があれば研究団体として継続し,法と情報雑誌を刊行し続けることができる。

諸般の事情により,法と情報雑誌を紙版として印刷することが難しいのだが,PDFのデジタル版を公表し,国会図書館に納本するということを続けたいと思う。
もともと「学会誌」や「研究会誌」の類は,同人誌の一種なのであり(例:東京大学の法学協会雑誌),商業出版社から出版しなければ学術雑誌ではないという理屈は成立しないし,そのように主張することは日本国憲法に定める学問の自由と表現の自由に反する見解であるということになる。
そもそも商業出版社が収益性の乏しい研究書や専門分野の雑誌を刊行することが非常に難しい時代になってしまっているため,この点に関する発想を根本から改めなければ,日本中のどの学術分野に関しても,学術上の研究成果を公表できる場がなくなってしまう危険性がある。

生物としての私自身のことを考えると,老化による劣化により研究能力及び研究業績の生産能力が著しく低下しているけれども,それでもなお,世間の標準的な法学部教授と比較して(質・量ともに)何倍かの生産能力を現時点でも維持し続けていることが明らかなので,今後も日本国の国民のために貢献し続けることは可能だろうと思う。

私が死んだらそれでおしまいということでよいのではないかと思う。

 

 

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2025年4月25日 (金曜日)

法と情報研究会の昼食会

昨日,法と情報研究会の昼食会があったので参加した。

私が主宰している研究会なので,もっと積極的に活動すべきところなのだが,家庭内の事情(老母の介護等)のために身動きがとれない状態が約8年以上続いてしまっている。昨日は,金子俊哉氏に庶務を担当していただけたので昼食会を実現することができた。

この間,会員各位には様々なことがあったようなのだが,病気で入院した方も完全に回復して復帰しているので,とにかく通常人の何倍か何百倍くらいの超人的な体力と回復力をもつ人材の集団であることは間違いない。

ところで,法と情報研究会と類似の組織・団体は幾つもある。

しかし,単なる模倣や官僚的作業をこなすだけの組織や利殖目的の組織,または,特定の宗教団体や政治団体の勢力拡張のための組織ではなく,この分野において新たな知的生産物をどんどん生み出す能力をもつ日本国内でほぼ唯一の研究団体なので,私の精神力と体力が許す限り,今後も主宰を継続するつもりだ。

私自身がやるべきこととしては,基本的には,(印刷物としての公表は無理だがデジタルのものとして)法と情報雑誌の刊行を継続し,今後も最先端の内容の研究成果を公表し続けたいと思っている。

ちなみに,私は,日本国の主要大学の大学院等において伝統的に行われてきた「奴隷的な弟子をつくる」ということを一切してこなかったので,奴隷となって働く弟子のような者が一人もいない。
そのため,基本的には何でもかんでも全部自分でやらなければならない。
それでもなお,会の運営にしても研究活動にしても,自主的に無償で手伝ってもらえる若い世代の人々がいるので,どうにかこうにか運営できている。

まことにありがたいことだと思う。

一般に,利他を基本としなければ,真の学術は形成されない。

利己を基本とすると,どこかの国の大統領のように,思想信条の自由や学問の自由を圧殺することになる。

 

 

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2025年4月19日 (土曜日)

アメリカ合衆国憲法修正第2条

現実化するかもしれない。

 

 

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2025年4月16日 (水曜日)

知的財産を保護するための法制度がなくなる?

下記の記事が出ている。

 ジャック・ドーシーが「すべての知的財産法を撤廃せよ」と発言してイーロン・マスクが同意
 Gigazine:2025年4月14日
 https://gigazine.net/news/20250414-jack-dorsey-delete-ip-law-elon-musk/

彼らは,トランプ政権が「アメリカ第一主義」を掲げて復活を推進している米国産業を破壊したいのだと思う。

それらの企業の中には,金融,製鉄,自動車製造,航空機製造,クラウドコンピューティング,ICTサービス,ハリウッドなどのエンターテイメント産業,情報セキュリティ産業を含む。

なぜなら,これらの産業は,特許権,意匠権,商標権,営業秘密,著作権,データベースの権利のような知的財産権を保護することなしには成立しないからだ。それらの知的財産権を廃止した場合,知的財産権が存在しなくなるので,権利侵害を理由とする訴訟により侵害行為に対抗することができなくなる。
例えば,中国は,損害賠償や刑罰を恐れることなく,米国企業の知的財産を無料でどんどん自由に使用できることになる。
そのような知的財産の中にはAI関連のデータセットやモデルも含まれるので,米国が何兆円もかけて構築したシステム,データセット,モデルなどがそのまま模倣されたとしても,(知的財産権制度が存在しないので)少なくとも知的財産権の侵害行為にはならないことになる。

ジャック・ドーシーは,「自分の利益だけは守られる。自分以外の者には権利はない」という超利己主義を基礎とする古代の独裁者的な思考をする遺伝子の持主なのではないかと想像される。

知的財産の国際的な移動では,物品の国際的な移動があるわけではないので関税が賦課されるわけでもない。

Amazon,Google,Microsoft,Apple,そして,巨大なデータベースをもつ大手AI企業は,真っ先に倒産するということになるかもしれない。

このような愚かな言説(←主張者が本当に知能の低い人間または完全に無知な人間である可能性は否定されないのだが・・・)が横行するのは,トランプのせいだ。

知的財産権は,物体ではない。そのような権利があると仮定して,相互に保護するという約束しか存在しない。もともと権利は存在しないものであり,その存在を仮定する約束とその約束の履行を確保するための法制度(国家権力)が存在するだけだ。このような考え方は,非常に古い時代から「名目説」として広く知られている。権利が存在しなくても,約束を守る国家が多数である限りは,権利が存在するのと同じ状態が現出することになる。

トランプは,国際法は存在しないということを誰の目にも明らかにした。古代ローマ帝国以来の「約束は守られるべし」との格言も全部反故にした。武力による制圧だけを基礎とする古代の独裁者的な君主と同じような発想しかできない。

かくして,自由貿易のための国際的な約束は消滅してしまい,そのような約束を基礎とする知的財産権保護のための約束(協定)も反故にされてしまった。

これらの者のせいで米国の産業界が全面的に崩壊した場合,無職となった者や無資産者となった者らから(恨みに起因する報復のために)雇われた仕事人によってジャック・ドーシーとイーロン・マスクがあの世に行く日が来るかもしれない。

そのようなリスクが顕在化しても,たぶん,トランプは,彼らを守ろうとはしないだろう。

なぜなら,トランプは,自己に欠点や失策があることを絶対に認めない遺伝子をもつ人間だからだ。その属性は,スターリンの属性というよりはポルポトの属性に近い。

かつて,トランプは,自分に大統領をやらせればウクライナの紛争をすぐに解決してみせると豪語していた。
しかし,いつまでたっても解決できない。プーチンよりも能力がかなり劣るので当たり前の帰結なのだが,そのようなことは絶対に認めない。
今では,戦争が終わらないのはセレンスキーのせいだと主張してウクライナを責めている。もっとも,プーチンからの指示・命令によりトランプがそのようにゼレンスキーを非難している可能性(茶番である可能性)は否定されない。

トランプは,憲法を守るための官僚制度と議会を破壊し,憲法による縛りを撤去した上で,古代の君主のようになりたいのだと思う。

その手本として,ロシアの憲法体制を破壊して終身の大統領になっているプーチンが存在している。

トランプは,「プーチンにできたことが自分にはできないということはおかしい」と考えているのに違いない。

 

[追記:2025年4月16日15:50]

関連記事を追加する。

 

 イーロン・マスク率いるDOGEが全米労働関係委員会の内部システムにアクセスし機密情報を抜き出した詳細が内部告発により明らかに、監視ツールを無効化して痕跡を削除しロシアのIPアドレスからアクセスが急増するなど滅茶苦茶
 GIGAZINE:2025年4月16日
 https://gigazine.net/news/20250416-how-doge-take-sensitive-nlrb-data/

 

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2025年4月14日 (月曜日)

弁護士業務終了

約30年間にわたり弁護士としても仕事をしてきた。

本業は明治大学法学部教授なのだが,様々な場面において業務として法律相談のような仕事をすることがあり,そのような業務を適法に遂行するためには弁護士法に基づいて弁護士登録をしていなければならないという信念に基づくものだ。大半の法学者はそのようには考えていないので,弁護士登録していない。

昨年,所属事務所の代表者である明石一秀弁護士が他界した。同弁護士は明治大学における法科大学院の設置において多大の貢献があっただけではなく,法学部における法曹育成教育にも極めて大きな貢献があった。無償の貢献であり,まさに利他の行為だったと言える。
その葬儀に出席した。関係各方面からの多数の花が飾られていたのだが,その中に明治大学の名はなく,非常に悲しい気分と虚しさを味わいながら僧侶の読経に合わせて私も心の中で読経し,故人とお別れをした。

代表者の死去に伴い所属事務所が消滅となったので,私も弁護士をやめることにした。ちょうど2026年3月末日をもって明治大学法学部教授の職を定年退職する。現在では,政府関係の仕事が一切ない。それゆえ,法律相談的な業務を遂行する必要もないと判断し,弁護士登録を継続する必要性も消滅したと判断した。

税務署関係の廃業の届出手続を済ませた後,所属弁護士会に弁護士バッチを返納すると同時に退会の手続をした。所属弁護士会からは2025年3月31日付けで弁護士登録取消の通知が到着しているので,法定の形式も満たしており,実質的にも形式的にも弁護士ではなくなった。

弁護士としての活動を通じて,弁護士及び弁護士会というものが一体どのようなものであるかを直接かつ仔細に観察し続け,必要に応じて記録化・文書化し,調査・検討の素材とすることを続けることができたことは,私の人生における非常に大きな収穫の一つだったと思っている。

***

明治大学法学部教授としての残り1年弱の日々の中で,書きかけのままになっている『艸』論文を完成したいと思い,必要な調査・資料収集と検討を続けてきた。

しかし,家庭内の事情(老母の介護)により,精神的にも体力的にも消耗する日々となっているため,たぶん,在職中に『艸』論文を完成することは無理だろうと思う。満70歳になる者に扶養義務や介護義務を与えるような法制は「人間の尊厳」に反する違憲なものなのだが,そのように主張しても最高裁が認めるはずがないので,残り少ない人生の日々を浪費するような無駄なことはせず,黙々と扶養義務と介護義務を履行している。

『艸』論文の続きの部分として現在予定している内容としても,(民法,知的財産法等を含め)関連諸分野の著名論文の多くを根拠のない虚しいものとして完全否定し,関連分野における通説の多くを破壊しながら全く異なる体系を構築するための論述を進めるものとしなければならないということが既に明らかになっており,そうでなければこの論文を完成できないと確信している。
そのため,もし在職中に完成・公表すると,法学部教授諸兄との間で感情的な軋轢が生ずる危険性もある。そのため,むしろ,退職後に完成・公表した方が良いと判断している。
私から批判を受けることになる法学者にしても,「あの人はもう大学教授じゃないただの趣味人だから」といって嘲るための十分な余裕を提供できることになるだろう。そのほうが世間における平和に資することにもなる。

あくまでも一般論として.世間における平和とは,その大部分が非常に低レベルの諸要素で構成されているので,本質的に高レベルの人間には到底耐えられるものではないことが多い。しかし,民主主義の社会においては,低レベルの者の方が常に多数派を構成するため,多数決原理により,高レベルの人間は,常に少数派となり,疎外される。

このことを(授業中に)説明するために,駄洒落として,麻雀における「平和」で説明したことがある。しかし,現在の学生の圧倒的多数は麻雀をしないので,何のことか意味が通じないだろうと推測されるため,現在ではそのような駄洒落で説明することをやめている。

そうではあるのだが,ガリレオのように,正しい信念に基づき頑固でいることは大事なことだと思う。
当時のバチカンから破門され,火あぶりの刑に処せられる危険性を十分に承知していても信念を貫くことは,普通の人にはできないことだ。
ガリレオは,高レベルな人間の一員なのだと思う。

明治大学を退職すれば,法人組織としての大学における様々な縛りも消滅する。

それでも,退職後においても,明治大学の建学の精神だけは尊重し,「権利自由、独立自治」を維持したいと思う。

明治大学法学部においては,私が退職した後においても,その構成員である教授諸兄の「権利自由、独立自治」が完全に守られ続けるべきだと考える。

あくまでも一般論としては,特定の政治思想等に基づく上命下服の組織的支配をめざすような勢力は,当然のことながら,「権利自由、独立自治」を圧殺することになるので,排除されなければならない。

 

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2025年4月13日 (日曜日)

OmniGPT

下記の記事が出ている。

 AI Aggregator OmniGPT Suffers a Security Breach Exposing Sensitive Data Including Credentials
 CPO: February 21, 2025
 https://www.cpomagazine.com/cyber-security/ai-aggregator-omnigpt-suffers-a-security-breach-exposing-sensitive-data-including-credentials/

 

 

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2025年3月31日 (月曜日)

EU:サイバーセキュリティとAIに関係する資金拠出を拡大

下記の記事が出ている。

 EU Commission to Invest €1.3bn in Cybersecurity and AI
 infosecurity: 31 March, 2025
 https://www.infosecurity-magazine.com/news/eu-commission-funding/

 

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2025年3月26日 (水曜日)

AI crawlers

下記の記事が出ている。

 Open Source devs say AI crawlers dominate traffic, forcing blocks on entire countries
 ars technica: 2025年3月26日
 https://arstechnica.com/ai/2025/03/devs-say-ai-crawlers-dominate-traffic-forcing-blocks-on-entire-countries/

 

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2025年3月25日 (火曜日)

孤立主義

どの国でも孤立主義を採用した場合,国内の市場規模の大小がその国の将来を決めることになる。

国内の市場規模が小さい場合,国全体が衰滅するので,大国に吸収されることになるだろう。

大国による吸収を免れようする場合,国家連合が形成され,更に,急速に連邦国家へと成長することがあり得る。例えば,EUは,実質的にも形式的にも連邦国家となる現実的な可能性がある。

大国の中で,十分な資源,十分な(生産能力をもつ)人口,十分な統治能力をもつところは単一国家として生き残る可能性が高い。例えば,中国は,その代表例だ。

現時点では超大国だと自認している国であっても,十分な資源,十分な(生産能力をもつ)人口,十分な統治能力をもたないところでは,(独裁者一族と貧民しか存在しない中世の君主国のようになるのでない限り)経済破綻から崩壊に至る可能性がある。
うがった見方をすると,そのような(独裁者一族と貧民しか存在しない中世の君主国のような)国にするために,フランス革命から始まり,第二次世界大戦以降おいて世界的規模で構築されてきた民主主義の基盤を根底から破壊し,消滅させようとする勢力は存在し得ると言える。

一般に,「自分が初代の国王になる資格は神によって与えられたものだ」という妄想にとりつかれると,その妄想から逃れることはほぼ不可能になる。

人間の脳組織は弱い。メジロ(Zosterops japonicus)の脳とそんなに変わらない。

 

 

 

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