2018年7月 1日 (日曜日)

法と情報研究会第3回公開研究報告会を無事に終了

昨日,法と情報研究会第3回公開研究報告会を無事に開催することができた。

急ぎでミニパネルを企画し,ぶっつけ本番でやってみた。結果的に,よい企画となったのではないかと思っている。丸橋先生が御提供の画像を素材に多角的な検討ができたと思う。

来場者はあまり多くはなかったが,日経BPの面々や高木浩光氏が参加し,特に夜の部(懇親会)で異常に盛り上がった。

これまで,ロジスティック面は私が全責任を負ってやってきたが,次回(2019年3月16日予定)は,別の先生方にお願いしようと思っている。

広報・宣伝に関しては,特に力を入れてこなかったし,真面目に研究しようと考えている人だけ参加してもらえればよいので,今後もこのような方針を維持しようと思う。

ただし,例外的な院生等を除き,学生の参加者が少なく,極めて憂慮すべきことだと思っている。そんなことで,いったいこれからの時代にサバイバルできると本気で思っているのだろうか?

思想信条の自由はあるので強要はできないのだけれども,「無知の知」を知るべきだと思う。

それにしても,さすがに疲れてしまったようで,今日は,ずっと寝ていた(笑)

(余談)

会場には卒業生(元ゼミ長)の某氏も来てくれた。IT関係の企業(総合商社)に勤務している。以前よりも少し骨太な感じになったようだ。他の卒業生の近況も知ることができ,とても嬉しかった。

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2018年6月28日 (木曜日)

法と情報研究会第3回公開研究報告会

第3回公開研究会の開催日が迫った。細々とした準備を進めている。天気がやや不安だが,たぶん大丈夫だろう。

法と情報研究会第3回公開研究報告会

  日 時:2018年6月30日(土曜日)10:00~18:00(予定)
  場 所:明治大学駿河台校舎リバティタワー1011教室。
  参加費:無料(事前登録等不要)

    開場(10:00)
    開催趣旨説明(10:20~10:30)
    研究報告1(10:30~11:30)
      丸橋 透「欧州の治安分野施策からの私的生活・個人データの保護(仮)」
    休憩(11:30~13:00)
    研究報告2(13:00~14:00)
      黒澤 睦「ドイツ語圏諸国における名誉毀損罪の刑事実体法及び刑事手続
            法上の取扱い(仮)」
    休憩(14:00~14:30)
    ミニパネル(14:30~15:30)
    研究報告3(15:30~16:30)
      佐々木秀智「プライバシーシールドについて(仮)」
    研究報告4(16:30~17:30)
      夏井高人「EUにおける個人データ保護法制の全体像(仮)」

その他の詳細情報は,下記で公表している。

http://cyberlaw.la.coocan.jp/index2.html

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2018年6月26日 (火曜日)

竪穴式住居

全国各地で数えきれないほど多数の竪穴式住居の遺構が発掘されてきた。

しかし,疑問に思うことがある。

それは,その当時の復元において,どれもこれも茅葺またはそれに類する長丈の植物で覆われていたものと推定されてきたことだ。

当時の植生上,そのような資源が容易に入手可能な状況であるとすれば,それは,あり得ることであろう。

しかし,そうではない条件の下にあったと推定される地域からも同じような遺構が無数に発掘されている。

植生上可能であっても,当時の推定人口から考えて,資源供給量が圧倒的に不足すると計算可能な人口密集地も存在する。

そこで,私は,草葺きではなく,パオのようなものが存在した可能性を仮説としてたて,検討してきた。

現時点においても,その仮説は成立し得ると考えている。

特に,無数の馬が放牧・飼育されていた地域(その中でも特に比較的寒冷な気候条件をもつ地域や葦や茅の入手が困難な地域)では,その可能性が高い。そのような地域では,被覆資源として,動物(馬など)の皮を利用できる。

馬の皮の利用は,日本国において,古代から現代まで続いており,例えば,和太鼓などで用いられている。

(余談)

比較的大型の古墳の形状に関し,子宮を象ったものだとの説がある。前方後円墳の形状の起源についても同じだ。

私は,むしろ,死後の住居としてのパオの形状を模したものではないかと考えることがある。

そのように想像可能な石室内には,軍用の馬具や(歩兵ではなく)騎乗する上級軍人を想定するのでなければ理解し難いような遺物が残されていることがしばしばある。弓矢や太刀にしても,騎乗を想定すると理解しやすい場合がしばしばある。「さきたま古墳群」では,そのような想定を前提とした復元も試みられている。

前方後円墳の形状については,漢系の方墳と鮮卑系(スキタイ系)の円墳とを(ある政治的な意図の下に)合体させたもので,『三国志』の「魏書」の中で述べられているものと同系のものだとろうと考えている。このように考える場合,前方後方墳の形状には,それなりの政治的意味があることになる。

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2018年6月21日 (木曜日)

Radek Silhavy (Ed.), Cybernetics and Algorithms in Intelligent Systems: Proceedings of 7th Computer Science On-line Conference 2018, Volume 3

注文していた下記の書籍が届いたので,早速読んでみた。

 Radek Silhavy (Ed.)
 Cybernetics and Algorithms in Intelligent Systems: Proceedings of 7th Computer Science On-line Conference 2018, Volume 3
 Springer (2018)
 ISBN-13: 978-3319911915

玉石混交という感じもするが,参考になる論文もあった。

全体としてみると,モデルの構築は自由として,実証性の論証がやや希薄なように思う。

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2018年6月10日 (日曜日)

実務家・・・

ある方面から「実務家」を大学教員としてもっと採用すべきだとの声がある。

単に「天下りをもっと受け入れろ」との要求に過ぎないとの声もあるし,そうであるのかもしれないが,もし,正当に評価されるべき能力や経験をもつ「実務家」であることを必須の前提とした上で,そのような者の能力や経験を大学教育の中で活かすべきだという主張であるとすれば,それはそれで一応正しい見解であり得る。

問題は,当の「実務家」がどのような実務家であるかに尽きる。

単なる「大学秀才」のようなタイプの人材は,実務の世界においても全く役にたたないので必要がない。そのような者を大学に押し付けて人事上の清算をしようとするのであれば,もってのほかというべきだろう。

理想的には,業務の種類を問わず,通常は遊んでばかりいるように見えても,余裕で他人の何倍もの仕事を短時間で済ませてしまい,明確な実績を積み上げているようなタイプの実務家であれば,一応,その能力を推定しても良いのではないかと思う。

ただし,その仕事の「質」の問題は残る。例えば,その実務家が裁判官である場合,単に判決の数だけではなく,その上訴率や破棄率も十分に考慮に入れられなければならない。現実問題として,事件処理数は十分であるように見えても,実際には事実認定力や証拠の読解能力が実質的にゼロに近いような裁判官や,当該事件の解決のために必要な専門知識を極めて短時間の間に,またたくうちに吸収・咀嚼・応用することができるような優れた能力を全く欠く裁判官は存在する。

行政官の場合,論説や解説書のようなものを多数著作しているように見える場合であっても,実際には,組織としてそのような論説や解説書を作成するのが普通であり,また,その作成に際して関連分野の専門家に一部下請けをさせたり,専門論文等の一部をコピペしたりして作成することも多々ある。それゆえ,当該行政官が実際には何文字を実質的に書いたのかを精査してみなければ,当の者の実際の能力を測定することができない。このことは,企業の上級幹部のような場合でも同じである。

そういうわけで,単に「実務家」であるというだけで所期の効果をあげることができるという保証はない。現実には,優れた人材というものはどこでも極めて希少なので,どこでも引っ張りだことなっている。このことは,将来においても変わらない。そして,一般的には,当の本人に(家族の介護などの)特殊事情でもない限り,離職など考えられない。そのような特殊事情は,何らかの機会に本人が口にすることでもない限り,他人からは全く知ることのできないものであるのが普通だ。だから,非常に優れた人材の場合,どうして離職したのか,誰にも本当のことはわからない。

大学の人事担当者は,そういうことを熟慮した上で,教員人事というものを考えるべきだと思う。

ただし,正規に大学院を卒業し,学位を得ているというだけで当該の者が優れた人材であるという保証もまた全くないということも忘れてはならない。

当該の者の実力は,当該の者自身による実績の積み重ねによってのみ,正確に測定され得る。

それゆえ,若い世代の研究者(研究者志望者)には,「学者というものは書いてなんぼの世界だ」と口を酸っぱくして教えるようにしている。ただし,そのあとは当の本人の問題なので,無理やり論文を書かせるようなことはしない。

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2018年6月 8日 (金曜日)

転機か?

下記の記事が出ている。

 Training a neural network in phase-change memory beats GPUs
 ars technica: June 8, 2018
 https://arstechnica.com/science/2018/06/training-a-neural-network-in-phase-change-memory-beats-gpus/

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小峯和明『遣唐使と外交神話 『吉備大臣入唐絵巻』を読む』

下記の書籍を読んだ。

 小峯和明
 遣唐使と外交神話 『吉備大臣入唐絵巻』を読む
 集英社(2018)
 ISBN-13: 978-4087210323

標題のとおり, 『吉備大臣入唐絵巻』を主要な素材としてはいるが,全体としては,様々な現存資料を用いて古代の日本と大陸の交流史の実像を探そうとする著作だと考える。

読み物としても平易で面白く,一派向け書籍としては優れた書籍の一冊ではないかと思う。

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2018年5月27日 (日曜日)

月刊考古学ジャーナル2018年6月号

三省堂本店で購入し,全部読んだ。

 月刊考古学ジャーナル2018年6月号
 「特集:火山灰に埋もれた古墳時代」
 北隆館(2018年5月21日発行)
 http://hokuryukan-ns.co.jp/cms/books/%e8%80%83%e5%8f%a4%e5%ad%a6%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%83%bc%e3%83%8a%e3%83%ab%e3%80%802018%e5%b9%b46%e6%9c%88%e5%8f%b7/

非常に興味深い記事ばかりで,とても勉強になった。

特に,榛名山の2回にわたる大噴火の結果,そこに住んでいた人々の構成がどのように変化したのかという点は重要で,たぶん,これまでの歴史学(日本古代史)上の通説的見解のかなりの部分を破壊してしまうだけの力をもつ考古学上の成果が示されている。

私の理解によれば,これは,榛名山周辺だけに限定して発生した特殊な出来事ではない。

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2018年5月26日 (土曜日)

個人情報保護委員会のGDPR日本語訳

日本国の個人情報保護委員会によるGDPR翻訳作業が完了し,PDFファイルでその対訳形式の翻訳物が公開されている。

  https://www.ppc.go.jp/enforcement/cooperation/cooperation/GDPR/

今後は,GDPRの運用面における研究が重要性を増す。

その場合には,例えば,第三国移転の関係では外交の実務に関する知識・経験が重要になり,管理者や処理者の関係では企業法務の実務に関する知識・経験が重要になる。それは,現在の実務の大半が「本当はダメなのだ」ということを現場の実務担当者はよく知っていることによるもので,「現在の実務が良い」からではない。このことは,関連弁護士事務所等から出版されている書籍の中に書かれていることでも同じである。

それゆえ,実務の知識・経験だけでは足りず,常に総合的な判断を心掛けることが求められる。

それと同時に,EUにおいては,個人データ保護や情報セキュリティと関連する法令が今後もどんどん制定・改廃され,関連する政策文書がどんどん公表されることになるので,それらを素早く精読し,理解することも必須となる。

個人データ保護と情報セキュリティは,情報法の分野において横断的に存在するプロトコル層の一部を構成するというのが私の理解であり(「情報社会の素描」参照),この分野の研究者にとって避けることの決して許されない検討対象の集合を構成している。

今後も勉強を継続しなければならない事柄が山積している。

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2018年5月25日 (金曜日)

GDPR参考訳・再訂版

昨年,GDPR参考訳の改訂版を出した。その前文の部分はKDDI総研で公開されている版に反映されている。

その後,更に発見されたミスタイプ等を修正し,勉強不足のために誤解のあった部分等を改め,加えて,個人情報保護委員会で使用されている訳語を尊重して訳語の一部を一括修正した再訂版を法と情報雑誌3巻5号で公表した。

2018年5月25日のGDPRの適用(施行)にどうにか間に合わせることができた。

この雑誌は,同人誌として,ごく少ない部数だけ発行しているものだ。通巻23号となったので,2年間続いたことになる。

明治大学の図書館の納本方針を尊重して納本していないので,明治大学の図書館にはバックナンバーがそろっていない。しかし,国会図書館の担当課に相談したところ,受け入れてもらえることになったので,ISSN番号を取得し,納本を続けており,国会図書館にはバックナンバーがそろっている。

この雑誌で提供している参考訳は,速報性を重視していることもあって,誤記や誤訳を含み得るという前提で,関連研究者の参考のために少数部だけ提供しているものだ。それゆえ,「仮訳」ではなく「参考訳」という名称を用いている。

その分野の専門家であれば,誤訳や誤記等があっても,原文を参照して自分でそのように理解することができるであろう。

なお,これまで発見された誤記等については正誤表を公開している。ただし,改訂版により一括修正したものについては,正誤表に反映されていないことがある。

  http://cyberlaw.la.coocan.jp/index2.html

法と情報雑誌は,紙媒体のみで発行しており,特に依頼を受け合意を得た場合を除き,公衆送信を認めていない。

そして,引用の体裁をとっているようであっても実質的にみて単なる流用に過ぎないものを公衆送信している場合には,サイトブロッキングの問題で話題となっている漫画サイトと同様,違法行為に該当し得ると考えている。

そのような実質的な流用物を公衆送信する行為が著作権法違反行為になるかどうかについて議論が分かれるところだろう。

けれども,もしそのような実質的には無断流用ばかりで構成されている成果物に対して公費からの支出がある場合,会計検査院は,厳重な検査を実施すべきだと考える。また,発注者である官庁は,少なくとも3年程度の間,当該事業者を出入り禁止とすべきである。

個別に相談を受けて合意をした上でファイルを提供しているところに対しては,公衆送信を含め,自由に改変・編集等をすることを認めているだけではなく,アフターサービスの趣旨も含め,その後に判明した誤記等を修正した版や説明資料等を提供し,また,改訂版を出したときには(改訂1回に限り)その改訂版のファイルを提供するようにしている。

また,ちょっと相談してくれれば,個別の事情と状況に応じて合理的な対応をしてきたつもりだ。

ただし,法と情報雑誌で公表している「参考訳」は,上記のような趣旨のものであるので,「その利用は,基本的に,利用者自身の責任において行われるべきものだ」という原則は,崩していない。

それにしても,さすが,それなりの評判のあるところは,それなりのことをし続けるものだと感心することがある。そのような情報は,研究仲間の間では実名で情報共有している。

さて,2018年5月25日を経過したので,速報性の要素をやや重視しなくてもよい状況となった。

今後は,見直し回数を増やして誤記・誤訳等を可能な限りゼロに近似させる努力を重ねるとともに,この分野における網羅性を重視した選択基準に従って更に参考訳を提供し続けようと思う。

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