生命保険会社等からの個人情報の漏洩事件が続いており,政府も憂慮している。
影響は大きい。
生命保険会社は,業務遂行のために不可欠とは言えない大量の個人情報をもっている。ありとあらゆる悪用が考えられる。考えられないとすれば,経営者としては無能または怠慢であるか,それとも,経営者自身が悪用する目的で不必要な個人情報を収集している場合もあり得るのではないかと疑われる。
具体的には,例えば,保険会社は,保険契約者本人の情報だけではなく,保険契約者の同居の家族の有無などの関連情報も収集し,データベースに入れている。そのような個人情報も漏れたのだろう。
当然のことながら,海外のマフィアや国内の犯罪集団や特殊な組織等は,そのようなタイプの情報を欲しがる。
高齢の老人の一人暮らしであり,同居の家族がいないということを個人データだけで調べられるのだとすれば,現地に行って監視カメラに撮影されるリスクをおかさなくても下見をしているのと同じことになる。
そのようにして事前に絞っておいた高齢者一人暮らしの世帯を狙えば,犯罪組織による殺人,詐欺,恐喝,強盗等の犯罪行為の成功率は著しく高まる。
可及的速やかに警察当局の対応の応力を高めるのでなければ,そのような事態の発生があり得ることを明確に予測し,適切に対処することは難しい。
本来,このような問題の解決策は簡単なことだ。
それは,保険会社が管理しており,保険契約を維持管理するために必要ではない個人データは,国からの命令により全て破棄させることだ。
契約の維持管理のために不可欠ではないのに集めた個人データを使用してつくられたAIシステム等も全て破壊されなければならない。そのようなAIシステムは,犯罪集団を喜ばせるだけだ。
実は,そのようなAIシステムは,保険会社の業績向上に資することがほとんどない。いわば負の資産の一種だと言える。
しかしながら,残念なことではあるが,このようなタイプの問題に関し,現在の個人情報保護委員会に対して期待できることはあまりない。
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