2018年10月30日 (火曜日)

米国:DMCAの改正をめぐる議論

下記の記事が出ている。

 “Right to repair” gets a boost from new DMCA software rules
 Naked Security: 29 October, 2018
 https://nakedsecurity.sophos.com/2018/10/29/right-to-repair-gets-a-boost-from-new-dcma-software-rules/

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2018年10月14日 (日曜日)

リーチサイト規制

下記の記事が出ている。

 規制へ 海賊版誘導、運営者らに罰則 著作権法改正
 東京新聞:2018年10月14日
 https://mainichi.jp/articles/20181014/ddm/001/040/167000c

刑事罰もあるので,構成要件が明確で紛れのないものでなければならない。例えば,「専ら第三者の著作権を侵害する目的」のような要件が付される必要がある。

もしそのような要件が付加されるのでなければ,このCyberlawブログを含め,違法なサイトを指摘するためにリンクを設定する行為も「誘導」の行為に含めて解釈される危険性がある。

そのような場合,報道の自由,出版の自由,表現の自由及び学問の自由が根底から否定される危険性が極めて高い。

そのような一般的な危険性をもつ刑罰法令は,無論,日本国憲法に違反する無効なものであるのだが,現在の裁判所が意見判決をすることはないかもしれず,もしそうであれば,表現の自由が存在しない暗黒時代が到来することになる。

民事の条項としても,「みなす」条項には反対である。

「推定する」条項の場合にも様々な難点がある。

運用指針等において「一応の推定」が働く場合を明確に例示することにより,解釈・運用のレベルで対処すべきである。

今回の提案は,いわゆる「ブロッキング」の方法による場合と比較して1万倍以上危険なものだと認識するのが正しい。

(余談)

仮にそのまま可決されたと仮定した場合・・・

例えば,映画作品や音楽作品やゲーム作品等の中に違法サイトへの勧誘または誘導を示唆するような言動と解釈可能な文言や動作が含まれており,それがネット配信されれば,ハイパーリンクと同じように解釈される危険性は残るのではないかと思われる。つまり,映画関係や音楽関係等の事業者や関係者がどんどん犯罪人として処罰されることがあり得る。

特に,人工知能技術が発達し,映画作品や音楽作品の文言等を自動的に解析して自動的にハイパーリンクを設定するような時代がまもなく到来すると想定されることから,この点の考察は非常に重要である。

現時点でも,例えば,PDFファイルではハイパーリンクが自動設定されてしまうことがある。この場合,刑事学関係の論文は,全部ネット上から削除しておかないと「誘導罪」によって有罪とされてしまう危険性を払拭することができない。

一般に,PDFにそのような機能があることは周知のことなので,外形的事実に関して未必の故意を認定することは可能と思われる。

それゆえ,仮に報道されているような罪を制定するとしても,上述のような明確で紛れのない「目的要件」を付加することが必須となるのであり,もしそうでなければ憲法違反となるのである。

(余談2)

今回の件の波及効果は非常に大きい。

特に,高性能のカーナビや自動走行自動車を含め,IoTによってネットに接続された(connected)オブジェクトに関しては,何らかのかたちで当該法令の適用があり得ることを想定しておかなければならない。

その結果,今回の件に関しては,直接にインターネット上で活動している事業者だけではなく,たぶん,ほぼ全ての事業者が既に何らかのかかわりをもってしまっているということを理解する必要性がある。

加えて,通信キャリアと一般に呼ばれてきた接続事業者等にも大きな影響が及ぶことが考えられる。

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2018年10月10日 (水曜日)

東京地裁:クラウドフレア社に対する記事削除命令

下記の記事が出ている。

 海賊版サイトが悪用、CDN大手に記事削除命令
 Yomiuri Online: 2018年10月10日
 https://www.yomiuri.co.jp/national/20181009-OYT1T50108.html

(余談)

GDPRに基づく削除権(忘れられる権利)の実行としての削除請求等との関連においても興味深い事例だと思う。

[追記:2018年10月11日]

関連記事を追加する。

 米Cloudflare、海賊版サイト「漫画村」の運営者を開示
 財経新聞:2018年10月11日
 https://www.zaikei.co.jp/article/20181011/470951.html

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2018年9月 5日 (水曜日)

明治大学知的財産法政策研究所(IPLPI)シンポジウム「サイトブロッキングを巡る立法上の諸課題」-EUの動向と日本法への示唆-

下記のとおり,シンポジウムが開催される。

明治大学知的財産法政策研究所(IPLPI)シンポジウム
「サイトブロッキングを巡る立法上の諸課題」-EUの動向と日本法への示唆-
2018年11月28日(水) 13:30から17:30 (開場13:00)
明治大学駿河台キャンパス グローバルフロント1階 グローバルホール
主催:明治大学知的財産法政策研究所(IPLPI)
基調講演「サイトブロッキングに関するEUの法理と実務」
    Martin Husovec(Assistant Professor, Tilburg University)
    (60分、逐次通訳時間込み)
パネル討論「日本法における立法上の諸問題」(2時間15分)
     司会:木下昌彦(神戸大学大学院法学研究科准教授)
     パネリスト:
           飯村敏明(ユアサハラ法律特許事務所弁護士)
           上野達弘(早稲田大学法学学術院教授)
           成原 慧(九州大学法学研究院准教授)
           山本和彦(一橋大学大学院法学研究科教授)
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ip/events/index.html

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2018年8月29日 (水曜日)

論文の価値

下記の記事が出ている。

 Social science has a complicated, infinitely tricky replication crisis
 ars technica: August 29, 2018
 https://arstechnica.com/science/2018/08/why-do-only-two-thirds-of-famous-social-science-results-replicate-its-complicated/

論文の数だけを評価基準とすることの愚は誰でも知っている。

それと同時に,優れた論文を多数公表することがいかに難しいことかについても,誰でもよく知っている。

それだからこそ,優れた論文を多数公表できる研究者は高く評価されるべきだと思う。

しかし,問題は,当の論文の真価を正確に評価可能な研究者が実際にはかなり乏しいということだ。特に,最も先進的な課題に関しては,当の論文を発表した者以外には全く理解できないことがしばしばある。このことも周知のことであり,特に数学や理論物理の世界ではそれが著しい。

他方において,全く無価値な論文を「無価値である」と評価することには様々な社会的困難が伴うことがある。

それゆえ,総合的に言えば,常に,世界的に有名な雑誌に掲載された論文が多いというだけでその論文投稿者が本当に優れた人材であるかどうかを確実に判定することはできないという結論になる。

当の論文が世間によって認められるかどうかは,かなり偶然的な要素によることが実際には多いが,それ以上に,内容を全く伴わない肩書きや経歴のようなものだけで内容まで評価されてしまうことのほうが多いから世間の評価なるものも全くあてにならないということを容易に知ることができる。

というわけで,真に創造的な研究者は,常に「孤高」であり続けるしかないというのが実情だ。

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2018年7月10日 (火曜日)

EU:欧州議会がデジタル単一市場著作権指令案を否決

下記の記事が出ている。

 YouTube and Facebook escape billions in copyright payouts after EU vote
 Guardian: 5 July, 2018
 https://www.theguardian.com/technology/2018/jul/05/youtube-could-escape-billions-in-copyright-payouts-after-eu-vote

 P・マッカートニー対ネットの父、EU新著作権指令案"否決"の背景
 Huffington Post 日本語版:2018年07月10日
 https://www.huffingtonpost.jp/kazuhiro-taira/eu-20180710_a_23477000/

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2018年6月24日 (日曜日)

オーストラリア:裁判所が海賊版サイトのブロッキング命令を認める

下記の記事が出ている。

 Federal Court speeds up piracy block process
 ZDNet: June 19, 2018
 https://www.zdnet.com/article/federal-court-speeds-up-piracy-block-process/

 Internet providers ordered to block 15 torrent, streaming sites by Federal Court
 Sydney Morning Herald: 19 June, 2018
 https://www.smh.com.au/business/companies/internet-providers-ordered-to-block-15-torrent-streaming-sites-by-federal-court-20180618-p4zm6b.html

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2018年6月10日 (日曜日)

EU:デジタル単一市場の著作権指令案に対する批判

下記の記事が出ている。

 Copyright law could put end to net memes
 BBC: 8 June, 2018
 https://www.bbc.com/news/technology-44412025

指令案は,下記のところにある。

 COM/2016/0593 final - 2016/0280 (COD)
 https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX:52016PC0593

上記の記事によると,今月末には議決になる可能性があるらしい。

[追記:2018年6月16日]

関連記事を追加する。

 Protests greet Brussels copyright reform plan
 BBC: 15 June, 2018
 https://www.bbc.com/news/technology-44482381

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2018年6月 2日 (土曜日)

売れる楽曲は人工知能(AI)が作曲する時代が到来?

下記の記事が出ている。

 Tech Tent: Can AI make it to number one?
 BBC: 1 June, 2018
 http://www.bbc.com/news/technology-44336692

(余談)

上記の記事とは関係がないが,この調子でいくと,例えば,ゼネコンを含め,マネジメントを実行する企業・組織の何割かが人工知能によって置き換えられるというようなことがあり得るのではないかと思われる。

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Steven Caldwell Brown & Thomas J. Holt (Eds.), Digital Piracy: A Global, Multidisciplinary Account

下記の書籍を読んだ。勉強になった。

 Steven Caldwell Brown & Thomas J. Holt (Eds.)
 Digital Piracy: A Global, Multidisciplinary Account
 Routledge (2018)
 ISBN-13: 978-1138067400

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より以前の記事一覧