2025年12月25日 (木曜日)

生成AIに頼ると思考における多様性が衰退する?

下記の記事が出ている。

 画像生成AIと画像認識AIの生成ループを実行すると最終的にどんな指示でも「12種類のスタイル」に収束してしまうことが判明
 GIGAZINE: 2025年12月25日
 https://gigazine.net/news/20251225-ai-image-generators/

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当然のことが述べられていると考える。しかも,美術の分野に限らず,経営判断のような場面でも同じことが起きる。

LLMは,要するに巨大な海賊船のようなものであり,他人がつくった産物を奪い,違法に模倣するということを繰り返すことによって成立している本質的に違法な存在なのだが,そもそも,世間に存在している表現物等の多様性には限界がある。それは,人間の表現において,既に模倣が繰り返されていることによる。

簡単に言えば,学習対象となる情報の段階で既に陳腐でステレオタイプ的なものしか存在しないので,そのようなものをどれだけ多数学習しても多様性や独創性が生ずることはない。

生成AIとは,そのようなつまらない玩具に過ぎない。独創性など全くない。

それゆえ,経営判断の分野で生成AIを使用しても,利用者である企業が他の企業に対して優位を得るということが決してあり得ないことが最初から予定されている。

例外として非常に優れた美術作品等は著作権によって守られているので,それを学習した結果を許諾なく模倣すれば違法な二次利用になる。

経営判断の場合も同じであり,他には知られておらず,優位性をもたらし得る企業経営上のノウハウ等は営業秘密として保護されている。そのようなノウハウ等を許諾なしに学習することは,単なるスパイ行為に過ぎず,違法行為となる。

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これまで何度も述べたことではあるが,軍事用の機械制御目的のAI開発等の例外を除き,生成AIまたはLLM開発に投資しても財産を失うだけとなることだろう。

 

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2025年12月 7日 (日曜日)

AI引用?

GPT関連において一般に「AI引用」とされている自動処理の大半は,各国の公正な引用習慣を全く遵守しておらず,単なる海賊行為である。

被引用文書または被引用データの保有者の個別の事前の同意がある場合には違法性が阻却される。
しかし,そのような場合,今度は,違法なステルスマーケティングのリスクが生ずるので,そのリスクを消滅させるための自動的な処理が導入されていなければ違法な処理となる。

そのようなリスクを消滅させるための自動的な処理の例としては,「学習されることに同意した事業者のための商業宣伝広告」等の目立つ表示をすることなどが考えられる。
これは,AIビジネスを黒字転換させるために行われていることの一部である以上,消費者や一般市民を欺瞞的な行為から守るための当然の安全確保の一種だ。

以上は,初歩的な基礎事項の一部。そのような重要な点に全く触れることなく「AI引用」を推奨する者は,違法行為者またはその共犯者である確率が非常に高いと言える。

なお,ここで述べていることは,計画経済を基本とする国家においても妥当するのだが,(基本的に言論の自由がないため)国民がAIに反対すると国家警察による粛清の対象となり得るという点が自由主義諸国とは根本的に異なる。

 

 

 

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2025年10月25日 (土曜日)

DACS:AIの時代における透明性,公正性及びクリエーターの権利の尊重に関する共同声明

下記のとおり,共同声明が出ている。

 Our joint statement calling for transparency, fairness and respect for creators’ rights in the age of AI
 DACS:Posted on 16/10/2025
 https://www.dacs.org.uk/news-events/joint-statement-on-creators-rights-in-age-of-ai

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私は,基本的に賛成だ。

世界各国の著作権法制に完全に精通していないAI関連企業の経営者及びAI関連組織の代表者は,特に米国流のフェアユースしか知らない者は,ちゃんと勉強すべきだ。それらの人々は,自分のことを非常に優秀だと宣伝しているので,1週間もあれば世界中の全ての著作権制度に精通することなど簡単にできることだろう。

しかし,現実にはそのような経営者などいるはずがない。

そこで,各国とも,例えば,当該企業や研究組織の前年度における全世界の総売上高を上限とする行政上の制裁金制度を早急に導入すべきだと考える。
そのような制裁金による国庫収入は,零細であるために訴訟を起こすこともできないクリエータに分配すればよい。

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基本は簡単だ。

人間がやってはいけないことは,AIシステムが自動実行することも許されない。

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学習することそれ自体は,一般的には,各人の自由かもしれない。

しかし,企業秘密のようなアクセスが禁止されている知的財産権にアクセスすることは禁止なのでそもそもそれを学習することが許されない。

また,人間による学習の場合,脳内の記憶能力に限界があるので,著作権侵害の程度・範囲にも自ずと制限が称する。ところが,理論上では無限に記憶領域を拡大できるコンピュータシステムでは,たった1人のAI企業の経営者によって世界中の著作物がシステム内に格納され,潜在的に著作権侵害の状態でスタンバイするという状態が発生する。

つまり,AIによる知的財産権の侵害による潜在的な影響度は,個々の人間による場合とは全く比較にならないほど大きなものであり,いわば全人類を死滅させる文化的な生物化学兵器のようなものだと言える。

立法者は,そのことを正確かつ冷静に理解し,この問題に対応するため,適切に立法すべきだ。

 

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2025年8月28日 (木曜日)

生成AIの生成物は独自の著作物となるか?

生成AIのアウトプットそのものではなく生成AIの補助を得つつも(例,背景部分のベタ塗り処理の自動化のようなあくまでも付随的な部分の自動処理),基本的には人間の脳と手により新たに生み出された作品である限り,その作品が著作権法の定める著作物である得ることに関しては,異論がないと思われる。

生成AIのアウトプットそれ自体の著作物性に関しては議論があるが,(私の「処理主義」の理論に依拠することなく,通説である「意思主義」の理論に立脚する限り)人間の創作物とは言えない純粋に自動性に生成されたアウトプットや人間の指揮命令と無関係に生成されたアプトプットは,自然現象の一種であり,人間が創作した作品ではあり得ないので,「創作物」ではあり得ず,従って,著作権法によって保護される「著作物」または「実演」等にはなり得ない。

そのようなアウトプットが既存のどのデータとも異なる新規のものである場合,模倣でも二次利用でもないことになる。
しかし,そのようなアウトプットは,自然現象の一種である以上,現行民法上では無主物の一種ということになり,それゆえ,無主物先占の理論によってものごとを解決することになる。
そのように解する場合でも,単なるデータとしてのアウトイプットを保護する法令が存在すれば権利が原始的に発生するというだけのことであり,そのような法令が存在しないときは,誰の権利にも服さない「単なるデータ」ということになる。

生成AIのアウトプットがコラージュの範疇に属するものである場合,(米国ではともかくとして)日本国の国家主権が及ぶ範囲内においては,マッドアマノ氏の作品をめぐるモンタージュ写真事件の最高裁判例は現時点でも有効なので,新たな著作物として成立することはなく,他人の著作物の改変または模倣に過ぎないということで既に確定しているので,このようなタイプの問題に関しては議論の実益が乏しい。

生成AIのアウトプット著作権法の定める二次利用による派生物(編集物,翻案物,翻訳物等)である場合,現行の著作権法の関連条項に従っている場合に限り,当該条項が定める法律効果の範囲内で,新たな著作物として保護を受け得る。
著作権法の定める法律要件を満たさない場合,著作物のない単なるデータに過ぎない。

例外は,営業秘密として保護されることがあり得る場合のみと考えられるが,営業秘密は不正競争防止法上の権利であり,著作権法の定める権利の一種ではない。

生成AIのアウトプットが著作権法上の引用に該当するためには,著作権法に定める引用のための法律要件をすべて満たしている必要があるが,現実にはそうではない。
ほぼ全てのGPTアプリやGPTサービスからのアウトプットは,正当な引用とは認められず,違法である。このことは,既に何度も主張しているとおり。加えて,著作権法の定める人格権の保護も考慮しなければならない。
その観点からは,例えば,Google検索の「要約」なるものは,ほぼ常に,引用の要件を満たさず,かつ,著作者人格権を侵害する違法なアウトプットであるので,全て削除されるべきであり,要件を満たさない仕様である限り,サービスの提供それ自体を全部廃止すべきである。
適法であるためには,その資料を学習し,模倣または引用したのかを,出典を明記すべきである。
LLMによる学習対象となる既存のデータが1つしかないときは,その単一の資料を無権限で模倣・改変して自動生成された生成物を公衆送信可能化していることになるので,適法行為になることがない。絵画作品等では現実にそのようなことが起こり得る。写真の創作物性に関しては,通説によれば(←私見は通説に反対),自然物である山河を撮影したような写真であっても構図のとり方に創作性があれば著作物であると解している。そうすると,構図のとり方を学ぶだけで違法行為であることになるが,そのような考え方は,アイデアそれ自体を保護するのと同じことになるので認められない。構図のとり方ではなく,当該写真を描画作品として印画紙上またはデジタル媒体上に固定化したことに創作性の淵源を見出すべきである。

まとめると,著作権法の定める法律要件を充足しないアウトプット,基本的には,全て違法な模倣物または改変物である。

有料のサービスにおいて,法理論的には著作権がないアウトプットを著作権のあるものとして課金する行為は,詐欺行為となる。
それが故意ではなく過失による場合であっても,刑事上で詐欺罪として処罰されることはないにしても,民事上は不法行為に基づく損害賠償請求の原因となり得る。
世界中の全ての事業者は,間違って詐欺行為となってしまわないように,善良なる管理者の注意義務をもって事業を遂行しなければならない。

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なお,日本国の著作権法は,立法それ自体が完全に間違っており,基本的な国際条約における「works」を「著作物」としていることが人々の頭脳を劣化させている。「works」は,全て「作品」と置き換える法改正が必要なのだが,あまりに多数の箇所の改正が必要となるので,いったん廃止し,全部書き換える法改正を実施すべきだ。

このことは,これまでも何度も主張してきたことなのが,日本国の何人かの学者(法学研究者)等は私見に反対。英語を読み理解する能力がないせいではないかと推測される。法学研究者ではない学者に関しては,著作権法に関して無知なので,議論してもはじまらないと理解し,全て無視している。

 

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2024年12月 8日 (日曜日)

Microsoftの自動情報収集機能の情報セキュリティ上の懸念と批判

下記の記事が出ている。

 Microsoft Expands Access to Windows Recall AI Feature
 DARK Reading: December 7, 2024
 https://www.darkreading.com/application-security/microsoft-expands-access-windows-recall-ai-feature

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この懸念と批判は正しい。このままだと,世界中の全てのIDやパスワードなどがMicrosoftのデータベース内に自動的に収集される可能性がある。無論,同社内に存在しているロシアや中国の工作員は,それらのデータを悪用して(米軍及びNATO軍,FBI及びCIAを含め)世界中の全ての機関・組織の情報セキュリティの仕組みを破壊することが可能となることだろう。

しかし,この機能は,既に実装・運用されており,機能の実行を阻止しようとするとブラウザ等において劣化したレベルの機能しか提供されないような仕組みが導入されているように見える。

各国の関係当局は,独占禁止法違反行為の有無を調査した上で,もしそうであるとすれば,同社のAI関連のビジネスをそれ以外のビジネスと完全に分離するように企業分割を命じるべき段階にあると考えられる。

Google及びMetaに関しても同じ。

生成AIまたはLLMの訓練のためのデータの自動収集は,それ自体として違法行為であり,特にPCやスマートフォンのようなクライアントマシン上で入力されたデータや閲覧画面等のデータの自動収集と自動学習(訓練のための使用)は,違法性が顕著だと言える。

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現代人は,「法の支配」が喪失した世界の中で生きている。

「約束は守られるべし」との法格言は既に機能していない。

現実存在し得る法理論は処理主義(『ネットワーク社会の文化と法』参照)を基礎とする法理論のみ。

 

 

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2024年11月27日 (水曜日)

AI技術による自動要約?

当該作品が第三者の著作物である場合,当該第三者の翻案権や編集権を侵害することがあり得る。著作権法に定める例外(強制許諾)の場合を除き,著作権者の許諾なしに第三者の著作物を改変することは違法行為となる。この改変には「要約」も含まれる。

第三者の権利を決して侵害しない仕組みが予め組込まれていない場合,当該自動要約の機能を実行する製品またはサービスは,それ自体として違法物であり,第三者の権利を決して侵害しない仕組み直ちに組込まない限り,全部破壊されるべきである。

ただし,権利侵害の有無の判定は(裁判官の価値判断を基礎とするものなので)非常に難しく,現在のAI技術では自動化不可能な事柄の一つに属する。つまり,現時点では,「第三者の権利を決して侵害しない仕組み」を設計,構築及び運用することは不可能なことだ。

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インターネット上の数あるブログ等の中には既存の著名書籍の内容の一部を要約して組み合わせただけであり,学術的検討結果等を何も含まないものが多数存在するが,それらの大半は違法なコンテントだと考えられる。

著作権者が気付かないために結果的に放置されたような状態となっているため,削除要請や損害賠償請求がないというだけのことだろうと思われる。

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私のオンラインの講義で(電子板書講義の形式により)提供している講義内容がしばしば違法利用されていることは知っている。誰がそしているのかも知っているが,関係諸機関に迷惑をかけるといけないので,大学を退職するまでは訴訟の提起を控えている。

大学当局からオンラインではなく対面の講義として実施するようにと要請のあった科目に関しては,非常に面倒な様々な雑事に対処しながら,どうにか対面講義として実施している。

そのような対面講義において,講義案の提供はないのかと質問を受けることがある。

あるわけがないではないか。

偽学生が受講している可能性があり,そのような偽学生または第三者から依頼を受けた正規の受講生が授業内容を録音している可能性があるため,平均的な内容の講義しか提供していない。

裏切者やスパイのような受講者が存在する限り,私しか理解していない最先端の知見は提供しないことにしている。

 

 

 

 

 

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2024年11月10日 (日曜日)

著作権侵害を主張する電子メールの送付によるスピアフィッシング

下記の記事が出ている。

 Fake Copyright Infringement Emails Spread Rhadamanthys
 DARK Reading: November 7, 2024
 https://www.darkreading.com/cyberattacks-data-breaches/fake-copyright-infringement-emails-rhadamanthys

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他者の知的財産権侵害行為が全くない正しい経営を完全に維持できているのであれば,(裁判所や弁護士等からの真正な電子メールであるような場合を除き)そのような電子メールを無視していることができるはずだ。

しかし,何かうしろめたいことがあると,右往左往し,狼狽し,フィッシングにひっかかることになる。

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2024年11月 1日 (金曜日)

AI開発に必然的に伴う著作権侵害への対処は可能か?

下記の記事が出ている。

 AI Training and Copyright Infringement: Solutions from Asia
 Tech Policy Press: October 30, 2024
 https://www.techpolicy.press/ai-training-and-copyright-infringement-solutions-from-asia/

 

 

 

 

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2024年7月21日 (日曜日)

MumsnetがOpenAIを相手に提訴

下記の記事が出ている。

 Mumsnet launches first British legal action against OpenAI
 The Times UK: July 18 2024
 https://www.thetimes.com/uk/technology-uk/article/mumsnet-openai-sues-copyright-infringement-cz5hzvf8s

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いわゆる「AIリテラシ教育」の必要性を主張する関係者等の中には,無論,生成AIがそれ自体として違法システムであり得ることを周知するためのリテラシ教育を推進するために活動している運動家も存在するが,そうではなく,生成AIが大量に著作権侵害となる二次利用処理を自動実行するシステムであり,そのような違法な二次利用の自動実行なしには絶対に成立しないシステムだということを理解していないために無思慮に行動している者も存在する。

加えて,生成AIシステムの構築のために大量に収集される著作物の中には(実名のものと仮名のものを含め)大量の個人データが含まれていることが珍しくない。
そのような場合において,EUのGDPRを含め,データ主体(本人)の事前の同意を得ていないのが普通なので,著作権侵害行為と個人データ侵害行為とが同時に発生している例が非常に多い。
(無知のゆえに)そのことを全く理解できない関係者も珍しくない。

後者のような者は,民法上は共同不法行為者となり,刑法上は共同正犯または幇助犯となり得る。

(無知のゆえに)そのことを知らないのは,当の本人だけだ。

日本国の関係省庁(特に当該省庁の大臣)は,そのことを正しく理解できていない。

一般に,生成AIの理論と技術は,他者の著作権に対する侵害が問題とならない数学上のデータや大量の数値だけを処理するためのシステムとして応用されるべきだと考える。

 

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2024年5月28日 (火曜日)

Open AIを相手方とする著作権訴訟の現況に関するWashington Postの記事

下記の記事が出ている。

 The media bosses fighting back against AI — and the ones cutting deals
 Washington Post: May 27, 2024
 https://www.washingtonpost.com/style/media/2024/05/27/ai-media-barry-diller-iac-nyt/

 

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