2018年11月 9日 (金曜日)

仮想通貨の一喜一憂

下記の記事が出ている。

 Economist: It’s Time for Bitcoin to ‘Put up or Shut up’
 CNN: November 9, 2018
 https://www.ccn.com/economist-its-time-for-bitcoin-to-put-up-or-shut-up/

もともと単なるデータに過ぎないので,そのデータに対して1セントでもお金を払うという者が出てくるとすれば,それだけで立派という程度の世界だ。

だから,乱高下を一喜一憂する者については,ちょっと・・・と考えるのが正しい。

いわゆる仮想通貨には,もともと1セントの価値もない。

金属のコインとはそこが全く異なる。紙幣とは少し似ている。それゆえ,中国の人々は,古来,紙幣というものを基本的に信用していない。

金属のコインであれば,鋳つぶして別の用具のマテリアルとして転用することが可能であり,その意味で常に何らかの価値をもつが,紙幣は,単なる紙に過ぎない。紙でさえない電子化された証券の類は,いわゆる仮想通貨と同じ類型に属する脆弱性をもっている。

ただし,中央銀行によって特定の仮想通貨に対して強制通用力が付加されている場合だけは別だ。

その場面では,そのデータそれ自体に何らかの財産価値があるかどうかは全く関係がなく,当該データを他の価値と交換可能なものとして国家権力(究極的には軍事力)によって強制できるか否かということだけが問題となる。

ここでもまた,実力説に基づく理解のみが正しい。

ベネズエラの惨状をみれば誰も理解できることであるはずだ。

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2018年10月30日 (火曜日)

メルカリの偽アカウントを作成した容疑により2名の者が逮捕されたらしい

下記の記事が出ている。

 メルカリのアカウント、不正作成容疑で2人逮捕
 日本経済新聞:2018年10月30日
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3712879030102018000000/

新聞記事なので事実関係の詳細を確定できないが,罪名には若干の疑問がある。

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2018年10月28日 (日曜日)

英国:British Airwaysの被害は予想以上に深刻?

下記の記事が出ている。

 British Airways: If you're feeling left out of our 380,000 passenger hack, then you may be one of another 185,000 victims
 Register: 25 October, 2018
 https://www.theregister.co.uk/2018/10/25/british_airways_september_hack_update/

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2018年10月27日 (土曜日)

電子マネーによる賃金の支払

某氏からのメールの中に,電子マネーによる賃金の支払いに関する話題があった。

直観的に,「労働基準法の適用の関係で大丈夫か?」と思った。

労働基準法の第24条第1項は、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる」と定めている。

このただし書の部分は、主としてストックオプションの場合,あるいは,退職金等の小切手による支払の場合を想定したもので,どのような場合にも適用されるものではない。

ところで,「電子マネーによる賃金支払」の場合,その電子マネーがどのようなものであるかが明確に定義されており,かつ,当該電子マネーの券面額全額について確実な担保が準備されており,単なる支払手段としてその電子マネーが使用されるのでなければ,同等基準法第24条第1項に違反することになると考えられる。

しかも,電子マネーの種類によっては,通貨との交換が禁止されているもの,または,通貨との交換に制限のあるものがあり,そのようなものは通貨による支払と均等な賃金の支払であるとは認められないので,やはり違法となる。つまり,電子マネーによる支払を受けた後,直ちに,全額を通貨と交換できるのでなければならない。

電子マネーに適用される資金決済法は,電子マネーを「通貨」ではなく,支払手段の一種として位置付けているので,労働基準法第24条第1項の適用の問題が直接的に発生する。

しかも,資金決済法に定める発行保証金の額は,発行額の全額ではないので,決済手段としての電子マネーの券面額の全額について担保が確保されていないことが法律上明らかとなっている。要するに,券面額の賃金が確実に支払われていると認めることが(常に)できない。

以上を総合すると,全ての賃金の全額についての電子マネーによる賃金支払は,原則として違法かつ無効である。

また,労働者の過半数代表との協議により可能であるとの解釈を採る場合であっても,労働者が現金または銀行口座への振込を選択的に指定できるものとの労働協約が存在しない限り,違法かつ無効であると解すべきである。

電子マネーは,私企業が発行するもので,ゲームの「子ども銀行券」と同じく,中央銀行による国家的な担保のない単なる電子的な符号の一種に過ぎない。その符号と通貨との交換が円滑に機能している間は一見すると通貨のように見えるかもしれないが,所詮は電子的な符号の一種に過ぎないし,通貨との強制的な交換を常に可能とする法制度は(理論上も現実問題としても)存在し得ない。

このことは,紙の約束手形と通貨との交換を常に強制するような法制が(理論上も現実問題としても)成立不可能であることと全く同じことである。

そのような法制を構築すると,国家財政は,確実に,かつ,瞬時にして破綻する。

以上は,「実力説」を知らない者には理解し難いことかもしれない。

しかし,「無知は罪である」との格言があることだけは知っておくべきだろう。

(余談)

非常に細かい話しになるが,電子マネーを通貨に交換する際には必ず手数料がかかる。その手数料額分を付加した金額が支払われない場合,賃金の一部未払いがあるという解釈はあり得る解釈だと思う。

この問題は,銀行口座振込の場合でも必然的かつ不可避的に生ずる。

しかし,これまで,ちゃんと議論されてこなかったようだ。

第三者である銀行が手数料を受け取る場合,社会的に甘受しなければならないものとして適法または違法を論ずる余地はある。

しかし,当該電子マネーを当該労働者の使用者自身が発行しているような場合,その電子マネーを通貨と交換するための手数料が同一の使用者の利益になっているという点が利益衡量上で考慮すべき事情の構造として根本的に異なっているということを理解すべきだろうと思う。

(余談2)

どのような仕組みになっているか,どのように決済されるか,発行者は誰か等の問題はあるが,ある要素の組み合わせが存在する場合,銀行法上の問題も生ずることに留意しなければならない。

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2018年10月23日 (火曜日)

証券業界に深刻なサイバー脅威?

下記の記事が出ている。

 Securities market participants face greatest financial cyber threat: BAE Systems
 ZDNet: October 23, 2018
 https://www.zdnet.com/article/securities-market-participants-face-greatest-financial-cyber-threat-bae-systems/

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2018年10月18日 (木曜日)

東証のシステム障害

下記の記事が出ている。

 東証障害、補償10万件…未成立分負担で対立も
 Yomiuri Online: 2018年10月18日
 https://www.yomiuri.co.jp/economy/20181017-OYT1T50119.html

EUの関連法制等を見て考える限り,この種の法律上の責任の問題を解決するための分界点として設定しようとする場合,現時点では,合理的なサーキットブレーカーを設置し,運用しているか否かという点に求めるしかなさそうだと考える。

今回の場合,最大の責任を全面的に負うべきな者が米国の大量発注者であることは,誰が考えても疑いようがない。全損害賠償責任を負うべきである。発注者も合理的な数量を越える発注が自動実行されないようにするサーキットブレーカーを設け,合理的に運用すべき義務がある。

賠償されなかった残余の損害については,発生源に直近の組織から順にサーキットブレーカーが設けられており,正常に機能されたか否かを検討し,その順に責任を負わせるべきだろう。そうでなければ,全ての注文通信が集中する市場が物理的に成立することができなくなる。今回の件では,直近の組織とは,証券会社を指すことになる。

かつての東証の事件では,東証のシステムそれ自体のサーキットブレーカーが正常に機能しなかったことが全ての問題の発端となった。今回の件とは事案が異なる。

(余談)

かつての東証の事件では,証券会社が誤発注に気づいてサーキットブレーカーを機能させようとした時点までの責任は証券会社が負うべきであったのだろうと思う。しかし,サーキットブレーカーを機能させようとしたけでも,システム設計上,正常に機能しないという不具合があった以上,手作業でサーキットブレーカーを作動させるべき全責任が東証にはあった。ところが,「システムに問題があるはずがない」という傲慢な態度と発想(=正常な危機管理体制の欠如)が問題を発生させることになったと言える。

しかし,この事件の担当裁判官は,そのようには考えなかった。

当時においては,米国においてもEUにおいても,「システムは完全なはずだ」という全く根拠のない過信が存在していたと言える。また,世界の金融商品取引において,システムによる高速取引に対応するためのサーキットブレーカーという発想がどの市場においても全面的に採用されていたわけではない。これは,医療過誤事件でいえば医療水準のようなものである。それゆえ,当時の日本の裁判所における最も優秀なレベルの裁判官がものごとの本質を正しく理解できなかったとしても,そのような「理解できない」という脳内のメカニズムを全く理解できないわけではない(しかし,裁判官は,原告の主張をもっと丁寧に検討すべきであった)。

その後,欧州委員会及びEUの金融界は,東証の事件を通じて,「本質的にみて,何が問題であるのか」を明確に認識するに至った。

その結果,MiFID IIやMiFIRやOTCデリバティブ改正法令等を含め,近時の大規模法改正が成立したのである。そこでは,サーキットブレーカー及びこれに準ずる方法による制御が明確に定められている。

更に,EUの金融部門とその法制は,現在,人工知能技術の応用という時代の変化を踏まえ,更に変化しようとし続けている。

日本の法律家は,情報技術の著しい発展を精密に理解し続け,そのような理解に基づき,法理論の再検討及び新たな法理論構築の能力を示すのでなければ(実務法律家としてはそのような新たな理解と理論に基づく実務的対応能力を示すのでなければ),その存在意義を証明できない時代に入ったと言える。

しかし,現実には,ソースコードを読むこともシステム設計図を理解することも全くできない法学研究者や弁護士や裁判官が圧倒的に多い。

日本国の司法制度は,その根幹部分において,破綻を始めていると言える。

日本国の主要な大学においては,もし生き残りたいのであれば,情報法学科またはこれと均等な科目コースの設置及び拡充が必須である。

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2018年10月16日 (火曜日)

ENISA: Annual Report on Trust Services Security Incidents 2017

下記のところで公表されている。

 ENISA publishes annual report on trust services security incidents 2017
 ENISA: October 8, 2018
 https://www.enisa.europa.eu/news/enisa-news/enisa-publishes-annual-report-on-trust-services-security-incidents-2017

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2018年9月23日 (日曜日)

中国:ホテルチェーンから大量の個人データを奪い恐喝したとの容疑で30歳の者が逮捕されたらしい

下記の記事が出ている。

 Chinese police arrest hacker who sold data of millions of hotel guests on the dark web
 ZDNet: September 20, 2018
 https://www.zdnet.com/article/chinese-police-arrest-hacker-who-sold-data-of-millions-of-hotel-guests-on-the-dark-web/

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2018年9月16日 (日曜日)

仮想通貨投資を名目とする単純な詐欺

下記の記事が出ている。

 Fake-cryptocurrency Ponzi scheme lands creator in prison
 ars technica: September 14, 2018
 https://arstechnica.com/tech-policy/2018/09/man-who-swindled-9m-in-wannabe-bitcoin-ponzi-scheme-headed-to-prison/

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2018年9月15日 (土曜日)

いわゆる仮想通貨のブームは終わりか?

下記の記事が出ている。

 Tech Tent: Has crypto-currency peaked?
 BBC: 14 September, 2018
 https://www.bbc.com/news/technology-45526365

 Cryptocurrency market cap shrinks to lowest level this year
 Mashable Asia: 12 September, 2018
 https://mashable.com/article/crypto-market-cap-lowest-2018/

[追記:2018年9月17日]

関連記事を追加する。

 Bitcoin Bloodbath: News From Goldman Sachs Is Behind Today's Plunging Cryptocurrency Prices
 Fortune: September 6, 2018
 http://fortune.com/2018/09/06/bitcoin-crash-goldman-sachs-cryptocurrencies/

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