2025年11月18日 (火曜日)

スパイに身も心も捧げる行為

下記の記事が出ている。

 企業からのデータ流出ルートは「ウェブブラウザでのコピペ」が最多
 GIGAZINE:2025年11月17日
 https://gigazine.net/news/20251117-browser-copy-paste-data-leak/

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GPTやAIエージェントは,「誰のためのものか?」をよく考えるべきだと思う。

無論,ユーザである個人や企業や官公庁のためのものではない。

それらのサービスを提供しているごく少数の独占的な企業が何でもかんでもデータ収集してしまうための手段に過ぎない。

そのようにして収集されるデータには,企業秘密やプライバシーの属性をもつデータだけではなく,国防や諜報活動と関連する属性をもつデータも含まれる。

無差別なデータ収集なので,当然,そうなる。

 

 

 

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2025年11月11日 (火曜日)

Whisper Leak

下記の記事が出ている。

 Whisper Leak: A novel side-channel attack on remote language models
 Microsoft: November 7, 2025
 https://www.microsoft.com/en-us/security/blog/2025/11/07/whisper-leak-a-novel-side-channel-cyberattack-on-remote-language-models/

 

 

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2025年11月 7日 (金曜日)

Suicaの脆弱性公表問題

報道されている内容しか知らず,実際に問題のツールを試しているわけではないので的外れになっているかもしれないが,あくまでも一般論としては,公表の意図及び態様次第では,不正アクセス行為を容易にする罪に該当し得る。また,同様にそれらの態様次第では,業務妨害罪の教唆行為及び幇助行為にも該当し得ると言い得る。

関係各当局は適正に検討を進めるべきだ。

 

 

 

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2025年10月31日 (金曜日)

脳の腐敗の伝染によるLLMのゾンビ化

世界に存在する情報の中で信頼性があり,使用に耐える情報はごく少数だ。もともと、大半の情報は内容が虚偽であるか無意味なものなので,学習の対象にならない。

人材という面でも,真に能力のある人材はごくごく稀にしか存在せず,大半は意味のあるレベルの創作力を最初からもっていないので何も創作しない。それゆえ,真に意味のある著作物も少ない。

そういう状況の下において,GPTはどんどん新たな偽情報をつくり出し続けており,そのような新たな偽情報も自動的に学習するので,LLMは,必然的に(自滅的に)劣化を深めていくことになる。

このことは,だいぶ前から各方面で述べていることだ。

こういうことを述べるのは私だけかと思っていたら,そうでもないらしく,下記の記事が出ていた。

 AIの「脳」にも“腐敗”が起きる:研究結果
 Wired:2025.10.28
 https://wired.jp/article/ai-models-social-media-cognitive-decline-study/

この記事には,当たり前のことしか書かれていない。AIではなく人間であっても,優れた人と交際していると自然に自分の能力も向上するが,その逆の場合には逆になる。

それゆえ,LLMの全体としての劣化は今後も続くことになるだろう。しかも,他の研究機関や企業が苦労して開発したモデルを平気でパクるところが多数存在しているので,そのパクりの際にも「腐敗」がそのまま感染する。

私は,授業の中で,そのような劣化のことをゾンビ化と呼んでいる。AIの世界は,バイオハザード化するのだ。

軍用品における弾道計算のように,文字通りのフィードバックと補正処理の連続というような場合などを除き,LLMに未来はないので,(軍用AIと関連する投資の場合を除き)全ての投資を諦めるべきだろうと思う。

 

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2025年10月29日 (水曜日)

新手のスマートグラス

下記の記事が出ている。

 努力してまで使うスマートグラスは無意味。Inmo Air 3が示した現実
 GIZMODE Japan:2025.10.29
 https://www.gizmodo.jp/2025/10/inmo-air-3-smartglasses-review.html

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人間はコンピュータの部品ではない。

無理にコンピュータの部品のように扱うと,単に視覚障害が生ずるというだけではなく,場合によっては精神に異常をきたす。

スマートグラスでは,そのリスクが特に高いと考えられる。

日本国の厚生労働当局は,スマートグラスの使用を強制した結果生ずる労働者の精神衛生上の災害の発生を適切に予測し,それを踏まえて,必要な勉強を事前に尽くし,労災の認定だけではなく,そのような非人間的な労働を強いる使用者に対する懲罰を含め,迅速な法的対応ができるように準備万端にしておくべきだ。

 

 

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2025年10月25日 (土曜日)

DACS:AIの時代における透明性,公正性及びクリエーターの権利の尊重に関する共同声明

下記のとおり,共同声明が出ている。

 Our joint statement calling for transparency, fairness and respect for creators’ rights in the age of AI
 DACS:Posted on 16/10/2025
 https://www.dacs.org.uk/news-events/joint-statement-on-creators-rights-in-age-of-ai

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私は,基本的に賛成だ。

世界各国の著作権法制に完全に精通していないAI関連企業の経営者及びAI関連組織の代表者は,特に米国流のフェアユースしか知らない者は,ちゃんと勉強すべきだ。それらの人々は,自分のことを非常に優秀だと宣伝しているので,1週間もあれば世界中の全ての著作権制度に精通することなど簡単にできることだろう。

しかし,現実にはそのような経営者などいるはずがない。

そこで,各国とも,例えば,当該企業や研究組織の前年度における全世界の総売上高を上限とする行政上の制裁金制度を早急に導入すべきだと考える。
そのような制裁金による国庫収入は,零細であるために訴訟を起こすこともできないクリエータに分配すればよい。

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基本は簡単だ。

人間がやってはいけないことは,AIシステムが自動実行することも許されない。

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学習することそれ自体は,一般的には,各人の自由かもしれない。

しかし,企業秘密のようなアクセスが禁止されている知的財産権にアクセスすることは禁止なのでそもそもそれを学習することが許されない。

また,人間による学習の場合,脳内の記憶能力に限界があるので,著作権侵害の程度・範囲にも自ずと制限が称する。ところが,理論上では無限に記憶領域を拡大できるコンピュータシステムでは,たった1人のAI企業の経営者によって世界中の著作物がシステム内に格納され,潜在的に著作権侵害の状態でスタンバイするという状態が発生する。

つまり,AIによる知的財産権の侵害による潜在的な影響度は,個々の人間による場合とは全く比較にならないほど大きなものであり,いわば全人類を死滅させる文化的な生物化学兵器のようなものだと言える。

立法者は,そのことを正確かつ冷静に理解し,この問題に対応するため,適切に立法すべきだ。

 

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教育分野における生成AI応用から生ずる謎

教育分野において生成AIを導入するという動きが盛んになっているようだ。

しかし,そのような技術によって金設けをしようとするDX事業者の欲望が本質を見誤らせている。

例えば,教員用に開発されたシステムが自動的に学習して生成した様々なモデルは,たぶん,受験生や学生の自習用に開発されたGPTシステムに反映されることになる。

そのような場合,自習用のGPTシステムは,教員が予定している指導内容や予定している成績評価の内容を既に知っている可能性があり,あるいは,非常に効率的に予測してしまう可能性がある。

極論すると,専ら学校における定期試験の際に悪用されるためにのみ学生向けのシステムが存在するようになるということがあり得るのだが,そのような学生の行動は,無論,定期試験の公正かつ公平かつ適正な実施を妨げる危険性のある業務妨害罪を構成する行為なので,そのような犯罪行為に使用されるためのシステムを提供している事業者等も幇助犯または共謀共同正犯として,所定の刑に服するべきことになる。加えて,そのようなシステムを販売または提供するための営業活動は,業務妨害罪の教唆犯を構成することがあり得る。

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一般に,教育(education)と訓練(training)の違いを理解する能力を欠いている者にとっては私が何を言っているのか全く理解できないだろうし,たぶん,そのようなシステムを開発しているエンジニアの中でその違いを認識・理解できている者は皆無または僅少だろうと思われる。

しかし,教育と訓練とは異なるものだ。学校教育と職業訓練も異なるものだ。
学校教育の中でも大学院等における学術研究の指導は,一般的な学校教育とは相当に異なるものだが,職業訓練ではないという意味ではやはり訓練ではない。ただし,学術研究の本質を知らず,学術研究の能力がない教員が指導教員であるときは,どのように指導してよいかわからず,機械的な訓練だけ実施して大学院教育を適正に実施したことにしているというような場合が全くないとは言えない。

訓練する能力しかないために教育と訓練とを区別できない者を標準的だと考えるべきではない。

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また,現在の世界に存在している知識の内容のかなりの部分は間違いなので,そのようなものを学習させた生成AIシステムを基盤として教育用システムを構築しても,間違いかどうかを判断しようとする意欲さえ生じない「脳味噌からっぽ」な若者を大量生産するだけで終わることになるだろう。

要するに,世界の中で,正しい知識は完備しているどころかほとんどないので「誰でもみんな無知」という当たり前のことを理解すべきだ・・・と言い続けても,理解しようとしない自信過剰過ぎるエンジニアが多すぎる。彼らは,そんなに遠くない将来,当該金儲けを企んでいる企業経営者にとっては用済みのものになってしまって解雇されてしまうことだろうが,そのときになるまで自分の愚かさに気づくことはないのだろう。

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かつて,アルビン・トフラーが予測したとおり,情報技術の発展によって世界全体が加速化しているのであり,エンジニアの陳腐化があっという間にやってくる時代となってしまった。

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このように私が主張しても,金儲けの欲望を遮ることなどできないので,そのような金儲けの欲望に支配された亡者達によって人類社会は滅ぼされることになる。

人類社会が亡び,社会の中の秩序がなくなると,単純に暴力が支配するようになる。そして,そのような社会にしてしまった金儲けの亡者らは,例外なく,復讐のための暴力によってなぶり殺しにされることだろうと予測される。

このことは,これまでも何度も述べてきたことだ。

 AIは教育現場を良い方向に向かわせるか?
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2024/08/post-11fc42.html

 

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2025年10月23日 (木曜日)

人間とAIとの結婚

下記の記事が出ている。

 「人間とAIの結婚」が違法に? オハイオ州で禁止法案が提出
 GIZMODE:2025年10月23日
 https://www.gizmodo.jp/2025/10/ohio-lawmaker-wants-to-ban-marriage-between-humans-and-ai.html

ロビン・ウィリアムズ主演の映画『アンドリューNDR114』(1999年)を思い出した。

なお,この問題に関しては,既にブログ記事を書いている。

 ロボットとの婚姻を認める法制は必要か?
 Cyberlawブログ:2015年8月10日 (月曜日)
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/post-ab76.html

 

 

 

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2025年10月22日 (水曜日)

SharePointの脆弱性

下記の記事が出ている。

 核兵器工場にハッカーが侵入、SharePointの脆弱性を利用
 GIGAZINE: 2025年10月22日
 https://gigazine.net/news/20251022-microsoft-sharepoint-vulnerability-nuclear-plant/

 

 

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2025年10月 5日 (日曜日)

法と情報雑誌69号(第1分冊)

法と情報雑誌69号(第1分冊)を作成し,Web上で公表した。

 法と情報雑誌69号(第1分冊)
 http://cyberlaw.la.coocan.jp/Documents/LawandInformationMag_No69A.pdf

この号には「規則(EU) 2023/2854(データ法) [参考訳] 」が含まれている。

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