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2025年9月19日 (金曜日)

忘れられる権利は忘れられているのか?

生成AIのための学習のために膨大な量の個人データが収集され,学習され続けている。

学習されてしまった個人データに対して忘れられる権利を行使することは,技術的には可能と思われるが,当該学習によって生成されたモデル及び派生モデル全部が崩壊してしまうことが明らかだ。
それゆえ,当該学習を実行している企業等は,忘れられる権利の行使を認めないということになるだろう。

そのような場合,EUの裁判管轄権が及び得る範囲内においては,GDPRに基づく制裁が可能となる。

その制裁を逃れるためには,当該収集・学習した個人データ,当該学習によって生成されたモデル及び派生モデルの全てを完全に消去しなければならない。
また,GDPRに基づく制裁の他に,GDPRにおけるデータ主体に対する民法(不法行為法)に基づく損害賠償責任が発生し続けることになる。

簡単に言えば,個人データを処理対象とするAIシステムは,そのシステムが完全に破壊される日まで日々新たに法益侵害し続けるシステムであり得る。

だから,個人データを処理対象とするAI及び関連ビジネスは,非常にリスキーなのだ。

 

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