なぜ独裁化がとまらないのか
普通であれば暗殺されるか暴動が起きるか,あるいは,警察・検察が正常に機能するかいずれかであるはずなのにそうならず,独裁化が進んでいる。国軍や警察の私兵化も進行中。要するに,皇帝になろうとしている。
どうしてそうなったのか?
最初は資本家として競争しようとしたかもしれないが失敗した。それは,ビジネスモデルそれ自体が古過ぎるということだけではなく,もともと本人が無能だったということにも起因している。
その一方で,通常の資本の原理に基づき,スーパービリオネアが多数誕生した。能力と資金と人脈と機会のない者は,無論,スーパービリオネアになることができない。
世界規模のIT企業またはICT企業のCEOでなければ,いくら悔しがっても,スーパービリオネアを超えることができない。
そのような状況の下においては,スーパービリオネアを潰し,その財産を奪い,自分が最もリッチな資本家であるとい自己満足を得るために,ありとあらゆる方法をつかって国家権力を握り,独裁者として全ての国民の財産を一方的に奪うということを試みる者が出てくることは当然のことだと考えられる。
また,独裁者自身だけではなその支持者も自分がスーパービリオネアにはなれないことを理解しており,そのことを憎んでいるので,独裁者を支援し,スーパービリオネアを抹殺することを願望するようになる。つまり,スーパービリオネアが存在し,威張るようになったことが現在のような状況を生み出したと言える。
EUの関連法令のように「法の支配」の下で独占的利益を過度に蓄積している超大企業に対して対処しようという考えは,独裁者自身が武力を用いて現在のスーパービリオネアから財産を奪い,自分自身を最もリッチな者にしたいと考えている状況の下においては優勢にならない。その意味では,スーパービリオネアが誕生した社会構造それ自体の中に内在的腐敗要因が存在するとも言い得る。
そのような者が国民から奪った財産が国庫に入れられているとしても,そのような者が支配する国の国庫は独立性のある国有財産ではなく独裁者の個人財産(私有財産)なので,好きなように使うことができる。
一般に,国庫の独立性は,担当する大臣や組織を(解任や辞任要求によって)破壊してしまえば,容易に破壊できる。
しかし,そのような国の未来は,崩壊と破滅のみとなる。
現在の世界の資本システムは,これまで非常にうまく機能してきたし,中国やロシアも現在の資本システムなしには機能しなくなってしまっている。
それゆえ,現在の資本システムの根幹を破壊して独裁を実現しても,長続きすることはないので,結局,西ローマ帝国が滅んだ後の長期にわたる暗黒時代と同じような時代が世界規模でやってくることになるのかもしれない。
このことは,政治学上の分類はともかくとして,類似の資本システムなしには成立しなくなってしまっているロシアでも中国でも同じ。
単なる数値またはデータに過ぎず実体経済の裏付けをもたない株や債券,仮想通貨,預金等は,その効力を力のあるものとして実現するための市場が存在しなくなってしまった社会ではゼロになるので,自由市場を基礎とする資本主義とは根本から矛盾している独裁制が誕生すれば,全ての者の全ての資産が無意味化し,全ての者が放浪者となって殺し合うようになる。
このことは,市場運営システムを模倣しているロシアでも中国でも同じ。
市場がなくなると食品や燃料等の流通もなくなるので,人口の大部分餓死によって消滅することにもなるだろう。
良くても悪くても,現在の人々は現在の市場システムと流通システムなしには生存できない。
このことは,ロシアでも中国でも同じ。
ローマ時代に皇帝に迎合した貴族達が結局どうなったのかを知れば,現代の独裁者のとりまきが非常に近い将来どうなるかを知ることができる。
ヒトラーとSSをその前例の一つとして理解することは可能だろうし,ロベスピエールとその支持者達のことを知ることも有用かもしれない。
この点に関し,第二次世界大戦終結前の大日本帝国が敗北に至った歴史は,世界史の中ではあまりに突飛で異質な存在だったので,何の参考にもならない。
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米国の裁判所,連邦軍,連保警察,州軍,州警察は,米国の憲法と関連法令によって大統領が私物化できないような仕組みが構築されているのだが,たぶん,連邦議会の議員にはそのことを理解し,適切に法を運用することができなくなってしまっているのだろうと想像される。
このままでいくと,大統領令によって大統領選挙が廃止され,死ぬまで大統領というような事態が発生し得る。
無論,暗殺や暴動のリスクが高まるので,裁判所,軍及び警察の私物化が今後ますますもって強化されることになるだろう。
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