機密がなくなる世界?
最近のAIの機能の強化+データ処理能力の増大により,デスクトップ画面の様子を把握し,ユーザの行動を推論してしまう機能が普及し始めている。
私の経験によると,その機能の使用を停止に設定しても全く無視されるので,明らかに各国の個人データ保護法(特にGDPR)に違反している。
しかし,誰も批判しない。その原因は不明だが,現在の情報法やサイバー法の研究者やその分野を専門とする弁護士の多くが馬鹿であるか大企業の腰巾着であるかのどちらかになっているのかもしれない。
そのようなAI機能をフル稼働させている大企業の中には,例えば,中国人のエンジニアがいっぱい勤務しているのが普通なので,自動的に収集されたデスクトップ上の要素情報は,その情報のほぼ全部がリアルタイムで中華人民共和国のサイバー軍または諜報当局に流れているとしても全く不思議ではない。
そのようになってしまっている結果,人々のプライバシーは,もうない。
近い将来,例えば,特定の誰かと秘密で合おうとしようとしていると,AIシステムは,「既に学習済のプロファイルによれば,そのお相手の方は***が大好きだから,あなたが一緒に食事しようとしている店ではなく,***という店の方がうまくいきますよ」と勝手にアドバイスしてくるような時代がやってくることになるだろう。
つまり,このような仕組みは,仕組みそれ自体がほぼ全面的に違法なものなのだ。
単なる個人だけではなく,例えば,目下ホットになっている参院選においても,競争相手の政党の行動に関するプロファイルを勝手に生成し,押し売り的にアドバイスしてくるAIボットが既に存在しているかもしれない。情報をもらうことに喜ぶことはできるけれどもどうしてそのような情報が収集されるのか,同じメカニズムによって自分達の陣営の情報も収集されプロファイルされているのではないかというような疑問をもたない政党は,簡単に言えば無能だと言える。
それだけではなく,知的財産権,特に,営業秘密,非公開特許,非公開著作物は,機密性が喪失しており,機密のものとして保護されない状態となっている。そのことを指摘できない知的財産法学者は,馬鹿だと認定するしかない。
同様に,軍の機密情報や公安当局の機密情報を含め,国家の機密情報が機密のものとして保護されない状態となっている。そのような状態を放置していることは,国家機密の保護と関連する各法令の違反行為となるので,その関係者を処罰する必要があるかもしれない。
もっとも,そのような仕組みは通信回線というリソースを大規模に消費する。
ところが,通信回線というリソースはそんなに簡単に増加させられないので,アッという間に輻輳の問題が発生し,AIを使用するとトラブルと通信途絶しか発生しないという状況に陥る可能性はかなり高い。
一般に,もともとAI企業は,巨額の税金と企業資金を投入して構築され続けてきた社会インフラの利益を盗み取ることによって成立しているので,倫理も法秩序もない単なる海賊の一種に過ぎない。
そのことを知らないで海賊の手下として雇われ,AIの導入が進むと「24時間働くAIを導入するので,人間は要らない」といってゴミクズのように捨てられてしまう現代の若者が可哀そうだ。
労働基準当局は,(その対象企業が名うての悪徳企業として著名な企業である場合には特に)決然たる態度で臨むべきだ。
***
勤務先である明治大学法学部の関連科目では,そのようになってしまう歴史上・社会上・政治上・経済上の基本的メカニズムに関しても教えてきた。ただし,理解できた学生がどれだけいるのかはわからない。
その明治大学法学部を2026年3月をもって定年退職するので,若い人たちに対してのようなことなどを教える機会もなくなり,単なる「爺さん」になる。
| 固定リンク

コメント