イタリア:個人データ保護当局が個人データ保護に違反しているとしてOpenAIに対して制裁金
下記の記事が出ている。
Italy’s Data Protection Watchdog Issues €15m Fine to OpenAI Over ChatGPT Probe
infosecurity: 20 December, 2024
https://www.infosecurity-magazine.com/news/italy-15m-fine-to-openai-chatgpt/
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様々なデータを無差別に収集して「学習」のために使用している生成AIシステムの場合,GDPRに定めている個人データの本人(データ主体)に対して事前に説明した上での任意の同意なしに個人データを大量収集し,かつ,収集したデータを個人データの本人(データ主体)の同意なく本来の目的とは別の目的のために利用していることになるので,ほぼ常に違法行為となる。
優れたAIシステムであることを自認するシステムは,データの自動収集の時点において,個人データを含むデータや(著作権などの)第三者の権利のあるデータを自動的に収集除外する処理を実行できてもよさそうなものなのだが,そのようなシステムがあるということを聞いたことがないので,ほぼ全ての場合に「人工無能」であるのに「人工知能」であるとして出資や投資を煽るスキームの一種に過ぎないのではないかと疑いたくなる。このような疑いを払拭するためには,関連する全てのシステムにおいて,個人データを含むデータや(著作権などの)第三者の権利のあるデータ等の違法問題が生じるリスクのあるデータを自動的に識別して収集除外する処理を完全に実行し,問題の発生を防止してみせるべきだと考える。
なお,ある国においては適法な行為であるとしても他の国では適法行為なのかどうかを調べていないのが普通だと思われるが,法情報調査の能力のない企業等は,グローバルなサービス提供を前提にするシステム開発をすべきではない。その事業部門を可及的速やかに終了させ,既に収集した全てのデータを破棄すべきだろう。
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