Europol: AI and policing
EUのAI法の中には警察関係の適用除外条項が多数あり,その中には生体要素を用いた識別等と関係する条項も含まれている。
一般に,AIというと機械装置やソフトウェアと関連するものとしてのみ理解されることが少なくないが,生物のような有機体を包摂するサイバネティクスの中で理解しようとしないと全体像の把握を誤る。EUのAI法は,自覚的な認識の有無は不明とはいえ,客観的にはサイバネティクス法の形成の最初の段階に位置する法令のように見える。
それはさておき,EU及びその構成国(Member States)における警察活動の中でAIが実際にはどのように利用されることになるのか,そのような利用に伴う弊害を防止するための安全確保(safeguards)は何なのか,AI法に定める警察関連条項が実際にはどのように実装・運用されることになるのかについては,これまで詳細な資料が公開されていなかった。
先月下旬のことになるが,Europolが『AI and policing』を公表した。非常に参考になる。
AI and policing - The benefits and challenges of artificial intelligence for law enforcement
https://www.europol.europa.eu/publication-events/main-reports/ai-and-policing
この文書と関係する論説等が出ていないか調べていたところ,丸山満彦氏のブログにその紹介記事が出ていた。いつもながらに,速い!
欧州 EUROPOL AIと警察業務 - 法執行機関における人工知能の利点と課題
まるちゃんの情報セキュリティ気まぐれ日記:2024.09.24
http://maruyama-mitsuhiko.cocolog-nifty.com/security/2024/09/post-2b0e85.html
| 固定リンク
コメント