EU:サイバー連携法(Cyber Solidarity Act)の提案(2023/0109(COD))の審議状況
EUの関連サイトを全部調べてみたが,採択までにはまだ時間がかかりそうだ。
なお,日本国の某公的サイトに関連記事が存在するので,本日7:00AM現在で調べてみたところ,2023年4月に採択されたと明記されている。これは,完全な誤りである。
たぶん,当該某公的サイトの運営主体である某公的機関には,英文を正確に読む能力のある担当者,EUの基本条約に定めるEUの国家体制と権限分配を理解している担当者,EUの法情報データベースであるeur-lexを使いこなせる担当者及び正確に法解釈ができる担当者が全く所属していないということなのだろうと思う。
凡人の一員に過ぎないこの私でさえ一人で全部できることだというのに,世も末だ・・・
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一般論として,普通の日本人と同じ程度の英語能力があるけれども,EU法と関連する専門的な素養と法学分野の専門家としての豊富な法解釈経験をもたないようなタイプのITライターが書いた簡単な記事の場合,要するに素人が書いたものなので,誤解や錯覚や間違いがあっても仕方のないことだと思っている。もともとそういうものだと思っているので,そのような記事を強く批判したことはない。
しかし,税でまかなわれている国家予算から運営費用が支出されている公的機関が公表する記事等は,全く異なる。国民は,公的機関であるというだけでその公的機関が公表する記事等の内容を正しいものだと信ずる。
最初から内容の真偽を疑ってかかり,全部調べてみて,「これは全くダメなサイトだ」と判断し,自分の論文等の中で参照・引用することもしない禁忌として扱うようにうしている研究者は滅多にいない。
しかし,公的機関が公表している記事を正しいものだと信ずる者の中には素人のITライターも含まれるので,当該公的機関が公表している記事等の中に致命的な間違いが存在する場合,その間違いが更に増幅されることとなり得る。
そのあたりが一般国民とは全く異なるのだ。
他方において,生成AIは,(システムそれ自体も,当該システムの開発者も)当該専門分野に関してはもともと「ど素人」なので,内容の真偽とは無関係に,「単純多数決による多数者の見解が正しい」として学習する(鵜呑みする)危険性を多大に含んでいる。
それゆえ,上記のようにして素人ITライターによって増幅され拡散された(間違った内容の)情報を(統計処理の結果では,存在する情報源の個数としては多数になるので)「正しいもの」として自動処理し,どんどん学習し,その結果,どんどんバカになっていってしまう可能性が極めて高い。
一般に,生成AIシステムは,高度に専門的な分野に関して価値判断できる能力を全くもっていないし,(そのような価値判断の生体脳内のメカニズムの特殊性に起因して)今後ももつことはない。
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