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2023年12月 7日 (木曜日)

生成AIによって生ずる次の脅威は・・・?

たぶん,(既に多発しているかもしれないが)リバースエンジニアリングだろうと思う。

semanticsが重要でない分野では,生成AIによる推論が十分に成立可能だ。

 

[追記:2023年12月13日]

現在のところ,生成AIの開発主体等は,システムが自動学習した結果に基づいて生成された出力は,たとえ学習した内容と相似のものであっても新たに生成されたものなので剽窃にも知的財産権侵害にも該当しないと主張しているように見える。

この見解が正しいと仮定した場合,現時点でそのように主張している生成AIのシステムの自動的なリバースエンジニアリングと同価の「自動学習」によって,学習された生成AIシステムと相似し,まるで双子(gemini)のようなシステムが生成されたとしても,それは,新たに生成されたものであり,模倣でも剽窃でもないということになるだろう。今後も,ほとんど双子のような相似生成AIシステムがどんどん登場することになるだろうと思う。

そのようなことが全て適法であると仮定した場合,後から学習を始めるシステムのほうがより高度な内容の学習と実施的な意味でのリバースエンジニアリングを実現できてしまうことにもなりかねず,先行者の投資が(それが何兆円にも上る投資であっても)全て無駄になってしまうという結果をもたらすことになるだろう。

このことは,第五世代コンピュータの時代に既に経験済みのことだ。第五世代コンピュータの開発の過程で生まれた幾つかの素晴らしい技術(アルゴリズム)は,オープンソースとして扱われたので,日本国政府が投資した巨額の開発費は,日本企業を豊かにする前に外国企業等によって全て収穫されてしまった。

例えば,ニューロコンピュータの技術の基本的な考え方は,第五世代コンピュータの開発の中で次第に洗練化されたものであり,現在の生成AIの研究者の脳内から初めて生まれてきたものではない。

 

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