インクルージョン
理念それ自体としては,民主主義社会においては正しい。
しかし,(共産主義独裁国家を含め)独裁主義の国家では,基本的に反国家的な考え方になる。そうでなければ独裁制が成立しない。
ここまでは誰でも知っていることであり,知らない者は単純にバカだと言える。
さて,問題は,(民主主義体制の下にある)現実の社会における応用または適用だ。
少なくとも300本以上のEU法に属する法令を自力で全訳した経験のある者であれば何も説明を要しない。
最低限のレベルとしてその能力がない者は,少なくとも法学者としてはベースライン未満であると言える。法学の分野における素人はもともと法学に関しては無知なので,このレベル以上であることが求められない。
以下の論述は,少なくとも300本以上のEUの法令を自力で全訳した経験のない者を前提としている。
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EUの欧州委員会は極めて賢く,理念と現実との乖離を熟知しているし,実装・運用の難しさを完全に理解しているので,原理主義に走ることなく,常に現実的な対応を心掛けている。理念は理念であり,理念を実現するための現実的な対応を常に模索し続けている。素晴らしいとしか評価できない。
それゆえ,EUにおいては,例えば,初等教育におけるインクルージョン及びダイバーシティの実践と,高等教育におけるインクルージョン及びダイバーシティの実際とは,かなり異なる意味をもち,実際に全く異なる運用が実践されている。
それを無視した画一的な運営しかできない無思慮な為政者の州等においては既に多数の訴訟が提起されている。
単純な原理主義的なことしか理解できない者は,もともと遺伝子的な制約があるのだろうと推定される。遺伝子が決めていることなので,批判できない。
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以上のように書いてもほぼ何も変わらないかもしれない。
特に「地球上に存在するどの国においても実現不可能であり,もし実現すれば,教育制度それ自体を破壊するようなことになる」という当たり前のことを理解できる官僚と政治家(特に首相)が日本国においてはほとんどいないからだ。
そのような現状を踏まえた上で,私は,日本国内において,全ての裁判官が「労働基準法違反となる」または「労働契約法の趣旨に根本的に反する」と即座に判断することが明らかなような事柄を,現実に個々の教員に要求する「単純に無知な大学」が存在することを知っている。
所管する労働基準法の関連当局にとって,大活躍の機会が目の前に無数に存在している。
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一般に,労働基準法に違反する業務命令は違法である。
一般に,個人情報保護法に違反する業務命令は違法である。特に,要配慮個人情報の取扱いに(故意または過失による)誤りがある業務命令は違法である。
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