もし・・・
AI技術が発展し,人間の仕事を奪うようになってしまったら・・・という危惧は昔からあるもので,現在では普通に話題となるようになってきた。
しかし,大概の人々は,規模の効果というものをあまり考えていないかもしれない。
例えば,1億の人口をもつ国においてAI技術のために100名程度が失業しても,国家が転覆してしまうというこは考えられない。
これに対し,10億以上の人口をもつ国においてAI技術のために5億以上の人々が失業したとしたら,いかなるタイプの国家体制も維持困難となってしまうことだろう。
そのような事態が発生し得るかどうかは,想像の域を出ないが,そのような事態の発生もあり得るということを前提にした上で,全世界規模の文明の破綻と人類の消滅というものを想定するのが為政者の仕事というものだと思う。
産業革命期またはそれ以前の時代の発想だけを基礎として「少子化対策」を考えることは,為政者が行うべきことではない。
世界は,これまでの歴史上で存在した諸場面とは全く異なる(人類の存在を不要とする)状況の中に突入しつつある。当該状況下において「不要」な存在を「増加」させるための方策は,必ず失敗する。
経済学における「需要と供給」ではなく,生存それ自体における需要と供給の関係(=生態学上の収支)を考えなければならない。
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