ローファームはChatGPTをどのように評価しているか?
下記の記事が出ている。
One-in-five large law firms issue warnings over use of generative AI or ChatGPT, survey finds
Global Legal Post: 21 April, 2023
https://www.globallegalpost.com/news/one-in-five-large-law-firms-issue-warnings-over-use-of-generative-ai-or-chatgpt-survey-finds-420104522
この記事をどのように読むかは,人によって異なるだろう。
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典型的な大規模ローファームの経営者の立場にたって考えてみると,(弁護士といっても非常に優れた上澄み層と機械的事務処理をする能力しかない層とが存在しているため)機械的に処理できる事務処理部分を可能な限りAIの業務に移転し,不要になった弁護士を解雇してローファームとしての利益率を高めるという方向で経営判断するかもしれない。
事実,ロボットのほうが上手にやれそうな機械的業務が山ほどある。
しかし,もし本当に機械的業務をChatGPTのようなAIシステムが遂行可能だとしたら,クライアントの大部分が弁護士事務所に仕事を依頼することなく,クライアント自らがそのようなシステムを使用して機械的業務を処理してしまうことになるだろう。
同様のことは,法律業務以外のほぼ全ての事務処理について言える。
その結果,世界規模でお金がまわらなくなり,世情は不安定となる。
非常におおざっぱな一般論としては,社会生活上の不便が多いほうが経済全体としては良い状態をもたらすのだ。
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