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2022年11月23日 (水曜日)

大崎 巌:ロシア政治における「南クリルの問題」に関する研究-ロシアから見た「北方領土問題」-

博士学位請求論文だというので読んでみた。立命館大学のリポジトリで公開されている。

論文博士としての学位請求論文ではないが,この論文を提出したことにより,課程博士の学位を取得している。

内容は,要するに,「ロシアの正義」なるものはその場その場でのご都合主義によって変化してきた政治的イデオロギーの一種に過ぎないということを精密に論証するもの。

私自身の学問の自由・表現の自由に基づく第三者としての評価としては,「法哲学の意味における(ロシアの)正義は存在しない」及び「存在するのは個別の政治的イデオロギーだけである」という事実を証拠に基づいて論証しようとする労作であると評価する。

この論文作成時点では,長いスパンの中で短距離的な問題を位置付けてとらえているので,論文の内容に対する賛否は別として,それなりに努力して考察した結果をまとめたということを知ることができる。

この論者が最近でもそうなのかどうかは全く知らない。

なお,この論者は国際政治学を専攻している。法哲学ではない。この論者が古典ギリシア時代から現代に至るまでの法哲学としての「正義論」を完璧に知悉し,咀嚼・理解しているか否かは全く知らない。

 

 

 

 

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