侵略のために必要な兵員数
たとえ10万人増員したとしても,輸送部隊や間接部門の要員も大量に必要となるので,残った戦闘員の数を全ての拠点に分配すると,個々の拠点の守備兵の数がへたをすると数名程度ということになってしまうかもしれない。
これでは各個攻撃により撃破され,最終的には全ての拠点の全ての部隊が全滅してしまうレベルとなる。
仮に電撃作戦が成功していたとしたら,兵員を西に進める結果,既に侵略した土地の兵員数が希薄化するので,(占領地の住民等をガス室で全て抹殺でもしない限り)第二次世界大戦におけるナチスに対する抵抗運動のようなものが多発化し,補給線が消滅する結果,最終的には侵略軍全体が全滅していた可能性がある。
無論,本国の兵員も武器も糧食も燃料も希薄化するので,本国内の治安維持が難しくなってしまうかもしれない。
つまり,中期~長期の視点で考えた場合,「もともと絶対に不可能なことを実現可能だと信じた」という愚がそこにある。
一般に,現代においては,強力な軍をもつ国家の段階まで成長していない地域を強力な軍をもつ国家が一気に攻め,武力の優勢によって先住者を皆殺しにし,領土を奪ってしまうという古代戦のようなものが成功する素地は失われていると考えるべきだ。
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もしかすると,本気で「占領地の人々に歓迎されるはずだ」と信じていたかもしれない。
しかし,もしそうであるとすれば,実は「世界中から徹底的に忌嫌われている」という事実を知らないという無知に基づく認識能力の著しい欠如がそこにあることになる。
このこともまた「他山の石」のようなものなので,自戒しなければならない。
私自身を含め,他の人々から心から歓迎される人は本当は極めて少ない。というよりも,滅多にいない。
これに対し,本音の部分では忌嫌われれている人は数えきれないほど多数いる。誰も口にはしないので,表面化しないだけのことだ。
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