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2022年8月26日 (金曜日)

ポーランド再び

かつて,ナチスとソヴィエトロシアとが盟友関係にあった当時,ナチスとソヴィエトロシアは,武力でポーランドを分割した。

現在のロシア政府は,ナチスとソヴィエトロシアとの合意に基づくポーランド分割の時点で領土が確定しているという論理を前提にして,「ポーランドの東半分はロシアの領土だ」と主張することになるかもしれない。

そして,ベラルーシとポーランドの国境地帯で軍事演習が実施された後,侵攻が開始されるという可能性は,NATO軍によって常に意識されてきた。もし実際にそうなった場合,NATO軍による防護を阻止するため,欧州各国の軍事基地等に対し,先制的にミサイルが打ち込まれる可能性は常にある。

また,ロシア兵の実質部分はウクライナにおける戦闘の結果として既に消滅しているので,実際にポーランド領土に侵攻する軍隊を構成するのはベラルーシと中国と北朝鮮の兵隊の混合軍になるかもしれない。

まだ兵士となっていないロシアの若者は,兵役を拒否し,戦地に赴かない。

結果的に傭兵中心の軍となるので不必要に国家予算が消耗し,ロシア国内の自律経済も完全に破綻することになるだろうが,それでも続けるかもしれない。そうしないと,ロシアの大統領とその取り巻きのグループ(だけ)によって国家の支配を奪い,国民から搾取し続けるという権力構造が物理的に破壊されることになるかもしれないからだ。

他方,このようなポーランド侵攻が現実に発生した場合,ウクライナに対する侵略戦争と同様,深刻な兵站の問題が生ずる。

このようなポーランド侵攻において,もし中国兵が重要な役割を果たすことになる場合,中国政府には(シベリア鉄道が維持されている限り)「潤沢に補給を維持できる」という自信があるのだろうと思う。ただし,シベリア鉄道は,長すぎて,全ての箇所を完全に防護できない。それゆえ,いつでも破綻するリスクをもっている。

ところで,仮に中国政府が中国兵だけに対して補給を実施するとした場合,予想としては,ロシア兵,ベラルーシ兵,北朝鮮兵等との間で軋轢が強まり,内部的な戦闘により自壊する可能性はある。

中国政府は,自壊を防止するため,中国の国内経済刺激政策予算を用いて必要な食糧等を世界中から買いあさり,中国国営企業を通じて戦地に送り,ロシア兵やベラルーシ兵にも潤沢に分配するということを考えるかもしれない。

その場合,世界中が飢餓に陥るかもしれないが,(「中華」なので)世界の人々がどうなろうと中国にとっては関係がないことだ。

それと同時に,中国は,(「中華」なので)本当は,「ロシアとウクライナに対してあまり関心がない」というのが真の本音であるかもしれない。それゆえ,外交上のリップサービス的な行動だけで終始するということもあり得る。

 

以上は,主観的な単なる空想の1つであり,客観的な根拠は何ひとつない。

 

 

 

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コメント

匿名希望さん

シベリア鉄道でキセルが存在するのかどうかは知りません。長大過ぎるので,管理業務が散漫となることが避けられず,そのことにより,むしろ逆に,キセルが発生しにくいのではないでしょうか?

無論,キセルとは全く別形態の無賃乗車が多数存在していることを当然の前提にしています。

細かいことは書けませんが,中国が輜重を維持しようとすれば,結局,シベリア鉄道によるしかないでしょうし,ロシア政府も,そうであるからこそ「管理可能」と踏んでいるのでしょう。

しかし,甘すぎますね。そのような傲慢があるからこそ,モンゴル族による支配を相当長期間にわたって甘受することになったのですよ。

投稿: 夏井高人 | 2022年8月26日 (金曜日) 21時19分

夏井高人様

こんにちは。
遠くからのびたレールを期待するのは理解できます。あとまた国内でも特急列車に乗りたくなる、場合によってはキセル乗車にトライするような人もいると聞きます。

ただキセルは何倍かの料金を払うハメになるらしいので、怖くて私はとてもやる気になりません(笑)。またシベリア鉄道であれなんであれ、そのレールが脱線したときは電車に乗っている乗客は悲惨なことになるでしょう。

そういえば以前にインフラについて書いておられたと記憶しています。正しく読んだかは自信がありません。ただ物理基盤とその運用とがまともでない鉄道は、レールとしてあるように見えて単なる、俗説で言うところのレミングの集団自殺に至る道でしかないという気がします。

「偽」インフラを利用したりや、将来のないバスに乗り遅れまいとして悲惨な目に遭うよりは、まだひとり徒歩で歩く方が良い面がいくらもあるとも思います(何に価値観を置くかの個人の選択によるのでしょうが・・・)。

投稿: 匿名希望 | 2022年8月26日 (金曜日) 11時18分

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