岡田清一『相馬氏の成立と発展』
先日,相馬市を訪問し,広文堂書店(福島県相馬市中村田町)で欲しいと思っていた書籍と資料を購入した。その際,たまたま下記の書籍を見つけ,購入した。
岡田清一
相馬氏の成立と発展
戎光祥出版(2015年10月20日)
ISBN-13 : 978-4864031813
ざっと読んでみた。わかりやすくまとめてある良書だと思う。
房総~北関東の遺跡や寺社を探訪していると相馬氏と関連する場所と遭遇することがしばしばある。その流れには諸流あるのだろうし,後代の系図作家が創作した偽物も混じっている可能性はあるし,僭称も当然に存在すると想定されるのだけれども,それらのことを考えた上でも,それぞれの地域における相馬氏系の名家が存在したことは疑いようがない。
それらの人々が具体的にはどのような人々だったのかについて,かなり強く興味をもっていた。
なにしろ,相馬氏は,古代から続く家系である可能性が極めて高い。
「相馬」という語それ自体も,明らかに,倭語ではないインド系またはペルシア系の古代語の変形物だと考えられる。
この書籍の内容は,伝統的な考え方をとりまとめるということに重点を置いてはいるが幾つかの仮説を提示している。普通だったら遠慮して書かないだろうと思われることも書いてある。大震災以降,現在の相馬市とその周辺地域が強いられている異常事態がそのように書かせたのだろうと思う。
一読の価値がある書籍として紹介する。
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