ウクライナ領土内の戦闘敗北によりロシアが喪失した国家資産の額はどれくらいになるのか?
下記の記事が出ている。ただし,ウクライナ政府による試算なので,その点を割り引いて評価する必要性がある。
Russia lost more than $10B worth of military equipment in Ukraine - Defense Ministry
ukrinform: 1 April, 2022
https://www.ukrinform.net/rubric-ato/3445725-russia-lost-more-than-10b-worth-of-military-equipment-in-ukraine-defense-ministry.html
一般に,軍の装備等の評価額が国家の資産(または含み資産)として計算に入れられることはあまりないのではないかと思うが,仮にそのようにして計算した場合,ロシアは,(相当厳格に絞って試算した場合であっても)既に回復不可能なレベルの国家財政破綻状態にあると考えられる。
他方,プーチンが個人として贅沢のために使用(または横領)している国家資産の額の推計に関しては,下記の記事が出ている。
要するに,プーチンは,ロシアの資産を食いつぶし,国庫という意味での国家としてのロシアを破綻させ,国民を疲弊させ,地獄へと導き続けていることになる。後世の歴史家は,「死神」という「諱号(忌名)」を贈ることになるかもしれない。
Vladimir Putin’s love of luxury, from designer watches to £650 lavatory brushes
The Times: April 1, 2022
https://www.thetimes.co.uk/article/vladimir-putins-love-of-luxury-from-designer-watches-to-650-lavatory-brushes-tdgkvzjdp
加えて,ロシアは,(北方領土を含め)国内各地で(恫喝のための)軍事演習を行っているが,その費用は馬鹿にならない。各地の基地から兵士や物資を移動するための費用も馬鹿にならない。それらの演習や移動のための費用の支出だけでも,国家財政の破綻に相当寄与していることになると推定されるので,演習を実行すればするほど,国家としての「死」に近づくことになる。
ちなみに,日本国の大学においては,中国やロシアと親和的な学者が少なくないため,戦争経済学または戦争経営学または輜重学または戦争財政学の専門家がほとんどいないというのが現実だ。
現実にそのような学術分野の能力を発揮できるのは,大学の研究者ではなく,企業内の特定の部門の者等に限られてしまう。
ただし,それらの者の仕事は研究者としての仕事ではないので,「新たな情勢分析に基づく新たな理論構築ができない欠点がある」という意味では,洗脳されてしまっているタイプの学者と何ら変わらない。それゆえ,新たな理論構築という場面においては,実際には使いものにならない。「単なる秀才」にはそのような仕事はできない。
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