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2022年3月 9日 (水曜日)

中世の攻城戦(兵糧攻め)

下記の記事が出ている。

 Zelensky on the chronology of war: Entire Ukraine has not been sleeping since then
 Ukrinform: 8 March, 2022
 https://www.ukrinform.net/rubric-ato/3424105-zelensky-on-the-chronology-of-war-entire-ukraine-has-not-been-sleeping-since-then.html

この記事は,ウクライナ大統領の認識内容を示すだけのものなのだが,それによれば,露軍の目的とは,都市を囲み,水や電気や物流等のインフラを破壊し,飢餓と寒さの中で人々が死滅してしまうのを待つものだという認識なのだと思う。露軍の兵站も危ないので,このままどちらの側にも補給がない場合,「どちらが先に餓死するか」という究極の闘いのような状況になっている。

仮に露軍が生き残ったとしても,ウクライナの都市は露軍によって焦土とされてしまっているので,かつてロシアに侵攻したナポレオン軍と同様,結果的にはやはり餓死して終わりになるだろうと思う。なにしろ,帰路のための燃料がないと推定される。要すに,露軍は,電撃戦+略奪戦としても既に失敗している。

プーチンの意図は,まさにそうしたものなのだと考えられる。すなわち,戦争の勝敗ではなく,自軍の兵士全員を犠牲にしてでも,「ウクライナの物理的抹殺」を目的として,何でもやるつもりだと想像される。

今回の侵攻において,もしウクライナを守ることができないければ,他の国々が順にそのような目に遭うことになる。つまり,抹殺される。

露の経済状態は既に危機的な状態にあるけれども,もし戦勝すれば,すり寄る国や企業が必ず出てくるので,そのような場合,露が復興するのは早い。

しかし,ウクライナ大統領は,断固として徹底抗戦の姿勢を示している。

それは,完全に包囲されているわけではなく,しかも,包囲している露軍の外側にもウクライナ軍が存在している結果,長期的に見れば両側から徐々に露軍を殲滅することが可能な状況となっているからだ。包囲戦は,短期間しかもたないというのが常識であり,日露戦争当時における奉天会戦においても,もし露軍に退却路を残しておかなければ別の結果があり得たと考えられる。

つまり,侵攻開始時点で約10万と推定される露軍の兵士は,生きて故国の土を踏むことができない。

だからこそ,狂気の指令により,やけくそになった露軍が限定的な核兵器や生物化学兵器を使用する可能性が高まっているとも言える。

ただし,露軍に正気が残っているのであれば,ロシア国内における反乱の開始ともなり得る。

 

[追記:2022年3月10日]

関連記事を追加する。

 ‘Pure genocide’: civilian targets in Mariupol ‘annihilated’ by Russian attacks
 Guardian: 9 March, 2022
 https://www.theguardian.com/world/2022/mar/09/pure-genocide-civilian-targets-in-mariupol-annihilated-by-russian-attacks

[追記:2022年3月11日]

関連記事を追加する。

 Arctic winds in Ukraine ‘will turn Russian vehicles into 40-tonne freezers’
 The Times: March 9, 2022
 https://www.thetimes.co.uk/article/arctic-winds-in-ukraine-will-turn-russian-vehicles-into-40-tonne-freezers-89nb557j8

[追記:2022年3月20日]

関連記事を追加する。

 Russia-Ukraine live updates: Russia pursuing 'strategy of attrition,' UK says
 ABC News: March 19, 2022
 https://abcnews.go.com/International/live-updates/russia-ukraine/?id=83390885

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