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2022年3月11日 (金曜日)

露資産家の財産差押えと関連する法律問題

下記の記事が出ている。

 Here’s what happens to Russian oligarch yachts after they’re seized
 CNBC:March 9, 2022
 https://www.cnbc.com/2022/03/09/russian-oligarch-yachts-this-is-what-happens-after-theyre-seized-.html

国際法的には説明可能だとしても,それだけでは国内手続を進めることができない。反対に,独裁国では何でもできてしまうので,法治主義を維持している国の方が独裁主義の国に対して一方的に不利になるという非対称性が存在している。

このような問題は,「戦時と平時が常に共存する状況」を念頭に置いて,適切な法制整備を極めて短時間で進め,敵対国の関係者が保有する資産に対しては遡及的に適用可能とすることで対処する必要がある。既に関連法制が整備されているとの認識をもつ国であっても,状況の変化を明確に念頭に置いた上で,根本部分から見直しが必要となっているかもしれない。

無論,このような見解に対して反対意見があるだろう。しかし,そのような大局観のない反対意見または利敵立場による反対意見(または,現実の結果を無視した単なる頭でっかちの観念論)は,独裁国を強烈に利する一方で自国を弱体化させることになる。そのような国際的な法的強制手段の関係において一方的に弱い状況下では,自国の企業は,競争上,常に弱い立場に置かれることになり,結局,独裁国の政府に対して隷従するしかなくなる。そのことは,自国の企業の隷従を通じて,自国の政府が独裁国に隷従するような結果を招くこととなり得る。

現在の国際関係は,そのような基本的なメカニズムの下にあるということが明確化されつつあるという過程の中にある。

 

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