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2022年3月17日 (木曜日)

露艦艇が津軽海峡を通過

下記の記事が出ている。

 ロシアの揚陸艦4隻、津軽海峡を通過…極東部隊をウクライナに輸送か
 読売新聞:2022年3月16日
 https://www.yomiuri.co.jp/politics/20220316-OYT1T50247/

なぜ陸路とシベリア鉄道を使用しないのか?

兵士の脱走を防止するためと考えることは不可能ではない。

積荷が兵士ではなく戦車やミサイルであるという可能性もあるが,そうであるとすれば脱走の防止を考える必要性がない。

それゆえ,兵士だけが積荷という可能性がある。

しかし,輸送艦により直接に積荷を届ける場合,トルコによる禁止を無視してボスポラス海峡を通過し,または,海戦を敢行してでも黒海に入るつもりだろうか?

スエズ運河を無事に通過できるとは思われない。アラビア湾から陸上経由の場合でも同じ。

これらのことを考えると,別の場所への上陸も想定しておいたほうが良いと考えられる。

それらいずれの場合でも,「Cannon fodder」の追加であることには変わりがない。

***

上記の報道の中では,極東からも兵員を集めなければならないことは,ウクライナに侵攻中の露軍が消耗していることを示唆しているとの見解を示している。そのとおりである可能性が高い。

ただし,上記の「Cannon fodder」の記事の中で引用している原記事を読めば理解できるとおり,意図的にモスクワから遠い地域に所在する兵隊を集め,「砲弾の餌(敵弾の的)」になって全滅してしまったとしてもモスクワ等の居住者の家族には影響がなく,露軍の劣勢が目立たないようにするということが最初から意図されていたということも言えるかもしれない。

このようなやり方は,帝政ロシア時代以来の伝統的なものであり,日露戦争の際にも同様のことが見られた。帝国陸軍が朝鮮半島~中国東北部を占拠していた露軍として実際に戦闘した相手の中には当時ロシア帝国の支配下にあった東欧諸国の兵隊が多数含まれていたと一般に理解されている。

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