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2022年3月30日 (水曜日)

捕虜虐待行為は国際法上では禁止行為だが現実には禁止できない

下記の記事が出ている。

 UN official concerned over videos showing apparent abuse of PoWs in Ukraine
 Guardian: 20 March, 2022
 https://www.theguardian.com/world/2022/mar/29/un-official-concerned-over-videos-showing-apparent-abuse-of-pows-in-ukraine

この人の発言は,もっともらしく聞こえるが,完全にバランスを失している。

「プーチンによる侵略戦争がなければこのような事態が発生する余地はなかった」という大局的見地をぼかすための発言だと推定される。ロシアの工作員ではないかと疑ってしまうような発言だ。

戦場における捕虜虐待を批判する前に,「プーチンに死を!」と叫ぶべきだったと考える。なお,ロシアには死刑がないことになっているので,ここでいう「死を!」とは,天罰または神罰が下ることを意味している。

理想論それ自体は,全く理解できないわけではないが,現実に戦争になれば殺し合いの日々なので,理想論を述べても意味がない。脱走を試みる捕虜または抵抗を試みる捕虜,あるいは,スパイ行為をするために意図的に捕虜となり,工作活動をしている工作員を射撃する行為は,一般に,正当防衛行為の一種であり,捕虜虐待行為に該当しない。露兵の場合,意図的に自分の足を射撃し,傷病兵として扱われるようにしている者もあると報道されている。

頭でっかちなだけの理想主義者は,社会にとって害悪でもある。理想は理想として,ぎりぎりの状況の下で生き残りたければ現実を見なければならないし,それができないのであれば,人の上に立ってはならない。

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そもそも,核兵器によって何万人もの人々を一瞬に消滅させてしまうような武器が無数に存在している時代に,古典的なタイプの戦闘行為中の「人道」を説くような前時代的なことをしても全く無意味なことだと考える。

「戦闘中であっても人道的に行動すること」。それは,尊敬に値することだ。ウクライナ軍は,可能な範囲内において,現実にそのように行動している。歴史に残る賞賛を与えられることになるだろう。

「どのような場合であっても人道を無視すること」。独裁者にとっては当たり前の日常だ。露軍は,どのような場合であっても,現実にそのように行動している。未来永劫,非難され続けることになるだろう。

露軍のやっていることは,全て,人間のやることではない。悪魔の所業だと言える。

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