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2022年3月11日 (金曜日)

露軍関連のかなり大規模な内部不正・横領が存在するのではないか?

毎日ウクライナの領土内における戦闘写真等を見ている。気がめいることが多い。しかし,そうなっていても何も解決しないし,自分自身の脳機能が劣化するだけなので,それらの悲惨さの証拠を手掛かりとして更に理論的な検討を進めるようにしている。

その間,理論と言うよりは単なる直観または感想の一種に過ぎないのだが気になる点が次々と発生する。

例えば,露の軍事予算の変遷を検討してみると,メドヴェージェフ(Medvedev)の時代のほうが軍事費が多く,その時代に軍の装備等の大規模な現代化が実施されたことになっている。しかし,現実には旧式の武器が使用されており,現代兵器と呼ばれているものに関しても公称の性能を発揮しているようには見えない。

あくまでも想像としては,露の軍関係の企業等とからんだかなり大規模な不正行為(詐欺・横領・背任)が存在しており,軍事予算の中の決して無視できない金額が使いこまれている結果,公称のような現代化が実際には行われていないということがあり得るのではないかと考えた。
例えば,最新型の防御を備えた戦車軍になっているはずなのに,見掛け倒しであり,旧式の防御のままの戦車軍というのが真実であり,防御向上のための軍事予算との差額分が誰かの大型豪華ヨットの建造資金になってしまったというようなことはあり得る。そのような場合,旧式の戦車軍は,実際には,「Cannon fodder」になってしまっていると言える。しかも,零下20度Cの気象条件の下では,走る冷凍庫となっている。
現代の露だけに限らず,第二次世界大戦終了前の大日本帝国軍においても(特に高額の予算を必要とする軍艦の建造と関連して)大規模な疑獄事件が存在した。それらの疑獄事件には特定の軍閥の軍人や関連財閥等が深く関係していると疑われたが,全て曖昧なままとされてしまった。

このことは,様々な意味で西側諸国においても深刻な検討材料を提供している。

同様のことは,現在の世界各国の軍にも存在するのではないかと想像される。例えば,軍予算という名目で私腹を肥やす政治家や軍人(+それらと関連する悪徳企業等)が存在し得る。特に,西側とは言っても実質的には独裁主義の国家ではそのようなことが発生し得る。それゆえ,そのような国の軍は,公称のレベルの戦闘力をもたないという極めて深刻な国防上の問題を抱えていることになる。
このような問題は,民主主義の国家よりも共産主義・社会主義の国家のほうが発生しやすいと一般的には考えることができるけれども,実質的にみた場合,国家体制の相違とは無関係の問題である。むしろ,不正行為(詐欺・横領・背任)を監視し禁圧する国家的仕組みが適正に機能しているかどうかが問題となる。

不正行為(詐欺・横領・背任)により私腹を肥やした者が蓄積した財産を世襲(相続)できる場合,独裁者を産む素地を醸成することになる。このことは,民主国家であっても,いつのまにか独裁が成立してしまうメカニズムの一部を組成している。
従来は,ワイマール憲法とナチスの台頭の関係のような事例で説明されることが多かった。
しかし,露の富裕層の存在が現在の独裁の培地そのものであることは疑いようがないので,今後は,露と富裕層の政治的・経済的関係を素材とした研究が行われるべきである。
それによって,共産主義や社会主義の国家であれば当然のこととして,民主主義の国家であっても,いつでも古代的な独裁主義が支配を確立し得るということを明確に認識し得る。

そして,それを避けるような国家的な仕組みを真剣に考えなければ,どの国家においても健全に資本主義を維持するなどできなくなる。

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民衆の集団心理という観点からの考察も必須だ。

大学の講義の中で受講者からその点と関連する質問があると,その分野の基礎教養として,訳本でも良いからエリック・フロムの著書を読むように勧めているのだが,どれだけの学生がアドバイスに従って読書しているかはわからない。

一般論として,基本的には,「読書すること」にも基礎的なトレーニング(訓練)が必要であり,幼少時から読書に親しむ環境にないと,読書する肉体的・精神的能力が醸成されない。その醸成にはかなり長い年月を要するけれども,大学生になってからでも決して遅くはないので,学生にはせめて在学中くらいは読書するように勧めている。

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