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2022年3月21日 (月曜日)

露のシリア傭兵

下記の記事が出ている。

 Some Syrian veterans ready for Ukraine fight, commanders say
 REUTERS: March 20, 2022
 https://www.reuters.com/world/some-syrian-veterans-ready-ukraine-fight-commanders-say-2022-03-20/

傭兵の報酬はロシア・ルーブルで支払われるのだろうか?

もしそうであるとすれば,ほぼ無価値な対価ということになる。対価が無価値であることを理解していないとすれば,かなり頭の悪い兵隊の集団であると評価することもできる。

他方,ルーブルが既に無価値であることがわかっておりながら,シリア大統領が「シリアの通貨で支払う」という前提で傭兵になっているということも想定可能な範囲内にある。この場合,シリア大統領が傭兵に対して支払った金額はロシア・ルーブルでロシアから費用償還されることになるのだろうが,やはり無価値な対価になるので,シリアの国庫が一方的にマイナスになるだけということになる。仮にそうだとして,なぜそうしなければならないのかに関し,幾つかの仮説をたてることが可能だ。

そのような仮説の1つとして,かなりうがった見方だとは思うが,実は,シリア軍の中でも処遇上もてあましている「不良兵士」を「Cannon fodder」として体よく始末してしまうために傭兵として派兵しているという想定は成立可能な範囲内にあると考えられる。

独裁者にとっては,兵士は「駒」の1つに過ぎない。人権など存在しない。

[追記:2022年4月2日]

関連記事を追加する。

 Syrian Mercenaries Deploy to Russia en Route to Ukrainian Battlefields
 New York times: March 31, 2022
 https://www.nytimes.com/2022/03/31/world/middleeast/syrian-mercenaries-ukraine-russia.html

[追記:2022年4月8日]

関連記事を追加する。

 Russia Is Recruiting Mercenaries and Syrians to Ukraine, Western Officials Say
 New York times: April 6, 2022
 https://www.nytimes.com/2022/04/06/us/politics/russia-military-ukraine-war.html

一般論として,欧州においては,傭兵の歴史は古い。そのような歴史の中で,傭兵部隊の元締めは,その元締めの商品である兵隊の損耗を防止するため,相手方の軍隊と取り引きして戦闘を行ったフリをしたり,雇い主に対して虚偽の報告をしたりすることがしばしばあった。

ただし,今回の侵略戦争の中で,露軍に編入されていることになっている傭兵がちゃんと働くかどうか,例えばWagner Groupのような傭兵の元締めが国庫から不当な利得を得るための不正行為(実際とは大幅に異なる虚偽報告等)をしていないかどうかは全く不明。

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