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2022年3月 8日 (火曜日)

日本のインターネットサービスプロバイダは大丈夫か?

ウクライナの記事の配信またはリンク設定に力を入れることは当然のことだと思う。

しかし,なぜか韓国系サイトの日本語記事をそのまま貼り付けているものが少なくなく,しかも,その内容としては,(無許諾の翻訳または複製のような)著作権法違反になるものや根拠不明の偽記事,あるいは,他の個人や会社のコンテントをあたかも自分の独自取材のものまたは独自執筆のものであるかの如く表示するパクリ行為のようなものが多数含まれている。

読者が気をつけて読むべきことは当然のことだが,それ以上に,プロバイダの担当者の質と能力と姿勢が厳しく問われる。更には,法務部の一員である社内弁護士や当該プロバイダと契約している外部弁護士等の能力・資質・姿勢が厳しく問われる。

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各プロバイダのトップページの画面上では,ニュース記事の欄が設けられていることが多い。

また,そのニュース記事の欄に掲載される記事の順序は,閲覧された回数順または連携するSNS上で閲覧された回数順で,自動化された処理によって自動的に決定される仕様となっていることがしばしばある。

情報工作の餌食そのものだ。

公平で有能な担当者を置き,人間の目で確認して順序を決定するようにすべきだ。

無論,その担当者自身が手先または工作員であることがあり得るし,思想傾向が極端に偏っている者,または,本当は無知・蒙昧な者であることがあり得る。そのような者の言動をチェックするために法務担当と人事担当の部署があるのであり,適正にチェックし,適正に人事管理をすることによって,最悪の事態を避けることは不可能なことではない。

なお,「人間による関与」を確保することは,個人データ保護の関係においても,人工知能技術の応用の関係においても,必須の基本原則の1つとなっている。

誤解のないように付言しておくと,自動化された処理それ自体を否定する趣旨ではない。しかし,自動化された処理は「衆愚」の行動の結果であることや意図的な情報操作(工作活動)の結果であることが十分にあり得ることを周知徹底し,その結果表示を「決して信用してはならない」旨を明示で警告しておかないと,製造物責任法を介して無過失責任に近い損害賠償責任の原因となり得ることは理解しておくべきだろうと思う。

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