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2021年11月12日 (金曜日)

The Pupils of Tartini

今日やるべきことをやり,疲れたので,寝る前にCDを聴くことにした。

「The pupils of Taltini」というタイトルのCD(CDS 723)で,現時点において,このCDにしか収録されていないのではないかと思われる珍しいAntonio NazariやIgnazio Gobbiのヴァイオリンソナタ等も収録されている。ただし,それらの楽曲それ自体は凡庸としか言いようがなく,楽曲それ自体に期待する向きにはお勧めできない。このCDに収録されている楽曲の中で,楽曲構成それ自体という点では,Pirtro Nardiniのソナタが一番しっかりしているかもしれない。ただし,それが魅力的な作品であるかどうかという点では,少なくとも万人受けのする曲ではないだろうと思う。

このCDに収録されているのは,Tartiniの弟子とされる音楽家達の作品。Tartiniの作品は収録されていない。珍しい曲が多いので,とにかく漏れなくまんべんなく勉強したいという人,または,可能な限り多くの楽曲を聴いてみたいという人には向いているCDかもしれない。

ところで,Tartiniは天才の一員であり,たぶん,もし現代に生まれていたら・・・と考えると,Fabio Biondiのような感じの人だったのではないかと想像することがある。

Biondiの演奏と,例えば,イ・ムジチの演奏とを聴き比べてみると,明らかにイ・ムジチの演奏のほうが聴きやすく落ち着きがある。イ・ムジチの演奏が安心して聴けるのは,演奏技術が完璧だということは当然の前提とした上で,たぶん,古き良きナポリ民謡のような歌い方をしているからだろうと思う。

スリリングまたはスタイリッシュという点ではBiondiは,まさに天才レベルだと思う。イ・ムジチとはまるで異なる別次元の音世界の中で生きている。

たぶん,(当時の普通の音楽家と比較した場合)Tartiniもそうだったのだろうと思う。ただし,その弟子達がそのことを認識できたかどうかは,全くわからない。

 

 

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