パゾリーニ『デカメロン』
その筋の専門家には悪いが,ずっと愚策として批判してきた。批判している私の方が批判されることの方が多かった。ほぼ全員パニックで脳神経が正常に機能していないので仕方のないことだと思い我慢し続けた。いまや,愚策を愚策と認めない国家指導者が存在しないような状態となっている。当然の帰結だと思う。最初から分かり切ったことなので,私はそのように主張し続けてきた。
その間,私は,そのようなドタバタがどこかで見た景色に似ていると思い続けていたのだが,残念ながら加齢による脳機能の劣化によりなかなか思い出せないでいた。
ちょっとしたきっかけで,やっと思い出した。
それは,パゾリーニ監督による映画『デカメロン』だった。
納得した。
なお,教養のない人には単なる性的描写の映画にしか見えないかもしれない。
そうではないということを理解することのできる人は,現代ではかなり希少になってしまっているのだろう。
一般に,本質と現象形態とは全く相反した様相を呈することがある。そのようになっているから統一性があるという状態が存在する。比喩的に言えば,物質と反物質とが共存することによって場が維持されているようなものだ。
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