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2021年8月24日 (火曜日)

NTT東日本は無力化されている?

約1か月ほど前のことだが,自宅で使用している電話回線の増強工事が行われた。この電話回線を使用し,インターネット接続と固定電話接続を行っている。

増強工事によるインターネット回線への接続が改善されたかというと,(通信速度及びパケット量等に関し)特に改善はなかったけれども,支障もなかった。つまり,従前と変わらなかった。

ところが,その後,家族が外から自宅の固定電話に電話をかけたところ,つながらないというので,電話機の故障かと思い別の新型の電話機に付け替えた。すると,その新型の電話機の自己診断機能が正常に作動し,「電話回線に問題があり接続できないので電話会社に問い合わせてください」という趣旨のメッセージが出た。私が利用している電話会社は,NTT東日本だ。

そこで,携帯電話で「113」に電話したところ,自動案内機能により,電話での受付けをしておらず,インターネット上の受付けだけしているので,ショートメールでURLを送信するという指示があったので,そのようにしたら,URLが送られてきた。そして,そのURLにアクセスしたところ,システムの改良工事等のため現在そのURLが存在しないとのエラーメッセージが出た。

そこで,仕方なく,NTT東日本のサイト内にある関連URLを全て調べ,関係ありそうなところにアクセスしたところ,どれもアクセスできなかった。

システム改良工事の結果が正確に画面表示されないようにするサイバー攻撃があったのか,あるいは,飽和攻撃のようなサイバー攻撃によりNTT東日本のサイトが機能停止しているのか・・・そこらへんのことは,なにしろ音声電話によって連絡可能な窓口が全部廃止されてしまっており,おそらく,担当者(人間)も存在しなくなってしまっているので連絡しようがなく,全くわからない。想像の域を出ない。

無論,監督官庁である総務省が事態を把握しているかどうかも一切知らない。仮に総務省内の知り合いに連絡したところで,どうなるものでもないことは最初からわかっているので,やらない。

そういうわけで,自宅の固定電話を使用できない状態となっている。

回線増強工事ではなく(固定電話利用者の同意のない)固定電話回線廃止工事だったのかもしれない。しかし,固定電話を設置していることを前提とした料金は,毎月,ちゃんと徴収されている。

このことをいったいどう考えたらよいのだろうか?

***

今回の件で反省点はある。

「NTT東日本及びその下請業者を信用していた」という点だ。

今後は,全ての事項について電話会社等への信頼(trust)を一切捨て去り,もし何か工事があるときはその様子を全て録画し,担当業者及び個々の担当者を完全に識別可能な状態のデータを保存し,そうすることによって,もし何か問題があったら当該担当業者の事業所に直接に出かけ,個別に交渉できるようにしようと思っている。

一般に,「信頼しないこと(no trust)」は,情報セキュリティの基本中の基本の1つだ。

[追記:2021年8月24日18時34分]

夕方になって,家族が,Webから電話故障相談窓口につながることを見つけてくれた。そのURLは,本日の午前にアクセスを試みたのと同じURLなのだけれども,本日の午前には「URLが存在しない」というエラーメッセージが出てアクセスできなかった。回復したのだろう。

そもそも,ホームページ上では,「Web上の受付をしていないので,113に電話するように」との指示があり,そのとおりに113に電話したら,「電話では受けつけていないので,ショートメールで送信するアドレスにアクセスするように」との趣旨のことを自動応答で指示されるという「たらいまわし」が行われており,日本国を代表する超大企業の業務遂行の態様としてはどうかと思うのだが,怒っても何も解決しないので,指示どおりにやり続けるしかない。

それにしてもこんなにも面倒でたらいまわし的な自動ヘルプデスクは余り例がないかもしれない。例えば,Amazonのようなサイトでは,何か問題があっても,AIまたはリアルなオペレータが文字チャットで即時対応してくれるので,とてもわかりやすい。しかし,NTT東日本にはそのようなシステムが存在しない。現状では全くユーザフレンドリまたはクライアントフレンドリではない・・・が,これまた怒っても何も解決しないので,とにかく指示されたとおりに従うしかない。

とはいえ,仕事で忙しいのでやっていられない。

私の代行として(回復していた113サイトで)家族に状況の入力をしてもらうことにした。

その結果がどうなるのかは,現在のところ全くわからない。

とはいえ,この間の電話料金が返金になることはないだろうし,(本当は購入する必要のなかった)新型の電話機を購入した支出等を弁償してもらう可能性も全くないだろうということだけは予測可能な範囲内にあると思っている。

私の人生のための残り時間があまり多くはないだろうと予想しているので,できるだけ面倒なことにはかかわりたくない。1秒でも無駄なことに使いたくない。それでなくても90歳になる母の介護等のために日々精神的に疲れているので,余計なことは全て忘れ,精神的ストレスなく研究に集中したい。

だから,普通なら激怒するかもしれないようなことでも一切怒らないようにしている。

心を空にして精神統一し,研究のための調査と思索のためにPCの前に座る。

 

[追記:2021年8月25日10時10分]

家族のスマホに対して,担当者から何らかの電話があったようだ。

しかし,家族のスマホは,NTTとは無関係のプロバイダと契約しているスマホだ。そのせいかどうか,着信音が鳴っても音声の応答ができないという状態になっている。

総務省及び経済産業省の重要な基本方針として,ポータビリティの推進が掲げられており,そのための具体的な施策がどんどん実行される時代となっている。しかし,このようなところにもポータビリティの障壁が存在するということに気づくことができ,大きな収穫の1つだと思っている。

ひと昔前であれば,(どの固定電話番号の設置場所と接続された回線に問題があるのかを既に特定して把握しているはずなので)管轄地区の支局長が業者と一緒に菓子折りをもって謝罪に訪問し,直ちに電気工事に入ったものなのだが,時代状況が全く異なるので,そのようなことになることは絶対にないだろう。もっとも,現在では大半の施設が無人化されており,人間が存在しないので,NTT東日本の社長が菓子折りを持参してお詫びに来るしかないような状態になっているのだろうと想像されるので,ますますもってそのようなことはあり得ないことになる。

仕方がないので,今日の仕事を諦め,私が全部やり直すしかないかと考え始めた。

とことんダメなサービス体系なのだと思う。

[追記:2021年8月25日11:30]

家族のスマホに着信があったら私の携帯電話に自動転送となるように設定したがまだ何の連絡もない。

ただし,これから母を病院に連れていなければならないので,自動車運転中モードに設定するしかなく,従って,しばらくの間は,着信があっても私が応答することは不可能となる。

要するに,人間が対応するヘルプデスクを完備していれば,このような問題は全て解決できたはずだ。

これを一般化すれると,経営合理化だけに目を奪われることなく,リスク分析と危機管理がしっかりしていないから,こういう結果を招くことになる。(銀行のシステムを含め)日本国の他の情報インフラや防衛システムも同様ではないことを心から祈る。

[追記:2021年8月25日13:00]

母が受診中,外の駐車場に停めたクルマの中で待っていたところ,連絡の電話が転送されてきた。私の携帯電話は,ドコモと契約しているガラケーなのだが,特に問題なく自動転送による通話ができた。

担当者の説明によると,リモートで調べたところ,断線しているとのことだ。帰宅してから直ちに私が購入した新型の電話機をつないで再確認したところ,自動診断機能により,同じく「断線している」との表示が出る。

しかし,物理的に全く同じケーブル(線路)につないである有線ルータは完全に正常に機能している。だからこそ,問題なくインターネット接続できているし,こうやってブログ記事を書くこともできる。インターネット接続に何も問題がないからこそ,これまで,固定電話が使えない状態になっていることに気づかなかったのだ。買い替え前に使っていた電話機には自動診断機能がなく,エラーメッセージが出ることもなかったので,それも原因の1つだと言える。

要するに,何らかの原因により,物理的にではなく,論理的に,固定電話回線が切断された状態にあるというは言える。

もっとも,NTTのリモート診断用ソフトウェアに何かバグがあれば話は別なのだが,自宅の電話機の自動診断機能によっても同じメッセージが出るので,NTTのリモート診断用ソフトウェアに何かバグがあるとは考えられない。

ありうる可能性としては,回線増強工事を実施した際に,関係業者が必要な電線を物理的に切断してしまったか,または,電柱上に付け替えられた新型の分配器のような装置が固定電話回線を受け付けない仕様のものであるか,もしくは,設置の際におけるその分配器のような装置の設定ミスがあったか,そのいずれかではないかと想像される。

ちなみに,担当者の連絡により,電話機を接続した状態にしておいてくれというのでそうしているのだが,回線の接続が確立されない状態で20分以上経過すると自動的にデモモードとなり,音声案内が無限に続くような仕組みとなっているため,うるさくて仕事にならない。とんでもない業務妨害の結果が発生している。

ちなみに,あくまでも一般論としては,故意によれなければ刑法上の業務妨害罪は成立しないが,業務上の過失により業務妨害の結果が生じた場合,不法行為(民法709条)に基づく損害賠償責任の原因となり得る。

[追記:2021年8月25日13:47]

担当者からの電話が私の携帯電話に自動転送されてきたので,応答した。

故障係担当のK氏の説明によれば,リモート診断の結果では,やはり断線しているということだった。しかし,物理的には全く断線していないので,こうやってインターネットに接続し,ブログ記事を書ける状態となっている。

状況を説明した上で,今後の対応に関する説明を聴いた。

明日,訪問して外の電話線等の状況を調べ,問題がなければ室内の状況を調べるということだった。もしコネクタの破損等があれば工事費を徴収するとのことだった。

しかし,電話機のケーブルのコネクタとの抜き差しはほどんどしていないし,これまで何も問題なく固定電話を使用できていたので,コネクタの物理的な破損はないと思う。とはいえ,経年劣化による破損はあり得ることなので,そのときは,約款に定める工事費等を支払うことになるだろう。ただし,法外に高額なので,監督官庁である総務省としては,もし真面目に総務省としての機能を果たしているというのであれば,この機に,修理費の設定が適正なものであると言えるのかどうか,徹底的に精査すべきだと思う。

もし外の電線等に問題があるときは,NTTの費用負担になるとのことだった。当然のことだと思う。しかし,利用者が気づいていなくても客観的に固定電話が接続できない状態にあったとしても弁償しないのが原則との説明だった。ちゃんと読んだことはないが,たぶん,約款にそのように書いてあるのだろう。しかし,もしそうであるとすれば,独占禁止法違反及び消費者契約法違反となり得る約款であることになるので,総務大臣は,徹底的に調べた上で,しかるべく強力な行政指導をすべきだと思う。この機に,総務省において,約款全部を1つ残らず徹底的に調べ直すことを推奨したい。

[追記:2021年8月26日9:30]

さきほどNTT東日本の担当者及び関連業者が到着して状況を確認した。

その結果,固定電話回線の電線が全部除去されてしまっていることが判明した。

目下,電線を復旧するための工事中。作業用専用車両を導入し,電柱のレベルで比較的大規模な工事が行われている。

あくまでも一般論としては,固定電話が1台も存在しなくなる日または固定電話サービスが完全に終了する日までの間は,回線工事等の際に,影響を受ける可能性のある回線利用者に対して固定電話の接続の有無を必ず確認するように内部マニュアル等を整備し,そのとおりに実施されるように関連事業者等の教育・訓練を徹底し,その結果を監督官庁である総務省に定期的に報告することを義務付けることが必要だと考える。このような義務付けは,電気通信事業法等の関連法令の法改正を必要とせず,総務省からの通達によって実施可能だ。

[追記:2021年8月26日10:25]

やっと工事が完了した。

担当者の説明によれば,NTT東日本側の原因による断線だったので,関連費用は全てNTT東日本の負担になるということだった。

せっかく買った新型の電話機に付け替え,これまで使ってきた電話機は捨てることにした。

なお,総務省は,「仕事をする気のない官庁」ではないと思っているので,今回の件を機に,NTT全社及び他の電話会社全部の約款と業務実態を徹底的に調べ,利用者が気づいていなくても客観的に使用不能だった期間の関連料金を全額自動的に返金する仕組みを必ず導入し,過去分についても,当該債権が消滅時効にかかっていない限り,自動的に返金されることを確保するように,可能な限り厳格な行政指導を徹底することを期待している。

総務省は「仕事をする気のない官庁」ではないので,きっとやってくれることだろう。

また,財務省及び会計検査院も,日本国の健全な財政運営(=日本国の財政上の利益の保護)の観点から,関連事業者等の料金体系及び約款の合理性について,徹底した調査を実施することが望まれる。

更に,電気通信事業者による役務提供と直結するものであるので,経済産業省もまた必要な調査を尽くし,しかるべく行政指導を行うべきだと考える。この点に関して参考になるEUの法令(電気通信法典)の全訳(参考訳)は,既にWeb公開してある。

[追記:2021年8月26日10:40]

私にも一部錯覚または記憶違いがあったので,記事内容を一部補正する。

現在,インターネット通信のためには光回線を使用している。その設置工事が行われたのは約20年ほど前のことだ。当時の工事の詳細は記憶していないし,忙しかったので工事に仔細に立ち会っていたわけでもないので記憶が曖昧だったけれども,室内のコンセント部分に光回線からの分配器のようなものが埋め込まれたものと思いこんでいた。だから,固定電話の通信も光回線経由のものだと錯覚していた。

しかし,それは錯覚であり,実際には,同じ配線用のパイプを通して,光回線用のケーブルと固定電話用のアナログ回線の電線の2本が共存して通っていたのだった。

今回の事故は,アナログ回線用の電線が物理的に除去されてしまったために起こった。

その除去は,電柱レベルから徹底的に除去するというものだったので,室内に残存しているアナログ回線用の電線と電柱との間に新規のケーブルを設置し直すという工事が実施されたようだ。

錯覚が解消されたので記事内容を修正したほうが妥当なのかもしれないが,歴史的な記録をそのまま残すという趣旨で,記事の訂正をしないことにした。

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