スクリャービン:交響曲第2番
エフゲニ・スヴェトラーノフ指揮・ロシア国立交響楽団の演奏によるスクリャービンの交響曲第2番(作品29)のCDを聴いた。
スヴェトラーノフの楽曲解釈によるものなのかもしれないが,何となくマーラーの交響曲を聴いているような錯覚に陥る部分が多々ある。ただし,第5楽章だけは別で,おそらく,スクリャービンが「俺はブラームスよりも優れている!」と己惚れながら書いた楽章なのではないかと思う。
初演は酷評の嵐だったという趣旨のことが解説に書いてあった。そうかもしれない。現在でも理解できる人はそう多くはないかもしれないと考えるからだ。
たぶん,スクリャービンが欲張り過ぎ,あまりにも多くの要素を同一の曲の中に詰め込んだ結果,このようなことになっているのだろうと想像する。
作曲技法の専門家ではないし音楽評論家でもない単なる一趣味人としての素人感想に過ぎないけれども,私は,ボロディンの香りがほんのりと漂う第3楽章がとても良いと感じた。この楽章は,この曲の中でも最も批判された部分なのかもしれないのだが,私の感性からすれば最も優れた楽章だと思う。
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