なぜそうなったのか?
様々な仮説が成立可能だ。
しかし,仮説に過ぎないし,検証の方法がない。
私なりの仮説もある。
それは,「錯覚」という仮説だ。
SNSのメッセージは,誰が受信者なのかがわからない状態で,とにかく読みたいと思う人がいれば読むだろうという期待の下に発信される。その程度のものだなのだ。
しかし,受信者の中にはそう思わない人がいるかもしれない。
例えば,(某国の大統領から)「直接にメッセージをもらえた」と錯覚してしまうようなタイプの人の存在があり得る。
一度そのような錯覚にとらわれてしまうと,狂信的とでも表現すべき支持者になってしまう。
だから,私は,学生に対し,「SNSなどやめてしまえ」と講義することがしばしばある。
私自身は,TwitterもFacebookもLINEもやっていないが,そのおかげで,(学術上の)非常に高い生産性を維持できていると自負している。
SNSの愛好者の多くは,パクリの名人になることはできても,クリエイティブな人間になることはできない。
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電子メールを用いた様々な詐欺行為やサイバー攻撃等においても同じような錯覚があり得る。
例えば,だいぶ前にナイジェリア詐欺が流行った頃のことだが,「ビルゲイツがあなたに対して特別の基金を提供する・・・」云々というメールが届いたことがある。
当時,私は,マイクロソフトのキャンパスを訪問したことはある。しかし,ビルゲイツ氏と会ったことはない。
しかし,当時,冷静に考えることのできない人々の中には,(このようなメールをもらって)飛び上がって喜んだ人がいたかもしれない。
誰が考えても詐欺行為の序盤なのだが・・・
自分中心にしかものごとを考えられない人に限って,そのような錯覚に陥りやすい。
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