大統領選挙
それぞれ三権(立法・行政・司法)と軍と警察組織をもつ多数の独立国(州)の連合体であるアメリカ合衆国の国家体制は,日本国の国家体制とは随分異なるものなので,単純な比較はできない。州は,日本国の都道府県とは全く異なるものだ。
ただし,そのことを正確に理解しようとすれば,各州の憲法及び関連法令をつぶさに調べ,加えて,それらの法令の解釈・運用を丁寧に調べ,正確に比較検討する必要性がある。1冊本の『アメリカ法』のような概説書を読んだくらいでは正確な理解を得ることはできない。概ね合計1000本くらいの関連法令を精読・理解すれば,おおよその見当をつけることが可能な状態となる。それゆえ,何も知識のない人には,理解できないことが多い。
選挙制度もその1つだ。SNS上では日本国の選挙制度と比較して劣っているかのような言動もみられるが,米国における州の独立性というものを全く理解していない言動であり,虚妄に近い。
次期大統領は,米国各州の州民が選択するものであり,そのことが民主主義の基本そのものなので,他国からとやかく言うべきではないし,私も意見を述べるつもりはない。
ただ,率直な感想として,今回の大統領選挙の開票作業等において不正は存在しなかったと考える。
投票について拡散されたうわさを検証
BBC日本語版:2020年11月6日
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-54835283
無論,些細なヒューマンエラーのようなものはあるだろう。神ではない人間のやることなので,一定程度の誤差は生じる。そのような誤差が当然に存在するということを大前提とした上で国家制度というものは構築され,運営されている。
各地区の選挙管理員会及び開票作業担当者は,極めて誠実に職務を遂行したと考える。敬意を表したい。
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