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2020年10月 3日 (土曜日)

電子識別規則 (EU) No 910/2014の参考訳をWeb公開

電子識別規則 (EU) No 910/2014の参考訳を法と情報雑誌2巻10号(2017年10月)に掲載して公表した。

ミスタイプや誤訳・訳漏れ等が残存している可能性があり,また,この参考訳を公表した後の研究の進展により,訳語の選択等を改めた部分もある。
しかし,2017年10月当時における検討段階を示す資料としての意味はあると考え,Web公開することにした。

 電子識別規則 (EU) No 910/2014
 http://cyberlaw.la.coocan.jp/Documents/EU_eIDAS.pdf

ただし,この参考訳の冒頭部分に明記してあるとおり,翻訳の大前提となる法解釈等は現時点におけるものであり,今後の研究の進展に伴い,将来,何らかの改訂が加えられる可能性がある。後に誤記や誤訳等が発見された場合も同様である。それゆえ,この参考訳を利用する場合には,各自の責任において行い,かつ,必ず原文にあたって検討することを要する。無思慮にコピーして利用した場合の責任は,全てその利用者自身にある。

また,このファイルの内容を引用する場合には,「Web公開版」の参考訳である旨を明記する必要がある。

加えて,原典の所在を示すURLは,2017年10月当時のものである。

この参考訳は,以上のような意味での制約のある専門家向けの参考資料の一種であり,確定訳でも公式訳でもない。

法律上の制限に関しては,著作権法及び関連法令が定めるところに従うものとする。

 

[余談]

参考訳の冒頭部分にも書いてあるとおり,eIDASの参考訳は,明治大学法学部の専門演習科目にける課題として,ゼミ生に対してeIDASの原文を提示し,私とゼミ生が同時に翻訳を進めながら,問題点を討議するというかたちで授業を進めた結果として生成されたものだ。無論,ゼミにおける討議の結果を反映して再考し,訳を修正した部分もあるが,全文について,私自身の訳文となっている。

大学法学部のゼミ生に対する課題としてはかなり難易度の高いものだったと推測するけれども,当該ゼミ生は課題に食いつき,立派な成績を修めて卒業し,現在では名誉ある職に就いて大いに活躍している。

私は,もうじき65歳になり,本来であれば引退して盆栽いじりでもしているべき年齢に達してしまった。

今後は,若い世代がEUや米国の新規立法を迅速に把握し,正確な理解に基づく訳文を速やかに作成できるようになってもらいたいものだと思っている。

一般に,外国法令の翻訳は,多種多様なジャンルの翻訳の中でも非常に難しい部類に入り,また,法学の中でもトップレベルで難易度の高い仕事に入る。

補助者がいればミスタイプチェック等に余計な時間をとられることもないと思われるけれども,単独で訳しているとどうしてもバグが発生し,その修正をする必要もある。

しかし,若い世代には,どんどん力をつけ,最も難易度の高い仕事に果敢にチャレンジしてもらいたいものだと常に思っている。

「安易な道を選ぶとじり貧になるしかない」ということは,これまでの人生の中で何度も苦渋を舐めた中で会得した教訓の1つとなっている。

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