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2019年7月15日 (月曜日)

蔵置

「蔵置」とは,墳墓の中に遺体を埋納することを意味する。

漢籍には存在せす,明治時代に墳墓発掘罪の構成要件を定める際につくられた人工的な造語であると考えられる。それゆえ,この語は,基本的に,墳墓発掘の文脈においてのみ使用されるのが正しい。

この語を用いるときは,(権威迎合的であるか否かの)姿勢と知能・知識・教養の有無が問われる。

公用文では,無自覚に慣例として用いられることがあるが,どの国の行政機関でもそうなので,公用文ではやむを得ないことがあり得る。

しかし,独立の精神を要求される「真の学者」であるか否かを問われるときは,全く別だと考えるべきである。

この語を安易に用いる者は,真の学者ではないし,日本語を正しく真摯に探究する者でもない。

 

[追記:2019年7月16日]

一般に,動詞の「store」の訳語として「蔵置」が用いられることがある。

そのような訳に反対であることは上記のとおりだが,学問の自由があるので,各人の判断で使用すれば良い。

ただし,一貫性を確保することは必須である。

例えば,動詞の「store」を「蔵置」と訳す場合,名詞の「storage」は,「骨蔵器」または「蔵器」でなければならない。「骨蔵器(蔵器)」とは,「骨壺」のことを意味する。

 

 

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