ゼミ生の論文が優秀賞
大学が経費を全額負担する交換留学生としてスウェーデンの大学に留学していたゼミ学生が所期の学業を修め,無事に帰国し,ゼミに復帰した後,卒業論文を書きたいというので指導していた。卒業論文は,義務ではないのだが,希望する学生には指導することにしている。
そうしている間に,その論文原稿を明治大学の法学会誌に投稿したいというので,その指導もした。テーマが非常に難易度の高いものであったため,正直に言えば「どこまでやれるだろうか・・・?」という心配はあったし,本人もかなり悩み,苦労しながらも,徹底的に調査し,考察して自分自身の論文を仕上げた。留学していた関係で9月卒業となり,変則ではあったけれども投稿資格はあるので,完成した論文を読んで検討した上で,法学会誌に投稿することを承認した。
先日の教授会において,この論文が優秀賞として選定され,法学会誌に掲載されることの承認の議決が行われた。
須藤美有
「金融機関の投資勧誘における説明義務と投資助言-MiFID IIとの比較法的観点から -」
この学生は,4月から某セキュリティ企業に就職することが決まっているけれども,学問への情熱はあるので,将来が楽しみだ。
私にしても丸橋透先生にしてもそうなのだが,社会において人一倍仕事をしながら学問のための時間をつくり,勉強を重ねるというタイプの人間にはそれなりの生き方というものがあり,学術の多様化のためには良いことではないかと思っている。
この学生が,学問への熱意を失わず,仕事を人一倍こなしながら,オンジョブでなければ得ることのできない利点を最大限活かしながら生きるための自分なりの生き方をみつけてもらいたいものだと願っている。
一般に,現代の社会は学歴や資格や肩書き等とは無関係に,その個人の実質的な能力が問われる方向へとどんどん移行している。
そのような時代環境の中に生き残れるか否かは,本人の努力によって良い方向へとベクトルを修正するための工夫を重ねるか否かによって大きく影響を受ける。
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