信義則
民法の基礎として習う事項の1つだ。
しかし,初歩的な概念ではなく,無数の事例を知り,人生の中で苦楽を味わい,それからやっとわかる概念だ。
だからこそ,基礎的な概念の1つであると言える。
「基礎的である」ということは「幼稚である」とか「初歩的である」という概念とは根本的に矛盾するものだ。それゆえ,どんな職業のいかなるプロでも,常に「基礎」を理解し,体得するための鍛錬を欠かすことがない。逆に「基礎」の重要性を感じ取ることのできない者は,どのような分野においても必ず破綻する。
「信義則」は,英語の表現で「good faith」という法概念と同じまたは近いと理解されている。たぶんそうだろうと思う。
日本国において,明治維新の頃にそのような概念が輸入された際,日本国には武士道があった。だから,比較的容易に導入できたのではないかと思う。
そうではない文化をもつ領域では,そもそも全く理解されないかもしれない。
「風土」に関する和辻哲郎の見解は,細部の例証の部分はさておき,基本的には正しい。
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