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2019年1月27日 (日曜日)

季刊考古学146号:特集火山災害考古学の展開

昨日,三省堂の本店で見つけて購入し,早速全部読んだ。非常に勉強になった。

 季刊考古学146号:特集火山災害考古学の展開
 雄山閣(2019年1月25日発売)
 http://www.yuzankaku.co.jp/products/detail.php?product_id=8553

私は東北地方と関東地方のことしかわからないし,現在の住所地に居住するようになってから以降には主に北南東を中心に考えてきたのだが,先史時代だけではなく,歴史時代以降においても,古代から現代に至るまで,関東地方では壊滅的な大災害をもたらす火山噴火があった。その際に噴出された火砕流や火山灰の総量は,とんでもない分量になっていると推定される。

現在,関東地方の平地となっている部分は,火山噴火の際またはその直後に堆積したものだけではなく,その後の長い年月をかけて山地から水流と共に押し流されてきた火山生成物の蓄積によって形成されたもので,それよりも古い時代には,例えば,海であったり,大きな湖沼であったり,河川敷であったりしたところが多いと推定される。無論,地殻の上昇や沈降もある。

それゆえ,現在の地形だけみて防災計画をたてることは,ほとんど無意味な場合がある。

「温故知新」とは少し異なるが,古い時代のことを丁寧に調べることは,実は現在目の前にある事象の本質をより正確に理解するために非常に大事なものであることを常に痛感させられる。大概の人々は,表面的な装いだけを見て評価するのが世の常というものだ。

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