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2018年11月13日 (火曜日)

事故車の個人データ

下記の記事が出ている。

 Car crash data thief 'unlucky' to be jailed
 BBC: 12 November, 2018
 https://www.bbc.com/news/technology-46185667

この報道によれば,英国のData Protection Actに基づき,違反行為者が服役する初のケースとなるとのことだ。

日本国の法令では,個人情報保護法違反行為があっても,それだけで懲役刑または禁錮刑になることはない。しかし,法令の適用をよく考えてみれば,普通の刑法事案として懲役刑を適用可能な事案もないわけではない。

この点に関しては「サイバー犯罪の研究」で触れたとおりであるし,その後も法と情報雑誌の中で私見を示してきたとおりなのだが,要するに,法学部門における縦割りの細分化が諸悪の根源となっており,頭の悪い法律家だけを増産しかねない制度設計となっているという点を最も重視して今後の対応を考えるべきだと考える。

特に,「法学博士」の称号をもつものは,法学全般に現実に精通している必要がある。民法学博士や刑法学博士等として称号を与えられているのではなく,「法学」の博士だからだ。それにも拘らず,非常に細かく細分化された特殊分野のことしか知らない場合,景品表示法違反と同じような事態が発生していることになる。このことは,私立大学だけが関係しているわけではない。国公立大学法人の場合においても,学費を徴収する大学である限り,問題状況に変わりは全くない。

「まともな論文を書けず,まともに外国法令の翻訳もできない法学博士」など,概念矛盾そのものだと言うべきである。

しかし,今更このような悪弊を除去することは制度上不可能または非常に困難なことだ。特に,海外の大学における学位ビジネス(=単なる資格商法の一種)を妨げるような行為は大きな反発を産む。

それゆえ,残る選択肢としては,「学位」というものを全て無視し,現時点における実力のみを評価するという制度体系に移行することしかないと考えられる。

そして,このことは,企業の人事においても全く同じである。

当該の者の過去の形式的な栄光はともあれ,現時点における実力のみで人事評価すべきである。

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