« 火球? | トップページ | オーストラリア:5Gと関連する高度なリスクに関する議論 »

2018年10月30日 (火曜日)

ロボットまたはAIとの性行為に関する議論

下記の記事が出ている。

 ‘Would robot sex count as infidelity? Technically no…’
 Guardian: 27 October, 2018
 https://www.theguardian.com/technology/2018/oct/27/kate-devlin-robot-sex-infidelity-teledildonics-relationships

(余談)

あくまでも一般論だが,性欲に限らず,人間の主要な欲望が情報技術の利用によって満たされてしまう未来を想定する必要があるように思う。そのような情報技術の中には,現在のVR(仮想現実)関連の技術の発展形が含まれる。

例えば,仮想的に金銭欲が満たされ,または,仮想的に投資の失敗を疑似体験できるとすれば,人々は,投資そのものに対する好奇心を失うというようなことがあり得る。

一般に,欲望は,満たされないからこそ欲望として維持されているのであり,欲望が満たされてしまうと欲望ではなくなるか,または,欲望を感じなくなってしまうことが多い。欲望を満たすための行動に伴う様々な出来事を自分の脳内で想定できる人はかなり優秀な人だと思われるが,VR技術によるシミュレーションは,平凡な人々に対してそのような能力を補充的に提供することが可能ではないかと思われるので,同様に,欲望そのものを削減する要素となり得る。

そして,究極的には,生存の欲望が消滅すると・・・というようなことも,一応,哲学上の課題としては考えておかなければならない。

そこまでいかなくても,欲望の種類・態様の変化は人々の経済活動に大きな変化をもたらすものであるので,「欲望が一定であること」を暗黙の前提とするようなタイプの経済学をいったん廃棄し,全く別のパラダイムに基づく経済学を考えてみる価値はあるように思われる。その場合,個々の嗜好の変化ではなく,ある類型に属する欲望それ自体がまとまって消滅する場合のことを考えることが肝要である。

|

« 火球? | トップページ | オーストラリア:5Gと関連する高度なリスクに関する議論 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 火球? | トップページ | オーストラリア:5Gと関連する高度なリスクに関する議論 »