個人情報保護委員会のGDPR日本語訳
日本国の個人情報保護委員会によるGDPR翻訳作業が完了し,PDFファイルでその対訳形式の翻訳物が公開されている。
https://www.ppc.go.jp/enforcement/cooperation/cooperation/GDPR/
今後は,GDPRの運用面における研究が重要性を増す。
その場合には,例えば,第三国移転の関係では外交の実務に関する知識・経験が重要になり,管理者や処理者の関係では企業法務の実務に関する知識・経験が重要になる。それは,現在の実務の大半が「本当はダメなのだ」ということを現場の実務担当者はよく知っていることによるもので,「現在の実務が良い」からではない。このことは,関連弁護士事務所等から出版されている書籍の中に書かれていることでも同じである。
それゆえ,実務の知識・経験だけでは足りず,常に総合的な判断を心掛けることが求められる。
それと同時に,EUにおいては,個人データ保護や情報セキュリティと関連する法令が今後もどんどん制定・改廃され,関連する政策文書がどんどん公表されることになるので,それらを素早く精読し,理解することも必須となる。
個人データ保護と情報セキュリティは,情報法の分野において横断的に存在するプロトコル層の一部を構成するというのが私の理解であり(「情報社会の素描」参照),この分野の研究者にとって避けることの決して許されない検討対象の集合を構成している。
今後も勉強を継続しなければならない事柄が山積している。
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