マイナンバーカード交付申請用写真審査の現実の運用はおかしい
マイナンバーカードを申請する場合,写真を添付しなければならない。
その要件は,下記に示されている。
https://www.kojinbango-card.go.jp/kofushinse/checkpoint.html
一見したところ,何も問題がないように見える。
しかし,現実には,全く合理性のない単なる形式主義による運用がなされており,日本中の多数の高齢者が何度も申請を却下され,ひどく苦しめられ続けている。時代劇に出てくるような「悪代官」は,現代社会にも存在するのである。
個人情報保護委員会は,そのような実情を全く知らないし,国民から苦情があっても調査し,業務改善の検討をしようともしない。
もし運用面において改善の可能性がないのであれば,高齢者である国民を苦しめるだけのマイナンバーカード制度それ自体を廃止してしまうのがよろしい。
それと関連して,日本国の法制度における本人確認制度全体の根本的な見直しも求められるべきである。本末転倒状態が続いている。
そのような社会的な問題があることを知らず,何も検討しようとしない日本中の憲法学者や行政法学者にもかなり大きな責任がある。
一般に,顔画像による認証は,特徴点が明確に示されていれば十分に実用に耐えるので,特徴点が撮影されていることが確認されれば合格とすべきものである。
目的を達成するための手段の比例性を無視した行政は,悪政そのものである。
個人識別の目的を実現するために必要十分な要件を満たせば合格とするように審査基準を改めるべく,根本的な見直しをすべきである。
その上で,現場の職員を徹底的に再教育し,再教育に馴染まない者(合理性のない形式主義で行動する脳構造しかもたない管理職者及び職員等)は完全に排除し,そして,「良い行政の原理」を実現するための改善を継続的に行うべきである。
また,会計検査院は,合理性の全くない硬直した審査のために巨額の人件費が支出され続けているという嘆くべき実情を直視し,国庫の浪費を極力避けるため,そして,それに必要となる業務改善を勧告するために,関連担当機関に対する徹底した調査を直ちに実施すべきである。
(余談)
上記の基準の中には,失笑するしかないような自己矛盾が平然と確定文字で記述されている。それゆえ,基準それ自体としても,無効である可能性がある。
(余談2)
今度,学生に対する課題として,「上記審査基準に明示で含まれている自己矛盾を2点以上あげよ」という課題を出してみようかと思う。真面目な学生であれば,少なくとも1点は即座に発見できるであろう。2点以上あげるためには一定程度以上の勉強を積むことを要するので,2点以上をあげることのできた学生には優秀という評価を与えることができる。
なお,ここでいう自己矛盾とは,論理上の矛盾のことを意味し,誤字脱字の類を含まない。
(余談3)
合理性のない却下に対しては訴訟によって強制的に申請を受理させ,カードを発行させること,及び,合理的な理由なく却下した組織に対して損害賠償請求訴訟を提起することが可能であると解する。
しかし,個々の高齢者が本人訴訟を提起することは不可能または非常に困難であるのが普通なので,関係する分野の弁護士は,高齢者救済のための弁護団を組織したら良いのではないかと思う。
[追記:2018年3月13日]
上記機関から大量の個人情報の漏洩があったと強く疑うに足りる証拠がある。
所属の管理職者及び従業者全員を徹底的に調査しなければならない。
しかし,個人情報保護委員会はほとんど無力なので,何もできないだろうと思う。
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