量子コンピュータ技術を競う時代
下記の記事が出ている。
Quantum computing’s future is almost semi-here—are we ready for it?
ars technica: March 17, 2018
https://arstechnica.com/science/2018/03/ars-visits-ibms-quantum-computing-lab-but-finds-no-cats-trapped-in-boxes/
Google's Quantum Computing Party Is as Fancy as Physics Gets
Wired: March 14, 2018
https://www.wired.com/story/googles-quantum-computing-party-is-as-fancy-as-physics-gets/
Alibaba puts quantum computing in the public cloud, follows Intel and IBM's lead
Tech Republic: March 1, 2018
https://www.techrepublic.com/article/alibaba-puts-quantum-computing-in-the-public-cloud-follows-intel-and-ibms-lead/
Why Are Big Tech Giants Like Google & IBM Rushing To Commercialize Quantum Computing?
Analytics India: Marfch 11, 2018
https://analyticsindiamag.com/why-are-big-tech-giants-like-google-ibm-rushing-to-commercialize-quantum-computing/
Watch Out, Amazon And Microsoft: IBM Has 16,000 AI Engagements, 400 Blockchain, Several Quantum
Forbes: March 12, 2018
https://www.forbes.com/sites/bobevans1/2018/03/12/watch-out-microsoft-and-amazon-ibm-has-16000-ai-engagements-400-blockchain-several-quantum/
(余談)
一般に,素早く「困難」を解決できる能力をもつ者が優れた人材だと考えられてきた。
その「困難」には幾つかの種類があるとされており,先人によってその分類が試み続けられてきた。
様々な考え方がある。例えば,「困難」の中には,困難ではない課題の集合体ではあるけれどもその分量が非常に大量であるために部分問題の解決を順次こなしていくために時間を要するというタイプの「困難」があるとされている。
そのようなタイプの「困難」に関し、同じ方程式で解を求めることができるけれども計算対象が大量である場合の解決方法として,力技による対処としてのスーパーコンピュータの利用があり,解法の工夫による対処としてのAIがある。これらは,いずれも単調な解法の一種であり,非単調性の世界とは基本的に異なる。しかし,世界に現実に存在する「困難」のかなりの部分は,このようなタイプの単調性という性質をもった「困難」で占められている。それゆえ,普通の能力しかない人間でも「仕事」を与えられる機会があるのだ。
人間の労働による解決の場合,仕事それ自体がそんなに難しいものではなく,ただ分量の問題があるという意味での「困難」が存在する場合,人間の知的能力及び肉体的能力の疲弊を回復するため,労働者には休養と休日が与えられなければならず,労働時間の制限も必要となる。
ところが,スーパーコンピュータ技術とAI技術の発展,そして,それを支えるハード面での技術革新は,世界の状況を一変させつつある。
機械装置にも疲労と劣化が存在するけれども,人間の精神的または肉体的な疲労と比較すると,ほとんど問題にならないレベルで連続した作業が可能だ。しかも,その処理時間及び処理量が人間の労働による結果よりもかなり高速かつ大量のものとなり続けている。
そして,量子コンピュータは,そのような技術革新による社会の変動により人類の仕事の大部分を奪ってしまう最後のとどめとなる可能性がある。
世俗的な見解として,人間の労働が自動化されても,他の仕事が生まれるという。だが,他の仕事のために支出するのは普通の労働者なので,労働者の労働が消滅している社会では支出もない。すなわち,新たな仕事は生まれない。
通貨による社会の統制を前提とする限り,それ以外の結論はない。
そういう簡単な経済原理を理解できていないところに,世俗的な見解というものの大きな限界がある。
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